居合の競技会など

 居合には伝達講習会や昇段審査、選手権大会などのイベントがあります。

 1年中稽古ばかりしていてもつまらないでしょうし、居合を長続きさせるために段位取得や競技会への参加は必要です。

◎伝達講習会

 居合には古くから伝わる古流と、全日本剣道連盟が行う全日本剣道連盟居合(全剣連居合)があります。

 前者は各道場で伝わっているもので、様々な流派と、同じ流派でも少しずつ違う技や理合があります。

 一方、全剣連居合は12本の居合(文章だけの表現)を解釈しながら稽古を続けますが、時代とともに少しずつ技前や理合が変化します。

 それを伝達講習会に参加して取り入れる・・・つまりバージョンアップが全剣連居合では必要です。

 大分県では毎年3月と9月の第3、あるいは第4日曜日に別府市民体育館で開催されます。

 講習では8段の先生が教本や中央講習会を基に、実際に細かく演武のポイントを教授してくれます。

 講習後は各段ごとに分かれて、7~8段の先生が実技指導を行います。

 ほぼ1日間の講習ですが、昼頃には同じ会場で初心者の1級審査会などがあります。

◎昇段審査

 大分県では毎年4月29日が昇段審査で、初段~5段までは県内審査です。

 初心者は伝達講習会時に1級審査が行われますので、コレには必ず参加しましょう。そうしないと昇段試験が受験できません。

 最速で初段になるための期間は6ヶ月くらいでしょうが、本当の意味で初段になるには1級合格後、1年くらい稽古して受験します。

 初段になった翌年には2段の受験資格ができ、2段になって2年目に3段の受験資格ができます。5段になるには最短12年が必要です。

 6段以上は全国審査で、これが非常に難しい試験になっています。

昇段審査の様子

 同じ段位を受験する方は男女の区別でなく、年齢で演武の順番が決まるようです。若い方でも高年者でも審査の基準は同じですが、三段から五段くらいになると、年齢差が演武にも出やすいのです。

 やはり、若い方は力もあって切降ろしの速さも速いですが、高年の方はそれはできません。審査員も見るべきポイントを考えて審査を行っているのだと思います。

段別選手権大会

居合道の試合と聞くと「刀で打ち合うの?」という質問もありますが、本当に真剣で打ち合ったら怪我や刀の破損などで大変です。

第一、数10万円の刀で打ち合うわけにもいきません。

そのため、居合の試合は「形」の競技になります。

「形」=「演武}ですが、「演舞」ではありません。

「居合は舞い(踊り)」と言われる方もいらっしゃいますが、空手の「形」と同じように勝つ選手の技は踊りには見えません。

高段者で全国大会クラスの選手の居合を見ていると、とんでもない緊張感と斬れる居合いの意味が判ります。

演武は通常1対1(場合によって3人同時)で行い、「斬れている」、「敵を意識している」居合を抜いた方が勝ちになります。

その違いは初心者の頃には分かりませんでした。少なくともパパッと速ければ良いというものではありません。

こうした選手権大会はとても緊張します。

わたしごとですが、仕事で数100人の前で話をするより、居合の試合5分間の方が遙かに緊張します。

居合の選手権大会は段別であって、老若男女の違いはありません。

多くの武道やスポーツで、性別や年齢を問わずに競技をするのは希有でしょう。

女性や若手は素直に練習しているせいか男性選手に比べ上達が速く、演武に無理がありません。

男性の多くは力任せにビュンビュン振って、本人は気持ちいいのですが試合では勝てません。

女性と若手は敵にしたくないものです。

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