「クローン病治療 経過報告」
43歳 男性 2016年6月15日
43歳 男性 2016年6月15日
私がクローン病と診断されたのは25歳の時でした。幼い頃からお腹が弱かった私は、日頃から当たり前のように下痢止めの薬を飲んでいました。また、アトピー性皮膚炎を患っており薬局で買っていたステロイド剤を塗って症状を抑える日々を送っていました。高校2年生のとき、切れ痔の手術を受けました。その頃から頻繁に下痢が続くようになりましたが、回数は一日1~2回程度の軟便と下痢の繰り返しでした。また、社会人になるまでは激しい腹痛や発熱といった症状は全くありませんでした。
21歳の時私は自動車販売会社へ勤務することになり、入社後多忙な日々を過ごしていました。仕事に対してのストレスは増すばかりで、まだその時は下痢や腹痛の症状はたまにしかなかったのでそんなに気にすることなく毎日を過ごしていました。また、仲間とお酒を飲みに行ったり遊びに行ったりと好きなことをしてストレスを発散していました。
ある日、勤務中に突然下腹部に今までにない激痛が走り、うずくまったまましばらく立てない状態が続いたことを覚えています。発熱もありましたが、下痢の症状はあまりなく軟便の繰り返しで1日2~3回程度であまり苦にはしていませんでした。その症状がしばらく続いたある日、やはりこれは普通の痛みじゃない、何かおかしいと思い某総合病院を受診しました。そこでは大腸カメラ検査を行いましたが、結果は特に異常もなく整腸剤と痛み止めの薬を処方された記憶があります。その後、全く症状は変わることなく下痢・腹痛・発熱に悩まされていました。
平成10年7月頃、症状が改善されないのを理由に、今まで通院していた病院から別の総合病院を受診することになりました。今までの症状を担当医師に伝えると、「クローン病の疑いがあるかもしれない」と言われ、私には何のことだか全く分からないまま後日、小腸造影検査を行うことになりました。数日後、自宅に1本の電話が入りました。私が出ると、先日受診した総合病院の担当医師から直接電話がきたのです。「突然で申し訳ないのですが、明日検査結果をお話ししたい。その後、そのまま入院の手続きをとって下さい」といったような内容の電話を受けた記憶があります。
医師から直接電話が入ったので、何か命に関わる病気にかかったんじゃないかと急に不安な気持ちになりながらも翌日受診することになりました。診察室で検査結果のレントゲン写真を見ながら医師は「小腸の末端にこのように縦走潰瘍がありますね。これはクローン病という病気です。一生治らない病気で食事制限をしながら病気とうまく付き合って行かなければなりません。今日から入院してもらい、しばらく絶食しながら治療していきます」と言われました。その瞬間私の頭の中は真っ白になり、入院手続きの最中一緒に同行していた母親は泣いていました。
7月7日に入院し夕食は食べることができましたが翌日から絶食が開始され、エレンタール(粉末状でフレーバーと一緒に水に溶かして飲む。一袋約300カロリー)を1日7袋と、飲んだ後に1回4錠(1日12錠)のペンタサと点滴のみの生活が約1ヶ月続きました。とにかく不味くて何度も挫折しそうになりました。また、友人からクローン病に関する情報をいくつかもらい毎日勉強しましたが、合併症など恐ろしいことばかりで絶望感に陥っていました。エレンタール及びペンタサを毎日飲み続け1週間後には下痢・腹痛もほとんどなくなっていました。1ヶ月経過後、少しずつ食事が始まり退院する前に胃カメラと小腸造影を行いましたが、縦走潰瘍だった所が治ってはいたものの狭窄になっていることが判明したのです。医師からは「狭窄部分が閉塞にならない限り手術はしません。切除した箇所からまた潰瘍等が発症してしまいます。食事には十分に気を付けてください」と告げられました。その後、8月下旬頃無事退院することができ9月頭から仕事復帰しました。
