第52回全日本居合道大会

投稿日: 2017/10/22 12:42:26

全剣連は毎年この時期に全日本居合道大会を開催しています。

今年は広島県の広島サンプラザで10月21日の土曜日に実施されました。

私は過去に観客として行ったことはありますが、今回は6月に六段に昇段したこともあり、個人演武で参加してきました。

広島県までは私が通常住んでいる博多から新幹線で1時間ほど。大分からに比べると2時間近く速く着くことができます。

そんなことで、当日の朝7時にマンションを出て、博多区の会社に車を置き、近くの駅から博多駅まで慣れたコースでゆっくりと向かいました。

新幹線は博多発なので予約もせず座れます。

本当は前日、広島に宿泊して大学時代の友達に会うなど楽しみにしていたのですが、ネットでビジネスホテルを探すとどこも満室!。

どうも、何かのイベントが予定されているのか空きがありません。でもそれは一ヶ月前から!

ヤフートラベルではカプセルホテル2、800円の次が、いきなり24、800円の高級ホテル!・・・いったい何なんだ?という感じでした。

結局、宿泊は諦めて日帰りコースで計画。

博多ー広島間は飛行機がないのでJR西日本の一人舞台、2枚切符などの割引もありません。

カープのファンであれば応援切符というのがあり、これだと結構安い金額で乗れるんですが、応援チケットがある場合です。

と・・・まあ、そういう算段をして普通の片道切符で広島に、そこから山陽本線で新井口まで4駅で着きます。博多からは1時間と少しです。

駅に降り立つと、少し郊外というか静かな町でした。

地図では会場まで約800mなので、”雨が降ると困るなぁ~”との思い傘を準備していましたが、その必要性はありませんでした。

驚くことに会場近くまで屋根付き歩道が道路の上を走っており、おまけに歩く歩道?・・・動く歩道が整備されているのです。

” おおっ!これは博多にすらない! ” かなりの区間は濡れずに済みました。

会場近くに着くとエレベーターで地上に降りる仕組みです。素晴らしい!

会場までの途中にも、大会関係者があちこち案内標識を持立っていて挨拶をしてくれます。分かりやすいです。

それで会場に着いたかといえば・・・いえいえ、広島サンプラザは結婚式場などがあるホテルのような造りで、そこに入ってしましました。

似たような人も多いのか、案内係の女性がニッコリと微笑んで「あちらです」と手で方向を指してくれます。

少し歩いて行くと、会場の看板がありました。

「おーここかぁ」と思いながら中に入っていくと、いつもの刀屋さんの濃州堂さん、武道具屋さんがお店を開店していました。

キョロキョロ見ながら入っていくと、キャリーバッグが床に引っかかってしまいました。

” 入り口の床が凸凹してるなあ ”と感じながら受付に行くと、係の方が慌てるように寄ってきて、「ここは土足禁止なんです」・・・と。

” ん? ”

