白銀
白銀、、、と書いて「しろがね」と読みます。
白銀とは日本刀の拵えを構成している様々な金属部品を指します。
例えば、柄頭の「頭金(かしらがね)」、柄の縁を留める「縁金(ふちがね)」「鍔(つば)」や「ハバキ」なども白銀です。
私の真剣や最近作った模擬刀は鞘の後「こじり」にも金具がついています。
こうした金具を作っている職人さんが白銀師です。
上の写真は現在の白金の職人さんの仕事風景です。
ハバキには銅や真鍮、真剣では銀などが使われますが、これらを切ったり曲げたり、あるいは削ったりして、拵えや刀身にピッタリ嵌まるように作るのです。
その過程で、錫(スズ)などで金属をロウ付け接着するなど、現在でもそれなりの道具がないと出来ないような事を、はるか1000年前にすでに行っていたことは驚きです。刀造りが当時の最先端の科学技術であったことが見えてきます。
モノづくりの基本は、このようなところにもあるものだなぁーと感心しますね。
白銀師の仕事ではありませんが、刀身に刻む銘も鉄に文字を刻むのですから、それ以上の硬さの鋼鉄を使っていたはずです。
おまけに、叩きながら鉄を刻むには刃先は鋼鉄でも、叩く部分は軟鉄の方がいいでしょうから、2種の鉄を接合したハイブリッドな工具だったと思います。
あるいは、焼き入れで硬さを調整していたのでしょう。
とにかく優れた技術が、いにしえから日本にあった事は間違いありません。
ただ、そうした技術が何もないところから出現したのではなく、大陸からの技術供与であった可能性は高いでしょう。
それを、昔の日本人が改良を重ね、日本刀の作刀に使いやすくしていったのではないかと思います。