愛子岳 屋久島東部の鋭鋒、雨の山登り

鹿児島県  1,235m  2019年11月5日

九州百名山

463

晴れるはずだったのに雨

豊かな林を抜け

岩場の黒綱を登り

海から見た尖峰の上に立つ

☂☂☂☂☂

フェリーから屋久島の山々が青空の下によく見えた。左手(屋久島東部)には鋭鋒の愛子岳が、着岸する直前までずっと見えていた。

上陸して宮之浦と安房の間を行き来すると、鋭鋒の愛子岳はよく目立っていた。すっきりと美しい鋭鋒。だが、頂上部分を登るのはたいへんそうに見える。岩場もありそうだ。

夜明け前に雨が降り、登山口から出かけようとするとまた雨が降り出し、天気予報をチェック。雨なら諦めるか、と思ったのだが、天気予報は晴。そこでザックカバーをつけ、タフに持ち替えて出発。

標高400m、500m、600m・・・・に標高別にプロットした階層別植生の詳しい表示板があった。雨はいったんあがり、晴れそうになるが、また降り出す。落葉の道もあり、あいかわらず豊かな林。

あと200~100mとなったところでロープ出現。乾いていても緊張しそうな岩場なので、とにかく慎重に登る。雨の日にこんな岩場を登るとは・・・・。そして、大きな岩の脇を登り、ついに頂上到達。手前の古い祠にはお賽銭とお供えがてんこ盛り。奥に頂上標識が二つ。あの鋭鋒の愛子岳頂上に立てて感激ひとしおだったが、また雨が強くなってきたので、そうそうに帰路につく。

強い雨のため、沢筋の道はまさに沢の流れになっていて、そこを慎重に下降。こんな雨の中を登るバカは俺だけだろうな、と思っていると、なんと!この大雨の中を登ってくる人がいた!「これから登るんですか」と聞くと、「おう」と力強い返事!この人に会ったおかげで私も一気に元気になれた。

 上陸して宮之浦と安房の間を行き来すると、鋭鋒の愛子岳はよく目立っていた。すっきりと美しい鋭鋒。だが、頂上部分を登るのはたいへんそうに見える。岩場もありそうだ。
 大きな木(アカガシ?スジダイ?)

 岩壁の黒綱を慎重に登る

 古い祠にはお賽銭とお供えがてんこ盛り

  5:12 駐車地点発(標高165m)  5:13 登山口、旧道に入る  5:39 登山道合流  6:50 標高600m地点  8:47 最初のロープ  9:03 最後のロープ  9:12 愛子岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り4時間0分  9:21 最後のロープ10:54 標高600m地点11:48 登山口11:50 駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復6時間38分
往復8.4㎞、標高差1,083m

AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA

フェリーから屋久島の山々が青空の下によく見えた。フェリーは着岸するまで車に入れないようになっていて、ずっと山を見ていた。左手(屋久島東部)には鋭鋒の愛子岳が、着岸する直前までずっと見えていた。

上陸して宮之浦と安房の間を行き来すると、鋭鋒の愛子岳はよく目立っていた。すっきりと美しい鋭鋒。だが、頂上部分を登るのはたいへんそうに見える。岩場もありそうだ。

四日後、フェリーの時間に間に合うよう、4時に起きてヘッドランプで5時に登山開始予定。愛子岳の登山口も前日に調べてある。ところが、夜明け前に雨が降り、ちょっと不安。だが、アラームが鳴った時には雨は止み、安心してふれあいパークを出る。だが、登山口から出かけようとするとまた雨が降り出し、レインウェアを着こむが本降りになり、とりあえず車に入って天気予報をチェック。雨なら諦めるか、と思ったのだが、天気予報は晴。九州も鹿児島も屋久島もまるで晴。なるほど、今は本降りだが、昼前には晴れるのだろう。そこでザックカバーをつけ、タフに持ち替えて出発。この日の失敗は登山口を間違えたこと。侵入禁止の林道の先ではなく、古い登山道の10mほど先に新しい登山道があり、表示もあるのだが、暗くて気づかなかった。古い道はまるで荒れていて、すぐに踏跡は分からなくなり、尾根筋を登り、GPSのピンクルートを見て前進。こんなことで頂上まで行けるのか、と思ったら、少し下って尾根を乗り換えたところで登山道発見。なんだ。そこからはすいすいと進む。300mの標高表示があり、根っこの道を行く。

