居合を始める(その2)

◎居合道の教本など 

 居合を学ぼうとして、ネットや書店で教本やDVDを購入する方もいらっしゃいます。 最近ではyoutubeにも居合道の演武などがあります。しかし、それら公式・非公式の動画で身振りや手振りを真似ることはできても、細かな所作や手の内はおそらく分かりません。居合の難しさは、それらのメディアでは見えない部分にあります。

 動き方を覚えるためDVDを購入する場合、全日本剣道連盟(全剣連)が制作販売しているものをお奨めします。原本が古いのでお世辞にも画質は良いとは言えませんが、所作・理合の細かな指導コメントが参考になります。 ただ、これも全剣連の研修会のレベルアップ方針で、すでに古くなった指導内容になっていることもあります。全剣連居合は今も進化しているのです。

 居合道教本は好きなものを揃えて構いませんが、必携は全剣連の制定居合教本です(下の黄色の冊子)この冊子は僅か250円です。文章だけなので初心者には判りにくいのですが、居合の技前・理合(動きの意図)を解釈するには、これしかありません。そもそも、居合は見て聞いて動いて覚えるもので文字に書けない細かな所作(・・・しながら次の動作を行うなど)が難しいのです。大分県剣道連盟は年に3回、居合道伝達講習会を別府体育館で行っていて、その会場で本教本も入手できます。

  左上の「写真で学ぶ全剣連居合」は12本の刀法と理合を居合道委員・幹事が解説し、演武のポイントを分解した写真で示しています。入門者から高段者まで使えますので1冊持っておくと良いでしょう。 スキージャーナル社から刊行されています。※残念ながらスキージャーナル社は営業を終了し廃刊となりました。

 中央の黄色表紙の冊子は先に述べた「全日本剣道連盟居合(解説書)」、右の「居合」は全剣連のDVDです。黄色表紙の解説書は大分県剣道連盟で購入出来ますが、これだけ見て居合を始めることは無理です。お近くの稽古場に見学に行って相談することが確実です。

 ところで、スキージャーナル社の書籍が廃刊になり、居合道を始めようとする方は困っているかもしれません。でも、左の書籍が刊行されましたので少し安心できそうです。

 書籍名は「居合道虎の巻2018」

 全剣連居合の12本についての解説があり、写真での説明もあります。スキージャーナル社の書籍に比べると演武の連続写真は少ないですが、現時点の全剣連居合のポイントが掲載されています。他にも、高段者の居合道の解説や演武写真もあり、2000円ほどの書籍としてはとてもお買い得です。居合道を既に続けている方々にも良い書籍だと思います。