退院後は月1回受診し下痢の症状は落ち着いてはいましたが、回腸末端狭窄部分の痛みが毎日続いていました。また仕事もやはりハードであったため、ストレスでまた再発してしまうのではないかと恐れてしまい復帰後約1ヶ月で退職しました。翌年、幸運にも市役所試験に見事合格し平成11年に市役所に勤務することになりました。その後、4年間付き合っていた彼女と結婚し現在2人の子供と4人で暮らしております。
発症後12年の年月が経ち、一生辛い思いをしながら病気と付き合っていく生活をしていくのは絶対イヤだと思い、ある日自宅のインターネットで「クローン病完治」とダメ元で検索してみると松本漢方クリニックがヒットしたのです。正直、半信半疑でしたが松本先生の理論をよく読み翌日すぐに電話で予約をしました。
平成22年9月、有給休暇をとって新幹線に乗り松本漢方クリニックを初受診しました。入口を開けると漢方薬の独特のにおいが院内に広がっており、このにおいを嗅いでいるだけでなんとなく症状が和らぐような気持ちになりました。先生と話しをした際「クローンは治るで、お前自身が治すんじゃ、俺が治すんじゃないぞ。出世はあきらめろ、ストレスは溜めるな、ペンタサを徐々に減らし止めなさい」とおっしゃっていただき最後に僕の手を固く握ってくれました。その時「クローンは絶対治る、治してやる」と心に刻みました。その後、鍼灸治療も行いました。薬は、食前(下痢止め)、食後(痛み止め)の漢方薬2週間分とお灸(カマヤミニ)、入浴用の漢方薬2袋(週1回)、抗ヘルペス薬、フロモックス(抗生剤)、アトピー治療の赤い塗り薬及び飲み薬、また、アルブミンの値が低かったため飲み薬を処方されました。
漢方薬を飲み始めてペンタサを1回4錠から2錠に減らし、1ヶ月後には完全に止めました。今までペンタサで一時的に症状を抑えていたので、止めてから一週間後に下痢・腹痛の症状が今まで以上に酷くなり辛い日々を送っていました。しかし、これも完治させるためと我慢し数日後には徐々に回復していきました。また半年後、両腕にものすごい湿疹ができ「これが松本先生が言ったクラススイッチなんだ、これでクローン病が緩和していくんだ」と実感しました。その後、5年半が経過しましたが、漢方とお灸をすることで自己免疫が上がり、以前は頻繁に風邪や発熱を繰り返していましたが、今では年1~2回に治まっております。また、酷かったアトピーもほとんど完治しました。ただ、下痢・腹痛に関しては、治療前に比べ多少緩和したものの、未だ症状が続いております。やはり12年間ペンタサを飲み続けたことが体に蓄積され、完治への妨げとなっている理由の一つだと松本先生から言われました。
私の経験から、診断を受けたらまず松本理論をよく理解し、その後早めに松本漢方クリニックを受診し治療を開始することが完治への最も近い手段だと実感しており、自分も何故早くこの松本漢方クリニックに辿り着けなかったのかと日々悔やんでおります。この空白の12年間がなければ今頃完治し、腹痛のない毎日を送れているのではないかと思うと後悔してやみません。
現在、地元の消化器内科を3ヶ月に1度受診していますが、病院で処方される薬は症状を一時的に抑え、尚且つ免疫を下げてしまうため前文でも述べた様にペンタサは現在内服していません。病院から処方されている薬(抗生剤以外)はすべて処分していますし市販薬も全く飲んでいません。そして採血の結果のみを次回受診時に松本先生に報告しております。 (総合病院採血結果
平成28年5月6日 総蛋白:5.4 アルブミン:2.8CRP:0.8 リンパ球:27.8)
現在、消化に悪いもの、香辛料の強いもの以外は基本何でも食べていますが、白米に関しては、先日松本先生に教えていただいた発芽玄米をなるべく食べるようにしています。お酒も適量飲んでいます。まだ完治には至っておりませんが「自分の病気は自分で治す」といった言葉を常に心に思い、「絶対に治す」という気持ちを強く持ち今後も治療を続けて行きます。松本先生及びスタッフの皆様これかもどうぞ宜しくお願い致します。