リベンジ六段!大阪審査会

投稿日: 2017/07/10 12:20:29

梅雨空でポツポツと雨が降る今日、いよいよ六段審査会が行われます。

ホテルを出かけようとすると、刀袋を抱えた年配者がチェックアウトしていました。

” あ、自分も年配者かぁ~ ”

六段審査は大体60歳くらいで若者組、年寄り組に分けられます。

若者組の年配者が良いか?、年寄り組の若年者が良いか?・・・それはなんともいえませんが、若者組であれば少し後ろの方になる私は、心の準備ができるのでそれだとありがたい!などと思ってしまいます。

阿波座のホテルを出て全ての荷物を抱え(キャリーバッグ・リュック・刀ケースが当日の荷物です)、地下鉄に乗り込みましたが、同じような人は見かけません。

皆さん、もう先に会場に行っているのかもしれない?と思いながら、昨日の朝潮橋駅で降り、中央体育館までの広い歩道をキャリーバッグを転がしながら数分歩くと、正面ゲートが見えてきました。

大阪中央体育館は半地下式になっているため、地上は自然の丘のようになっています。なかなか変わった設計ですね。

正面ゲートに降りていくと、もう数10人ほどが入り口の開くのを待っていました。

私もほかに知り合いは・・・日曜稽古会で一緒に稽古したNさん、Sさんくらいしか思いつきません。

でも、少し待っているとNさんが紋付き縞袴を着て歩いて来られました。話を聞くと「すぐ近くに宿泊したので、着装してきました」とのこと。準備万全でした。

また、少しするとSさんも到着し、その頃に正面玄関が解錠されました。

中に入ると濃州堂さんがお店を開く準備をしています。ん?社長の五十嵐さんの姿がない・・・

社員の方に聞くと「今日は留守番です」とのこと。

昨年の香川での初めての六段審査(高熱でホテルのベッドで大半寝ていただけの審査にならない初挑戦)のあと、ボーッとする頭で五十嵐社長に「刀が体力に合わなくなったので調整したい」という注文をしていたので、今回はマイナーチェンジした愛刀「国忠」で挑みます。それを伝えようと思っていたのですが・・・。

お店の横を通り審査会場に入ると、円形のアリーナは香川体育館に比べて規模も大きく、エアコンも効いて気持ちが良かったです。

早速、紋付き縞袴に着替え、予備体育館にて練習に行くことにしました。

地下のまた地下みたいな場所に予備体育館はあり、すでに数10人以上の受験者が練習をしていました。

昨年は高熱の上、香川体育館の予備体育館はエアコンがなく蒸し暑いため体温調整もできず、厭な汗がドンドン出ましたが、今回は爽やか!よし、大丈夫!

一番前にスペースがあったので、そこでいつものような準備運動をして、制定12本、古流2本の練習をし、20分くらいで切り上げました。そうこうしていると「六段審査の先生は受付をしてください」と係の方が呼びに来られたので、刀の手入れをしながら気持ちを落ち着けて会場に上がることにしました。

ほんと、大阪中央体育館は上り下りが多い構造になっていますね~。

アリーナに戻るともう受験者は集まって並んでいます。

私は57歳なので区分を見ると「お~まだ若者組やなぁ」と少し嬉しく、左側の集団に並びました。

番号をもらうと28番、全員で45人くらいですから真ん中よりは後ろだけど、割と後ろにも受験者がいました。

たぶん、65歳くらいで分けているのかもしれません。

4人1組で演武するので、私は7番目の一番最後のD、「7D」となりました。

他の3名の方とそれぞれ挨拶しましたが、Cの方は女性です。

女性で六段を受けようかという方は上手に決まっているので、合格率で考えると4人の中の1人にはなれないなぁ~

そんなことを思いながら他の方とも歓談。

Aの方は香川県からで、昨年はご自身の県で受験でしたがNGだったとのこと。今回は私と同じようにリベンジです。

この方が結構面白くて、審査前なのに「私は飛行機とかが好きなんですよ」「メールアドレスもドイツの空軍の飛行機の名前なんですよ」なんて話をしてくれました。

審査前で緊張気味の私も、何となく似たような趣味の方がいて気がほぐれ、どきどき感は少しなくなったことは幸いです。

(この方、残念ながら結果は出ませんでしたが、同じ年齢で趣味も似たようなことから、またいつか話をしたいなぁ~)

そんな感じで待っていると、いよいよ本番が近づきました。

受験者全員が審査の説明で集められ、今日の審査の制定居合の指定技が伝えられました。

「5本目袈裟切り、7本目三方切り、9本目添え手突き」

1週間前の東日本のグループと同じです。

こうした同じ技で試験をすると後の組はラッキーだなぁ~と感じたりしますが、結局は普段の稽古の善し悪しが出るので、審査結果にはあまり大差が無いのだろうと思います。

事前練習はできますが、どれが出るか分からないので、12本は練習せざるを得ません。

古流は、「初発刀・勢中刀」で昨年と同じです。夢想神伝流ではオーソドックスな技なので、審査でこれを抜く方が多いと聞きます。

演武時間は6分以内ですから、できれば長い技は避けたいと考えるのは皆さん同じでしょうね。

それでは、いよいよ本審査です。待っている手のひらに少し汗を感じます。

ただ、すでに始まった演武を見ると日曜稽古会の皆さんに比べて・・・なんだかグラグラ。身体が落ち着いていません。

東先生がおっしゃられていた「全国的に見て稽古会の人たちの演武は良いのです」ということが何となく分かった気がしました。

すでに審査が始まっていますが、明らかに五段でも少し辛い方もいらっしゃいます。

逆に、十二分に六段を超える方もいるわけです。

さぁ、ここに残らなければ六段には合格しません!

落ち着いて、気負わず、自分を見失うことなく演武しよう!