終戦時の無線局
逓信院がGHQ/SACPに日本の電波の利用状況を報告した資料を、GHQ/SCAP側が1945年12月にまとめたものを紹介します。放送局や船舶局、陸海軍の無線局リストはこれとは別にまとめられましたので含んでいません。
【注】放送局は570kHzのJODGを代表して記載されています。
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終戦時の実験局
法2条第5号無線施設のうち個人に許可されたもの(いわゆるアマチュア無線施設)は1941年(昭和16年)12月8日に禁止された。しかし同じ法2条第5号無線施設のうち企業や団体に許可されたもの(いわゆる私設実験施設)や、法1条に含まれる官設実験施設は個々の事情に応じて、その開設や再免許が判断されていた。
終戦時にはJ2CK(6,400kHz), J2DB(6,400kHz), J2FA(3,550kHz), J3LD(7,100kHz)の実験局があったが、その実態は不明である。ただ個人的な見解を述べさせていただくと、戦時中も電波実験を継続し、軍にも観測資料を提出していた、文部省電波物理研究所の実験局が上記に含まれているのは間違いないと考える。
(6,400kHzのJ2CK/J2DB)
【参考】上記EVW, EXW, EVS, EXS のコールサインは日本の警察無線。
(3,550kHzのJ2FA)
【参考】上記EVP, EXP, EVS, EXS, EVN, EXN のコールサインは日本の警察無線。
(7,100kHzのJ3LD)
【参考】上記ENP, ENQ, ENR, ENS, ENO2, ENW のコールサインは日本の警察無線。
Jコール(Jひと文字のコールサイン)が戦前のものという表現は正確ではない。日本人の無線局(実験局)としては1947年2月19日まで、また連合国人の無線局(アマチュア局)としては1948年12月31日まで、Jコールサインが使用されていた。
14,200kHzの謎のXU3C( ?)もリストされている。大陸方面の占領地で運用されていた実験施設だろうか?
(14,200kHzのXU3C)
呼出符号周波数一覧表
上記のリストでは各周波数を使用中のコールサインは分かるが、そのコールサインの局名(または免許人)は分からない。
1946年2月13日付けで逓信院BOCがまとめた「呼出符号周波数一覧表」では無線局種ごとにコールサインとその局名、使用周波数がまとめられている。したがって周波数の低い方から順に調べたいときには不便だが、局種ごとにまとめられているので、これはこれで便利である。またひとつの局が複数の周波数を使っている場合なども一目瞭然である。
なおこのリストには実験局のくくりはない。したがってJ2CK, J2DB, J2FA, J3LD の詳細はわからない。
Eの付くコールサインは、(大まかにいえば)内務省ENN(3270,7560kHz)と各県庁にはENシリーズ、その管轄下に置かれた警察署にはEV,EXシリーズ、気象庁にはEUシリーズ、鉄道省にはEWシリーズなどが割り当てられている。