よく分からないでいると、ロビーの椅子に座った高段の先生らしき方からも、「入口にビニールの入れ物があるのでそれに入れて」とのこと。

そこでようやく、先ほどの凸凹は靴を脱ぐためのプラスチックのスノコで、そこが上がり口と分かりました。

よく見るとカラスの何枚かに ” 土足厳禁 ” と表示。

「ここではきものをお脱ぎ下さい」みたいなことですが、下を向いてたので土足厳禁も見えませんでした。

掛かりの人は「あ~あれだけ窓に貼っているのに・・・」と思ったかもしれません。

出店に気をとられ、下を向いたりして、注意書きは案外見えないもんだな・・・と思ってしまいました。

しかし、床はどこでもあるタイル敷きで普段は土足OKと思いますし、体育館の入り口で靴を脱ぐなど思いもしませんでした。

※この理由は、この受付前の場所が演武者の集合場所になっていることで理解できました。

観客席に上がると、試合が始まったばかり、各地方ごとに観客席も分かれているのは以前の福岡大会と同じです。

こういう配慮は嬉しいですね~

大分県の観客席に行くと、何人かの知ったメンバーがすでに到着し、ビデオカメラで撮影したり、一眼レフで連写していました。

私もとりあえず動画も撮れるデジカメを持参していましたので、ホームページ用に使うものなど幾つかを撮影しました。

しばらくすると、今回の大分県選手団の一人が属する新日鐵居合道倶楽部の面々が到着し、同門の試合を見守っていました。

結果は残念ながら敗れてしまいましたが、全国大会に参加する技量があることは凡人の私からみるととても羨ましいです。

そのうち、彼のような豪快な演武ができるようになりたいと思います・・・いや、年齢差があるので、とてもあの力強い演武は無理でしょう。

そうこうしているうちに時間が経過し、お昼になりましたが弁当は注文しておらず、このままいくと昼食を摂れずに個人演武になってしまう・・・

という不安がありました。

でも、おなか一杯で演武は出来ないし、まぁ、仕事で山中を昼食も摂らずに歩き回ることもあるので、” あれと一緒 ”と考えるとたいした問題ではありません。そう気を引き締めて着替えをし、練習会場に降りることにしました。

練習スペースでは五段の方達が練習しています。

上手な方も結構いらっしゃる・・・それもそのはずで、全国大会に選手で出場経験者も演武に出るのです。

別府の日曜稽古会によく参加するF君も福岡大会の五段の選手でした!

私などは選手にはなれませんが、こういう場で演武が出来ることは嬉しいことです。緊張感もあって、今後の試合の心構えにもなります。

練習はとりあえず身体を慣らしたり、関節を温めるなどに留め、怪我しないように準備運動のつもりで12本を抜きました。

演武は自由5本とのことで、同じ大分県から出場のKさんから「古流2本、全剣連居合は試合と同じ三・六・十の三本でいきましょう・・・」とのことで、それに賛成して待つことにしました。

しばらくするとスタッフの方が「六段の先生方はロビーに集合してください」とアナウンスがあり、先ほど私が土足厳禁の場所を靴のままズカズカ歩いたところに集まって、演武の場所の順に整列しました。

” あぁ、ここに集まるように予定していたので、裸足の人も多い中、土足ではまずかったんだなぁ~ ”と納得した次第です。

順番をアルファベットの縦軸と数字の横軸で分け、会場内の立ち位置を決めるそうです。

そういえば前回の福岡大会と同じです。

整列したらそのまま会場に・・・とおもいきや。五段の演武の前に試合がまだ終わっておらず、演舞会場の前で正座で待つこと20分くらい?

さすがに正座は出来ない方が何人かいらっしゃいましたが、とりあえず多くの演武者は正座でじっと待っています。

これも居合で板の間に正座することが多くなったからできるようなものの、初心者の方には辛いだろうと思います。

道場で初心者から「床で足の甲が痛いのですが・・・」という話しを聞きました。

それは当たり前のこと、正座で待つことが出来るようになって居合道が身につくのです・・・と説明したことがありました。

ようやく、試合が終わり五段の演武が始まりました。

F君の居合を後ろから見ていましたが、相変わらず素晴らしい居合をしています。F君はイケメンで物腰は穏やか。本当にいい青年です!

