活断層近くの被害

熊本地震の本震から1ヶ月が過ぎ,余震は1400回を超えた.

昨日(5月15日)はこれまでの最低回数と同じ15回を示したが,突然やってくる直下型特有のドーンという揺れに気が休まることはない.きわめて局所的なためか,気象庁の発表にカウントされないこともある(私見).

震度7の激震に二度襲われ未曾有の被害を被った益城町へは1ヶ月に二度訪れていたので,他人事ではない.益城町に住む知人は無事であることがわかったが,周辺の被害は筆舌に尽くし難いという.熊本阿蘇空港へ子供を送った帰りに益城町を訪ねようかと思ったが,復興支援のための車輛が多く断念せざるを得なかった.第二空港線沿いにある大型産業展示場グランメッセの駐車場(2200台収容可能)は車中泊の車で溢れていた.

そのようなわけで益城町中心地の被害状況は報道やウエブ情報に頼らざるを得ない.以前にも紹介したキロクマが提供している著作権フリー被災写真(撮影場所不明)を閲覧していたら,見慣れた益城町寺迫交差点付近(国道443号線と県道28熊本高森線)の建物が写っていた.そこで,被災前の映像が残っているGoogleのストリートビューで,撮影場所を特定した上で,比較のために利用させてもらった.

最初の写真は,右手に益城文化会館の一部,奥には益城町総合体育館の屋根が見える.県道28号線の路上から撮影したGoogle画像である.二枚目の写真は,被災後の写真であるが,自然の力に翻弄され破壊された姿は酷すぎて直視できるものではない.

益城町寺迫,Googleストリートビュー(地震前).

倒壊し井出に落ち込んだ家屋,一階が倒壊した家屋(右).奥の家の多くが傾いている(キロクマ画像).

少し方向を変えて撮影された Google 画像(地震前)

被災後の画像

周辺地図(赤丸は撮影場所の概略位置)

青丸で示した地点の画像

被災前の画像

益城町役場(右側),体育館(右上部)西側(地震前の Google 航空写真)

地震後の Google 航空写真 被害は写真左側(西側)へ続いている.前震後に撮影された画像と思われる.

今回の熊本地震では,震度7の地震の発生時刻が午後9時,午前1時台であったため,火災による被害は軽微であった.これが炊事中であったらと思うと身の毛のよだつ思いがする.最近は,寺社や墓石の倒壊は,人の身代わりになってくれたという見方もあるようだ.そう思わないとやっていられないということである.