Mar 46 AFRS

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日本本土を第六軍(西日本)と第八軍(東日本)で分割占領していましたが、第六軍を動員解除して、第八軍が全土を管轄することになりました。1946年3月7日、英連邦軍BCOFは第八軍隷下の第24歩兵師団から広島県の占領を引き継ぎました。さらに3月8日には山口県と島根県もBCOFが担当することなりました。

BCOFは第八軍の作戦指揮下に入ったため、第八軍司令部へ周波数の分配を要求し、放送用としては1470kc(100w)が分配されました。

  • Mar. 05,1946 ・・・ 英連邦占領軍BCOFより第八軍へ周波数分配を要求

1946年1月末より英連邦占領軍BCOF(British Commonwealth Occupation Forces)の呉(広島)進駐が始まり、3月1日には呉に司令部が開設された。BCOFとはイギリス軍・オーストラリア軍・インド軍・ニュージーランド軍・カナダ軍などイギリス連邦を構成する諸国による混成軍である。

連合国メンバーとして日本占領に加わったので、連合国最高司令官SCAP(マッカーサー元帥)の直下に位置するのだが、実務上では(BCOFにとっては不本意だろうが)GHQ/SCAPのGHQ/US AFPACを上位部隊とする第八軍司令官の作戦指揮下に入った。

1946年3月5日、BCOFの通信長は、上位部隊の第八軍の通信長に対して、"Frequency Allocation - BC Air and Units" でBCOF軍への周波数分配を求めた。その内容は次の通りである。

全て軍の通信用で、放送用周波数は含まれていないが、それは別途求めがあったようで3月15日に決定している。

  • Mar. 07, 1946 ・・・広島県の占領をBCOFへ引継ぎ

当初の合意では英連邦占領軍BCOFは西日本を占領していた第六軍が撤退後の広島県とその周辺地域を担当することになっていた。まず3月7日に第八軍隷下の第24歩兵師団(24th Infantry Division)は、BCOFの第34オーストラリア歩兵師団(34th Australian Infantry Brigade)へ広島県の占領任務を引継いだ。

しかし3月8日に山口県と島根県も担当地域に加わり、3月23日に岩国基地や防府飛行場を含む山口県の占領が始まりまった(島根県は少し送れて4月15日から)。

その後もBCOFの占領担当地域は拡大されつづけ、5月15日より鳥取県、5月23日より四国地方、6月10日には岡山県へ進駐した。こうして中国・四国地域をBCOFへ引継いだ第24歩兵師団とその放送局WLKHは、岡山にあった司令部を小倉へ移し、第2海兵師団より九州全域の占領を引継ぎ担当するようになった。

  • Mar. 15, 1946 ・・・ BCOFに最初の放送用周波数と電力が指定された

はじめてのBCOFへの分配なので原文を紹介しておこう。米太平洋陸軍司令官CINC AFPACから第八軍司令官CG Eighth Armyへの通達である。BCOFの要請を受けた軍通信課を経由し、民間通信局CCSが周波数を選定している。すなわち連合国軍の軍事局ではなく日本人の無線局と同列に扱われた。

ROUTINE

SC REK/AJF/fi

15 March 1946

FROM: CINCAFPAC

TO : CG EIGHTH ARMY

Frequency for British Commonwealth Occupation Forces broadcast transmitter nesr Kure asigned 1470 kilocycles power 100 watts.

OFFICIAL: APROVED:

H.G.A. R.A.K.

COPY TO:

C SIG O (RETURN)

CIVIL COMMUNICATIONS SECTION

NOTE FOR RECORD:

Frequency requested by the Signals Officer of BCOF for the broadcast transmitter to be located near Kure. This frequency selected by Civil Communications Section at Military Communications Division request.

E. J. H.

NFR(Note for Record)にはこの周波数が民間通信局CCSにより選定されたことが記録されている。

  • Mar. 21, 1946 ・・・CCSがBCJ呉中継局の周波数変更を指示

1946年3月21日、CCSは逓信院BOCに対し"Broadcast Frequency Assignments"で、「周波数1470kHzをBCOFの放送用周波数として指定した」と文書をもって伝えた。そして呉のBCOFの放送が1470kHz(100W)で運用されるので、現在建設中のBCJ呉中継局(1320kc, 50W)の周波数を1270kHzへ下げる必要があるだろうとし、逓信院BOCがBCJ呉中継局に対して1270kHzを指定するように指示している。

なおNFR(Note for Record)にはこの周波数はCCSが日本放送協会BCJのリクエストにより選定したものだとある。

  • Mar. 30, 1946 ・・・AFRS短波中継(JZC, 3075kHz)への混信妨害

1月よりAFRSの短波中継に3MHz帯が使用されるようになったが、さっそく混信事件が起きた。US AFPAC よりCCSに対して、3月28日で東京方面から発信される周波数3072.5kHzの未確認A3波で、4時間に渡りAFRSの短波中継(八俣, JZC, 3075kc)が妨害を受けと通報があった。CCSはただちにBCJへ電話し、調査と混信の排除を命令した。これは3月30日付けでCCSから逓信院BOCへ文書でも送られた。