標高400m、500m、600m・・・・に標高別にプロットした階層別植生の詳しい表示板があった。晴れてればじっくり読むのだが、雨なのでデジカメで映すのみ*。大きな木はアカガシ?スダジイ?雨はいったんあがり、晴れそうになるが、また降り出す。標高800m付近には落葉の道もあり、あいかわらず豊かな林。標高1,000mをすぎたあたりで沢筋の形の急な道となるが、雨水が流れていて登りにくい。あと200~100mとなったところでロープ出現。やっぱりか。最初のロープは白かったが、二つ目以降は例の黒い太いロープ。急な岩壁を登るのもある。それを7回登ったと思うが、乾いていても緊張しそうな岩場なので、滑りそうなところを避け、バランスに気を付け、とにかく慎重に登る。雨の日にこんな岩場を登るとは・・・・だが、ここまで来たんだ、なんとか登り切ろう。そして、大きな岩の脇を登り、ついに頂上到達。手前の古い祠にはお賽銭とお供えがてんこ盛り。奥に頂上標識が二つ。どちらも簡素。ここも三角点はなし。あの鋭鋒の愛子岳頂上に立てて感激ひとしおだったが、また雨が強くなってきたので、そうそうに帰路につく。

*200m植生で多いのはイヌガシ、タイミンタチバナ。400m植生で多いのは、イヌガシ、サクラツツジ。600m植生で多いのはイヌガシ、サクラツツジ、タイミンタチバナ、ハイノキ。800m植生で多いのはサクラツツジ、シキミ、イヌガシ、オオクロキ、ハイノキ、ヤクシマアジサイ。1,000m植生で多いのは、イヌガシ、サクラツツジ、ハイノキの3種。スギが1本。地理院地図には屋久島スギ原始林とあるが、階層別植生に載っていたスギは1本のみ。麓はスギ林だったと思うが、愛子岳の山筋にはほとんど無かったように思う。

強い雨のため、沢筋の道はまさに沢の流れになっていて、そこを慎重に下降。滝のようになった登山道、沢の流れの登山道。ザアザアと音を立てて流れる水流の脇に足場を見つけて下っていく。どうせもうズブ濡れなのだが、夏靴で水に踏み込みたくはない。こんな雨の中を登るバカは俺だけだろうな、と思っていると、なんと!この大雨の中を登ってくる人がいた!「これから登るんですか、(水の流れが)ずっとこんな感じですよ」と聞くと、「おう」と力強い返事!この人に会ったおかげで私も一気に元気になれた。旧道の尾根筋から新道に合流した先は今日初めての道だが、林道の奥から始まっているのだろうと思ったその道は、単に尾根の西側をトラバースしているだけで、最初の登山口のすぐ近くに出た。ちゃんと登山口標識もある。気づかなかった私が悪いのだ。いやはや。しかし、このトラバース路は古い道に見えたので、昔からあった道ではなかろうか。

愛子岳には5時間で往復して10時に戻り、温泉と買物に行く計画だったが、車に戻ったのはもう12時。13時半のフェリーに12時半までに行かねばならない。温泉も買物も諦める。だが、受付を済ませてフェリー埠頭に入った時、ちょうどフェリーが入ってきた。悪天で遅れたらしい。入港すると、まず乗ってきた車が順に降りてくる。温泉と買物に行けたなあ、と思いながら待つ。だが、早く並んだおかげで、今回はフェリーの中の狭い斜路でなく、広いところに駐車できた。ひょっとしたらシャワー室があったなあと思ってバスタオルをもって客室に上がると、確かにシャワー室があり、使わせてもらう。暖かいシャワーをあびてさっぱり。風呂セットも持ってくればよかった。この日は天気が悪く、フェリーからは宮之浦岳は曇っていて見えなかったが、デッキから、港に張った綱を使って出航するフェリーを見て(綱取り放しというらしい)、屋久島に別れを告げる。次にくるときは永田岳だろうな。

(2019年11月1日)

海と愛子岳

フェリーから屋久島の山々が青空の下によく見えた。フェリーは着岸するまで車に入れないようになっていて、ずっと山を見ていた。左手(屋久島東部)には鋭鋒の愛子岳が、着岸する直前までずっと見えていた。

海と愛子岳

愛子岳(県道77(島周回路)より)

上陸して宮之浦と安房の間を行き来すると、鋭鋒の愛子岳はよく目立っていた。すっきりと美しい鋭鋒。だが、頂上部分を登るのはたいへんそうに見える。岩場もありそうだ。

(2019年11月4日)

愛子岳(県道592(ヤクシマランドから安房)より)

愛子岳(県道77より)

(2019年11月5日)

この日の天気予報は晴

四日後、フェリーの時間に間に合うよう、4時に起きてヘッドランプで5時に登山開始予定。愛子岳の登山口も前日に調べてある。ところが、夜明け前に雨が降り、ちょっと不安。だが、アラームが鳴った時には雨は止み、安心してふれあいパークを出る。だが、登山口から出かけようとするとまた雨が降り出し、レインウェアを着こむが本降りになり、とりあえず車に入って天気予報をチェック。

植林の中の車道(下山時映像)

雨なら諦めるか、と思ったのだが、天気予報は晴。九州も鹿児島も屋久島もまるで晴。なるほど、今は本降りだが、昼前には晴れるのだろう。そこでザックカバーをつけ、タフに持ち替えて出発。この日の失敗は登山口を間違えたこと。侵入禁止の林道の先ではなく、古い登山道の10mほど先に新しい登山道があり、表示もあるのだが、暗くて気づかなかった。

愛子岳登山口(下山時映像)

