27MHzをAmateurに分配しようという話は、1944年にアメリカのRTPB(Radio Technical Planning Board)が、10 Meter Amateur Band を1MHz下へシフトさせて、27.000 - 29.000MHzにしようと提案したのが最初でした。
もっともこの提案は後に取り下げられますが、1945年にISM Band(27.185 - 27.455 MHz)が新設されることになり、ここを2次業務でアマチュアに分配しても良いとFCCがほのめかしたことが、11 Meter Amateur Band誕生の直接的なきっかけでした。
1946年3月13日にFCC Order 130-D にて27.185 - 27.455MHz がアマチュアに分配され、南北アメリカ諸国の一部がFCCの措置に追従しました(オーストラリアなども追従したといわれていますが、私は公的資料による検証ができていません)。
アメリカの11m Amateur Bandの周波数は2回も変更されています。
◆ 27.185-27.455MHz(1946年3月26日から1947年4月29日まで)・・・FCC Order 130-D(1946年3月13日), 連邦官報告示(11FR3158, 1946年3月26日)
◆ 27.160-27.430MHz(1947年4月30日から1949年6月30日まで)・・・FCC Order 130-M(1947年4月10日), 連邦官報告示(12FR2815, 1947年4月30日)
◆ 26.960-27.230MHz(1949年7月1日から1958年9月10日まで)・・・・連邦官報告示()
1944年、戦後の周波数分配案(Docket No. 6651)の成案において、ISM機器の周波数を策定していた、RTPB Panel 12(ISM分科会)が25.320 - 29.320MHz の4MHz帯域を要求したため、このままでは10 Meter Amateur Bamd は29.320 - 30.000MHz(680kHz帯域) になってしまう状況だった。
【参考】Panel 12が要求したのは225kHz帯(224 - 226kHz), 450kHz帯(449 - 451kHz), 1707kHz帯(1705.3 - 1708.7kHz), 3415kHz帯(3411.6 -3418.4kHz), 6830kHz帯(6823.2 - 6836.8kHz), 13.66MHz帯(13,6463 - 13.6737MHz), 27.32MHz帯(25.3200 - 29.3200MHz), 40.98MHz帯(40.755 - 41.185MHz), 81.96MHz帯(81.55 - 82.37MHz), 163.92MHz帯(163.10 - 164.70MHz), 491.76MHz帯(489.31 - 494.21MHz) だった。またさらに将来ISM用として使用できるかのISM実験バンドとして1.05GHz帯(1.0 - 1.1GHz), 2.55GHz帯(2.5 - 2.6GHz), 5.1GHz帯(5.0 - 5.2GHz), 10.2GHz帯(10.0 - 10.4GHz), 20.4GHz(20.0 - 20.8GHz)を要求した。
そこでRTPB としてのDocket No.6651提案への総合的とりまとめ役であるPanel 2 は、Panel 12からの27MHz帯の4MHz帯域の要求を3.5MHz帯域に圧縮し、全体的に周波数を下にシフトさせた。ISM Bandを23.5 - 27.0MHz、10 Meter Amateur Band を27.0 - 29.0MHzとするものだった。
終戦から1年経った、1946年(昭和21年)9月1日に発行された『CQ Ham Radio』(科学新興社)創刊号のp18には米国で誕生した11m バンド(27.185~27.455MHz)が報じられている。