居合を続ける

 居合を始めるのは簡単ですが、続けていくのは結構大変です。制定居合12本を覚えるには概ね3ヶ月、それなりに抜けるようになるには1年くらい掛かります。これは週1~2回の稽古をキチンと行った場合です。

 稽古が上達に関わるのは何の分野でも一緒で、熟練者でも長期間稽古しないと技前が落ちてきます。もし、初心者が1ヶ月間も稽古しないと・・・おそらくスタートに戻ってしまうでしょう。 居合は個人技であり戦う敵は同じ技量を持つ自分なので、休もうと思えば幾らでも、練習したければ幾らでもできます。それを決めるのは自分です。稽古を続けてきた人の中には色々な方がいました。 例えば・・・

1)上達は速く試合で好成績を収め、2段~3段を取得後に稽古に来なくなり、結局は辞めてしまった方

2)上達は遅かったが一所懸命練習し、3段の頃に競技会で優勝した方 

3)最初4~5回稽古して2~3ヶ月休み、再びスタートからやり直す・・・これを繰り返して結局辞めてしまった方 

4)半年間は月に2回くらい練習したが殆ど上達せず辞めてしまった方

5)指導も聞かず技術も上がらず、何のため稽古に来ているか分からない方 

 居合でもスポーツでも天性の勘がある人は上達が早く、選手権大会で良い成績を収めたりします。 逆に、コツコツと稽古して、ある時急に花が咲いたように上手くなる努力型の人もいます。居合を始める理由は人によって色々、勘の良し悪しも様々です。でも、上手な人が必ず居合道を続けているわけではなく、上達が遅い人が居合道に適していないわけでもありません。その人がどれだけ自分の居合道を考えているかです。

 私も30年近く居合を続けていますが、仕事や生活での都合、関節を痛めるなど障害もありましたが、そこで続けるor 辞める、決めるのは自分の意思,意志です。「休みたい」という弱い気持ちを抑え、稽古を続けることも武道であると考えます。

 正しい稽古をして、徐々に上手くなってくると居合が楽しくなります。知らない技を覚える時も楽しい段階です。初心者が高段者から指導を受けると腕前は確実に上がります。それでも全国大会レベルになるにはほんの僅か、人一倍の努力+天性の能力が必要なのも確かです。

 段位が上がるほど上達の割合は相対的に小さく、それで居合を諦める人もいるです。自分の求めている居合が何であるか?・・・始めた頃の動機を考えると居合が長続きするのかもしれません。私も6~7年前は「県内審査の五段まででいいか」と思っていましたが、その頃から同好会の入門者が増えてきて、その方々に指導するならもっと正確な居合ができるようにならないとダメ・・・それで、日曜日の別府市民体育館での稽古に参加するようになりました。もう7年目になりますが、それでもまだまだ改善ができていない部分は沢山あります。それをキチンとできるようになることが居合を長続きさせてくれています。

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