古い道はまるで荒れていて、すぐに踏跡は分からなくなり、尾根筋を登り、GPSのピンクルートを見て前進。こんなことで頂上まで行けるのか、と思ったら、少し下って尾根を乗り換えたところで登山道発見。なんだ。そこからはすいすいと進む。300mの標高表示があり、根っこの道を行く。

標高300m標識

根っこの道

階層別植生400m

標高400m、500m、600m・・・・に標高別にプロットした階層別植生の詳しい表示板があった。晴れてればじっくり読むのだが、雨なのでデジカメで映すのみ(*)。大きな木はアカガシ?スダジイ?雨はいったんあがり、晴れそうになるが、また降り出す。標高800m付近には落葉の道もあり、あいかわらず豊かな林。標高1,000mをすぎたあたりで沢筋の形の急な道となるが、雨水が流れていて登りにくい。

大きな木(アカガシ?スジダイ?)

階層別植生600m

(*)200m植生で多いのはイヌガシ、タイミンタチバナ。400m植生で多いのは、イヌガシ、サクラツツジ。600m植生で多いのはイヌガシ、サクラツツジ、タイミンタチバナ、ハイノキ。800m植生で多いのはサクラツツジ、シキミ、イヌガシ、オオクロキ、ハイノキ、ヤクシマアジサイ。1,000m植生で多いのは、イヌガシ、サクラツツジ、ハイノキの3種。スギが1本。地理院地図には屋久島スギ原始林とあるが、階層別植生に載っていたスギは1本のみ。麓はスギ林だったと思うが、愛子岳の山筋にはほとんど無かったように思う。

落ち葉の道

階層別植生800m

豊かな林

階層別植生1,000m

水浸しの道

最初の白い綱(1)

次は太い黒綱(2)

あと200~100mとなったところでロープ出現。やっぱりか。最初のロープは白かったが、二つ目以降は例の黒い太いロープ。急な岩壁を登るのもある。それを7回登ったと思うが、乾いていても緊張しそうな岩場なので、滑りそうなところを避け、バランスに気を付け、とにかく慎重に登る。雨の日にこんな岩場を登るとは・・・・だが、ここまで来たんだ、なんとか登り切ろう。

岩壁の黒綱(3)

更に岩壁の黒綱(4)

やや斜めの2本の黒綱(手前のを登る)(5)

まだ続く黒綱(6)

最後の岸壁の黒綱(7)

頂上の大岩

賽銭とお供えがいっぱいの祠

頂上標識

そして、大きな岩の脇を登り、ついに頂上到達。手前の古い祠にはお賽銭とお供えがてんこ盛り。奥に頂上標識が二つ。どちらも簡素。ここも三角点はなし。あの鋭鋒の愛子岳頂上に立てて感激ひとしおだったが、また雨が強くなってきたので、そうそうに帰路につく。

滝のようになった登山道

沢の流れの登山道

強い雨のため、沢筋の道はまさに沢の流れになっていて、そこを慎重に下降。滝のようになった登山道、沢の流れの登山道。ザアザアと音を立てて流れる水流の脇に足場を見つけて下っていく。どうせもうズブ濡れなのだが、夏靴で水に踏み込みたくはない。こんな雨の中を登るバカは俺だけだろうな、と思っていると、なんと!この大雨の中を登ってくる人がいた!「これから登るんですか、(水の流れが)ずっとこんな感じですよ」と聞くと、「おう」と力強い返事!この人に会ったおかげで私も一気に元気になれた。

階層別植生200m

旧道の尾根筋から新道に合流した先は今日初めての道だが、林道の奥から始まっているのだろうと思ったその道は、単に尾根の西側をトラバースしているだけで、最初の登山口のすぐ近くに出た。ちゃんと登山口標識もある。気づかなかった私が悪いのだ。いやはや。しかし、このトラバース路は古い道に見えたので、昔からあった道ではなかろうか。

ここにも大きな木(アカガシ?スジダイ?)

愛子岳には5時間で往復して10時に戻り、温泉と買物に行く計画だったが、車に戻ったのはもう12時。13時半のフェリーに12時半までに行かねばならない。温泉も買物も諦める。だが、受付を済ませてフェリー埠頭に入った時、ちょうどフェリーが入ってきた。悪天で遅れたらしい。入港すると、まず乗ってきた車が順に降りてくる。温泉と買物に行けたなあ、と思いながら待つ。だが、早く並んだおかげで、今回はフェリーの中の狭い斜路でなく、広いところに駐車できた。

林道に出てみると登山口だった

ひょっとしたらシャワー室があったなあと思ってバスタオルをもって客室に上がると、確かにシャワー室があり、使わせてもらう。暖かいシャワーをあびてさっぱり。風呂セットも持ってくればよかった。この日は天気が悪く、フェリーからは宮之浦岳は曇っていて見えなかったが、デッキから、港に張った綱を使って出航するフェリーを見て(綱取り放しというらしい)、屋久島に別れを告げる。次にくるときは永田岳だろうな。