五段が終わるといよいよ六段。

縦軸横軸で並んだ後に立ち会いの先生の合図で正面への礼、45度右を向いて正座、刀への礼、演武の順番です。

私は六段審査で使った、初発刀、勢中刀の2本の古流を抜き、その後は全剣連居合。

やはり緊張して考える居合が出来ていないことが後から分かりました。ただただ、一所懸命に振っていたような感じです。

それでも、ほぼ毎日木剣で昼休み稽古しているので、少しは手の内は出来ているのでは?・・・と思いましたが分かりません。

そもそも考える余裕はありませんでした。

また、十本目を45度で抜くので、2人目の切り下ろしでは後ろの演武者と接近するため、タイミングを少しずらさねばなりませんでした。

演武が終了し、とりあえず何事も無く終わりの刀礼、座ったまま正面に向きを変え、立ち上がって正面への礼、退場・・・

緊張しましたが良い経験になりました。

個人演武の様子です。

左の写真は教士七段の先生方で中央右付近に池永先生、右の写真は高松先生が写っています

(池永先生すみません。コンデジ画像の全体写真なので小さく写ってしまいました)<(_ _)>

一応、今回の目的は達したので、早々に着替えて濃州堂さんなどのお店に行くと・・・、えっ?もう店じまいなんですか?。

商品をあまり見ることは出来なかったのですが、幾つかの商品を手に取って感触を確かめ、同門で真剣が必要な場合などを確認して観客席に戻りました。

最終的には決勝戦までを見て、表彰式を背後から撮影し会場を後にしました。

表彰式の様子です。スタッフの皆様、お疲れ様でした。

追記

昼ご飯をとっていなかったのでお腹も空き、” 広島駅に行って名物のお好み焼きでも食べよう!”

その意気込みで広島駅に戻ると、何とコンコースが改装中で食べるところがありません。

仕方なく在来線から改札を出て探すのですが分かりません。

” 以前来たときは、このあたりにお好み焼き屋さんがあったはず?”

あちこちするのも疲れるので、もうどこでもいいや!

結局、新幹線のコンコースに入ってチェーン店のカフェで、北海道豚のサンドとカフェラテのセットを注文しました。

” なんで広島まで来て、どこでも食べられるものを注文しないといけないの?”・・・と思っていると、同じ会場で演武をしたらしき女性が飲み物を注文して私の斜め前に座りました。

飲み物だけなので私より先に席を立とうとしたとき、こちらを見て会釈されたので、私も会釈を返しました。

大会会場にいると皆が居合道をしているような錯覚に陥るのですが、居合道人口は他のスポーツに比べて少なく、街中で会うことなど滅多に無いのです。

それが分かるのは、刀を入れている袋を持っていること!。

街中での居合道人を見分ける唯一の方法であるのだなぁ~と思い、同じ目的で頑張る一体感を感じ、また嬉しくなりました。

つい追記

新幹線が来るまでまだ20分あまりありますが、まぁ、ホームにでも上がって待ちましょうか・・・

と、何の気なしに登ってホームに出ると、そこで何と東範士が帰りの新幹線を待っておられました。

私は、まさかこの時間に東先生が新幹線を待っているとは思ってもいませんでしたので、、、

” どこでもドアでも使ったんですか?”・・・とはとても聞けず、

「試合が終わって、スタッフの方々や他の先生方と話などをされているとばかり思ってました」と率直に考えを伝えました。

東先生は「いやいや、前日から乗り込んでいたし、他の先生方とは前の日に十分お話をしていました」とのこと。

それにしても私が山陽線から広島駅に戻って少しウロウロして食事をした時間は大して無かったことを考えると、、、

やはり「どこでもドアで・・・」そんなことは聞けません。

東先生は私の予定する新幹線の10分後に出発する便だったので、それまで10~15分くらいの短い間ですが色々な話が出来てとても良かったです。

今回の広島大会の中で一番のイベントではなかったかと思った次第です。

新幹線が到着する数分前までお話しし、今後も別府の日曜稽古会に参加するという意思を伝えました。

東先生と別れて指定席の12号車の乗り場に行くと、別府稽古会に時々参加される宮崎のN年生にお会いしたので挨拶していると、向こうから新幹線が入線してきました。

あっという間の広島遠征でしたが、初めての個人演武への参加など本当に良い経験になりました。

マンションに戻ってiphoneの万歩計を見ると、今日1日で8km歩いていました・・・どうりで足の裏が痛い!

明日は休みなので、のんびり過ごそう・・・いえ、掃除や洗濯が待っています。

単身赴任なので明日1日では大分には戻られないのです。

今度は28日、翌日は大分県剣道祭で演武があります!

また、頑張ろう!”