全剣連中央・地区講習会

令和6年6月29日と30日の両日、福岡県久留米市で全日本剣道連盟居合道、中央地区講習会が開催されました。

開場は久留米アリーナの総合体育館と館内に併設しているサブアリーナ、剣道場などを使って、全剣連居合道の講習が行われます。

開会式では小倉範士、福岡県剣道連盟会長の挨拶などが淡々と進み、すぐに全剣連居合の変更箇所を含む12本の技の講習に入りました。

参加者は4段以上ですが、研修を受けるメインは6段・7段で、8段の先生が班ごとに分かれて指導するという形になっています。別府市民体育館での研修会を10倍くらいに膨らませたような雰囲気ですが、受講者は高段者なので緊張感はもっと張りつめています。

この講習は午前中だけで、参加者はまだ刀を振ることもありません。全体に範士から参加者に技の変更点を説明することが目的のようです。

午前中2時間は「あっという間」に終わって、昼食と休憩に入りました・・・こんな講習なのかなぁ~と少し物足りなさがあります。

続いて午後からは審判講習・・・これも会場を2箇所に分けて審判席を3か所・・・ただ、参加者が多いので前後に同じ審判席を設けて、同時に6人の審判稽古が出来るようになっていました。斬新なやり方で良かったです!


この段階は主審の合図の発声と、副審を併せた審判旗の上げ方、降ろし方の練習がメインでした。私も何度も審判席に座りましたが、別府の審判研修と同じ感じですから、さほど緊張せず無難に終わりました。中にはその研修が出来ていない方もいるのか、上げ下ろしを注意されている方がいらっしゃいました。別府での研修会に参加していてよかったです。

ところが、2日目の午前中は仮演武の試合形式での講習(実技)となり、さすがに緊張しましたが、幸いに副審を1回しかしなかったので・・・良かった、それとも折角行ったのに稽古できなかったので悪かったのか判りません。

審判実技は審判席6人の後ろに50人くらいの待機者がいて、一緒に旗上げをしないといけません。勝負がハッキリしていれば楽ですが、拮抗していると旗が分かれます。すると指導の國方範士が「どうして」と理由を求めてくるので緊張しました。

それと、後ろに大勢の待機者がいて判定をほぼ同時に上げるため、演武者から観れば圧力が大きいです。特に、勝敗が明らかな場合、目の前の審判だけでなく、後ろの大勢の待機者(全員7段)が一斉に旗を上げるので、負けた方はガッカリ感が凄く効いてくると思います。旗を上げる方の多くが笑っていましたが、演武者は・・・特に、負けた演武者はトラウマになりそうです・・・

審判講習以外は古流研究という時間もあり、他の流派の技3本ずつを振ってみようという時間でした。今回は、直伝英信流・無外流・伯耆流でしたが、英信流は神伝流の基本なので割と馴染みがあり判りやすかったですが、無外流はなかなか目にすることがないものでした。それでも、1つの技は全剣連の12本目のベースなので稽古はしやすかったです。伯耆流は声を出すので、静かに演武する神伝流としては新鮮でした!・・・さらに、上方に上げた刀を添え手突きにする動きなど、時折、別府の日曜稽古に参加される方の演武を見ていてやってみたいなぁ~と思っていたので良かったです。血振り動作が無く、刀を水平にしたまま蹲踞する姿勢も格好良くて見ていましたが、実際にするとなると蹲踞が左右逆なので不安定になって難しかったです。

他の流派の古流稽古は木剣でしたので気を遣わずにできたのも良かったです。

二日目最後は全剣連の稽古・・・変更点を重視した12本の稽古です。7段は4グループに分かれ、それぞれ8段の先生が担当します。私たちはさらに半分に分かれて交互に演武稽古となりましたので、一人一人に目が行き届きます・・・悪い部分はすぐに指摘されます。

私は三本目の受流しで立つ時の刀の抜き上げが遅いため「もっと早く抜いて立ち上がりなさい」と指導されました。日曜稽古で東先生からも言われていましたので、私の弱点と理解しました。以前は左脚を踏み込みながら刀を抜き上げながら立つ・・・という連続的な動きでしたが、今は左脚を踏むまでは刀をさほど抜かず(鯉口は切っている)左足で立つと同時に刀を切先三寸くらいまで抜き出し、そして受流す・・・感じに見えました。ここにも以前と最近の所作が違いました。

2時間くらいでしたが結構何度も演武できたのは良かったです。終了後、教示して頂いた先生方にお礼を述べ閉会式となりました。雨が酷いので1時間ほど早めに終了することになったそうです。