秋の野のマメ
多様な種子散布の知恵、フジの実の時限爆弾など
多様な種子散布の知恵、フジの実の時限爆弾など
実は4つくらいのマメが入っていて、節があって分かれる「分果(節果)」になる。
荒地盗人萩。花はピンク色で目立ちます。果実表面の細かいフック状の毛で動物の毛皮や人の衣服に付着して種子散布される「ひっつきむし」です。街中でも生えています。
盗人萩。実は2つのマメが入っていて、節があって分かれる「分果(節果)」になります。果実表面の細かいフック状の毛で動物の毛皮や人の衣服に付着して種子散布される「ひっつきむし」です。
山道沿いに生えています。
草合歓。水田や河川敷などに生えています。果実は節があって分かれる「分果(節果)」になります。莢はコルク質で、水に浮いて散布されます。
痰切豆。豆を食べると痰を止める作用があるという俗説からこの名があるそうですが、痰を止める作用はないそうです。
赤く色づいた莢が開いて、黒い小さな種子が縁に着きます。種子は鳥が食べることで散布されます。
藪蔓小豆。林縁の草地などに生えます。栽培種のアズキ(小豆)の原種。黄色の花は少し変わった形で花弁がねじれている。果実は4~9cmくらいの細長いサヤ状で毛はなく、熟すと黒緑褐色になり、莢が弾けて種子を弾き飛ばします。
野小豆。日当たりのよい場所に生えます。黄色の花は少し変わった形で花弁がねじれています。果実は4cmくらいの扁平なサヤ状で、表面に毛が密に生えています。莢が割れてねじれ、中の種子を落として種子散布します。
藤、別名ノダフジ。日本の固有種で、本州・四国・九州の低山地や平地の林縁に生えるつる性木本。蔓は右巻き(S巻き)になる。初夏に長い総状花序に多数の花を付ける。古くから観賞用として、庭園などに植栽される。奈良公園の春日大社の「砂ずりの藤」は有名ですね。
以前、自宅の居間の隅にフジの果実を吊り下げていたら、ある日突然弾けて、種子が散乱しました。大きな破裂音がして、種子が弾丸のように飛散したのだが、ちょっとびっくりしました。種子は居間の反対側の引き戸にも当たったので、かなりの飛距離があると思います。
また、次のフジの実を採ってきて、居間の隅に吊るしています。次はいつ弾けるだろうか?
夏藤、別名ドヨウフジ。7~8月に淡黄白色の花を咲かせます。日本固有種で、関東地方南部以西に分布。蔓は左巻き(Z巻き)になると言われますが、安定はしていないようです。果実は長さ10~15cmで、表面は無毛です。鳥による被食散布もあるようです。