木剣づくり

女子小学生のための稽古用木剣の製作始末記

大分居合道同好会には9名の女性剣士が稽古を続けています。そのうち3名は小学生です。彼女たちの中には稽古を始めて2年近くなる子もいて、同じ稽古年数の成人と比べても腕は劣ることはありません・・・むしろ、丁寧に演武を行うことに集中しているので正確さは勝っていたりします。

 そういう彼女たちの悩みといえば、模擬刀を振るのは武道場だけしかなく、自宅などで自主練をするにしても体格に合う木刀はありません。小刀の木刀も販売されていますが、それでは柄の長さが短すぎて上手くありません。何かいい方法はないだろうか・・・ということで、子供たち専用の木剣を作ることにしました。

 本来なら市販のような赤樫などを使うと良いのでしょうが、それはなかなか手に入りません。ホームセンターあたりで購入できるものが無いか探すことにしました。最初に目を付けたのは「パイン材の集成材」でした。

 彼女たちはまだ握力が弱いので、重い板材を使うと手首や肘を痛めると思うので軽い木材であるパイン材は好都合でした。早速、家に持ち帰って刀身らしく鋸で切っ先の形に切り、鉋で整えていき、大型カッターナイフで切っ先らしく削り出ししました。そこまでは上手くいったのですが、問題は刃と刃先、峰の加工で鉋を通したところ、集成材は異なる板材を接着して一枚板にしているため、木目が途中で全く変わってしまい、その部分で鉋が上手く通りません。段差がついてしまうのです。 

集成材は繋ぎ目があり木目が通ってない

 それでも何とか削って加工していったのですが、ふと・・・「これにニスを塗ったら、木目や接合部分がもっと露になって見た目も悪くなる」と気づき、加工途中でやむなく断念しました。結構、加工は進んでいたので悩みましたが、やはり、木剣を手にした彼女たちのことを考えると、集成材ということが見え見えでは愛着も感じられないでしょう。やはり、木材の材質からもう一度見直すことにしました。

 私自身はホームセンター行脚が好きなので、材料選びでウロウロするのはむしろ楽しい時間です。そういうプラス思考で探し回った結果、「白松材」が木目の通りも良く、刀身の「板目肌」そのものになるのでは?と考えて購入しました。

 さあ、また初めからやり直しです。

白松材を購入し、最初からやり直しです・・・心機一転!