ISM

ISMの研究の歴史は非常に古いのです。静電気の電撃が筋肉を収集させることから、イタリアのボローニア大学の医師であり、現代風にいえば生理学者でもあるガルバーニ(Luigi Galvani)が、死んだカエルの足の筋肉を使って実験を繰返し、1791年に「筋肉運動による電気の力」(De viribus electricitatis in motu musculari)として発表しました。

1) 高周波医療機器(ジアテルミー)からの無線通信への混信

高周波医療機器から漏れ出る電波が無線通信に妨害を与える事例は古くから報告されてきたが、1940年(昭和15年)にこの問題を解決するために、ジアテルミー製造者、無線機メーカー、そして連邦通信委員会FCCの三者によって会議がもたれた。ジアテルミー専用の周波数を決めようとしたが、その周波数安定度および周波数許容偏差で折り合いがつかなかった。ジアテルミー製造業界は周波数の安定度や偏差を確保するために水晶発振回路を採用するのはコスト増につながるととして反対だった。

またこの会議と平行してIRAC(Interdepartment Radio Advisory Committee)でもジアテルミーからの混信問題が話し合われていたが、IRACでは13.660MHzおよびその2倍(27.320MHz)と3倍(40.980MHz)の周波数を選定し、周波数許容偏差を0.05% とすることでさっさと合意してしまった。この合意は水晶発振方式への強制移行令を意味していた。