刀剣展と居合

投稿日: 2019/10/20 3:55:11

ラグビーワールドカップ開催中の大分県で、大分県立美術館(OPAM)で刀剣と金工展が開催されました。

同美術館では初めての刀剣展で、国宝級の刀剣が出品されるとのことで楽しみにしていました。

この展覧会の10月14日、刀剣にちなんで居合の演武を行うという企画があり、東範士と日曜稽古の数名が一般の方々に日本刀を使った演武や意味を公開しました。

私たちの同好会からはSさん親子が演武と演武補助を依頼され、多くの観衆の前で居合道とはどのようなものかを実際に観ていただきました。

内容としては、居合道とはどのようなもので、

なぜそうした動きをするのか?・・・ということを、実際に演武補助者をたてて東範士が説明をされました。

一般の方は日本刀を観る機会はほとんどなく、それを使った演武を目の前で実際に観ることはまずありません。

居合道も人に見せることが真の目的ではなく、敵を倒すことよりも敵と戦うことを避けることが居合の最終目的であり、自分の心との戦いであるということも解説されました。

一般の方がまず驚いた(会場からオオーっという声が聞かれた)のは、刀を振った際に発生する音でした。

時代劇のようなキャベツを切るザックリ音ではなく、ビュッ!という風切り音に驚いていたようです。

東範士はその音について刀の形状とその構造の意味についても説明され、そうした構造がない刀では僅かにしか聞こえない、構造があることで刀は軽くても強度を落とすことなく実用に使えたなど、刀剣展との関わりになる刀独特の技術論も説明されていました。

東範士は全剣連の制定居合と古流(無双直伝英信流)を幾つか抜かれましたが、なかなか古流を観る機会はありませんので、とても楽しみでした。

夢想神伝流と同じ流派を源流としていても古流には違いも多く、各先生が伝承してきた技が色々な形で残っているものだと再認識しました。同じ夢想神伝流でさえも、同じ大分県内でも違いがあるのですから、流派が異なると違いはあって当然なのです。

会場には50~60名ほどの観衆が見えられ、演武の後は刀剣展に移動していました。

私も刀剣展で様々な名品を間近に観ることができ、時代や地域での刀剣の発達など再度勉強する機会となりました。

会場の後半には実際に刀を手にとって観るブースも設けてあり、模擬刀を手にとって写真撮影される方が多かったです。とりわけ、最近の流行である刀剣女子がかなり多く、写真撮影も男性よりも女性の方が積極的に被写体になっていたようです。

中には髪の毛をまとめるのに「こうがいびつ」という、昔の武士が曲げの手入れに使っていた金細工を使っている女性もおられ、” 女性の方がこういう点は男性に比べて研究しているのだなぁ” と感じました。

居合道を一般の方に紹介する機会となり、居合道を学ぶ私たちにとって、今回の企画はとてもありがたいものでした。

参加されました皆様、ありがとうございました。