山本健(中央大)
本講演では、まず乗算的確率過程に基づく確率モデルを紹介し、それがベキ的な分布を生むことを示す。次に、このモデルと映画の興行収入データの比較を行う。映画の興行収入を製作費で割って規格化した「投資利益率」という量の分布がベキ的な裾をもち、そのベキ指数は提案する確率モデルから予想される値とよく一致した。このことから、提案するモデルは映画が収益をあげる過程の特徴をうまくとらえていると考えられる。