制定居合

(座技1本目~四本目)

一本目 「前」 二本目「 後」 三本目 「受流し」 四本目「 柄当て」

 ようやく居合の準備が整いました。いよいよ刀を抜いて居合の技を習得します。 ところで制定居合とは何でしょう?・・・これは全日本剣道連盟が作った剣道人のための居合、「全日本剣道連盟居合」の通称です。もともと剣道人のための居合ですが、これには居合を学ぶ大切な所作が多く含まれています。技は全部で12本・・・通常の居合道の練習はこれを繰返し稽古し、刀法や身体の動きを少しずつ覚えます。 

◎一本目「前(マエ)」

 制定居合は入門後1か月くらい(4回目の稽古)から少しずつ取り入れ、一本目「前」をじっくり練習します。それは、「前」という技は居合の所作や手の内の70%くらいが含まれる重要な基本形だからです。居合は正座から開始する技が多いので、これを着実にできるようになるためにも大事な技なのです。

◎二本目「後(ウシロ)」

 次の二本目「後」は後の敵・・・、真後ろではなくて少し右にいる敵を倒すための技です。「前」とほぼ同じ所作なのですが、足の配置が左右逆になることと、180度回転するためバランスも崩れやすいので、安定性が求められる難しい技です。

◎三本目「受流(ウケナガシ)」

 三本目「受け流し」は左横からすでに切りかかってくる敵の刀を、自分の刀の「鎬(シノギ)」で受け流し、その反動というか手の内で刀を返して、敵を袈裟に斬る技です。制定居合の中でもこの技は「逆手納刀」という、ちょっと変わった刀の納め方をします。(アニメ鬼滅の刃で、水柱の富岡義勇さんが一番最初に登場して納刀する時のイメージですね)

◎四本目「柄当(ツカアテ)」

 四本目「柄当て」も少し変わった技です・・・それは、この技は鎧を身に着けている状況で座っているのです。そのため、正座ではない独特の座り方です。最初は難しいうえ足の甲に体重が載るので痛いです。技前は、まず正面の敵の水月を刀の柄頭で突いて、そのまま半身になって背後の敵を突き、再び起き上がってきた正面の敵を真向から斬り下ろします。コンパクトな技ですがメリハリが必要な技です。

 このように、居合道は場面を想定して稽古を進めます。最初は身体が慣れていませんので立ち座りが大変、膝や足も痛くなります。練習後1~2日経つと身体のあちこちが痛くなることもあります。マッサージで身体を揉んでもらうと、数日後に身体が強張るというか、だるさを感じるというか・・・とにかくストレッチのような動きなので、使わない筋肉が疲れているのでしょう。さらに、普段の生活では殆どしない正座で足の甲も赤くなって痛みます。でも、数か月すると身体が慣れてきて、足の甲も皮膚が厚くなり、板の間での正座も大丈夫になります。

 制定居合の稽古を始めて1ヶ月位すると、この4本くらいの技が抜けるようになります。

制定居合立技(5~12)へ

入会など へ