玉鋼(たまはがね)

これが日本刀の原料となる「玉鋼(たまはがね)」です。

元々は、花崗岩類岩石に含まれる磁鉄鉱、あるいはチタン鉄鉱など、いわゆる「砂鉄」が原料です。

この砂鉄を「たたら」という炉を使って木炭の熱で溶かし(溶かすとは少し違いますが)、炉の底に溜まった鉄宰から玉鋼が生まれます。

鉄の色というと新鮮な部分は銀色、錆びたものは赤褐色というイメージですが、下の写真のように、玉鋼には輝く青、オレンジなど非常に綺麗な色が混じっています。

この写真は島根県松江市で本業の技術者会議があり、そこで展示していたものを撮影しました。

会場には奥出雲たたら製鉄の村下(ムラゲ)の木原さんが来場されており、私も少し話をさせていただきました。

玉鋼はこのままでも十分美しいのですが、折り返し鍛錬し焼き入れし、何段階もの研ぎを加えると、日本刀が持つ妖しくも美しい輝きが生まれるのです。どんなに均質で光沢があっても、ステンレスではこうした印象や有難さが感じられません。・・・なぜでしょう?

やはり、日本古来の技術を職人さんが懸命に守っていっていることに感銘を受けるからではないかと思います。

と、そういう話を木原さんとしたと思います。

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