雁ヶ腹摺山 富士山の見える尾根歩き

山梨県  雁ヶ腹摺山1,874m、牛奥ノ雁ヶ腹摺山1,990m、黒岳1,988m、小金沢山2,014m  2019年8月4日

(雁ヶ腹摺山、小金沢山)山梨百名山

440

大峠が近づくと、右手の谷向こうに重厚な山が見えてきた。あれが雁ヶ腹摺山に違いない。

大峠に着いてみると脚立カメラを構えた人たちが数人。なんと富士山が見えている。この二日間は曇っていて遠景はさっぱりだったのに、この日に富士山が見れるとは幸運だ。

大峠からまず西へ、黒岳方面に向かう。ダブルスティックでぐんぐん登る・・・・と言いたいが、最初はかなりの急坂で息が切れ、ペースを落とす。稜線の分岐標示を左に少し登って黒岳頂上に着く。林に囲まれて眺望はないが、黒岳には大きな一等三角点がある。

黒岳の先で黄色い花を見る。イヌナズナ、それともヤマガラシだろうか。川胡桃沢ノ頭(かわくるみ)と牛奥雁の間には草原があり、その手前の樹間から牛奥雁が見えた。緑に覆われた丸い山。

日向の草原で数種類の花を見た。まるで枯れているようなコウリンカ。白いウスユキソウ。咲きかけの黄色いのはキオンだろうか。そして日向に黄色のニガナ。大きな黄色はキオン(ハンゴンソウ?)かな。

林を抜けると、背後に黒岳と富士山のツー・ショット。黒岳には川胡桃ノ頭が重なっているようだ。

牛奥雁の頂上は南西方向が開けていて、その方角から頂上に登っていくと、背後に富士山。そしてたどり着いた牛奥雁の頂上から富士山を何度も写す。頂上標識の足元を小さな二つの狛犬が守っていた。

牛奥雁から北に向かうと、青空がまぶしいが、富士山はだいぶ薄くなった。この先で標高2,000mを越えているが、歩いているときは実感なし。小金沢山の頂上も南西方向が開けていて、ここでも富士山を眺め、本日最初の休憩をとる。

復路では日差が気になりだしたので、ここでサングラスをかける。目は楽になるが、道端の花を見逃してしまいそうでちょっと不安。だが、ピンクのフウロを見つけた。草むらの中にいくつも咲いていた。

復路でも黒岳によって一等三角点に再会。なぜここには登頂記念QRコードと狛犬がいないんだろう。

大峠に下り、すぐ雁ヶ腹摺山に向かう。ダイコンソウの道を行くと水場があり、「麗水・御硯水」とある。手ですくって少し飲んでいく。白いオダマキを見た先に足洗石という平たい岩。

林を抜けて広い草原に出る。草原の中央付近に白い花が咲く小さな繁みがあった。ノイバラだろうか。その少し先に分岐標示があり、分岐の先に林に覆われた丘があったが、その丘が雁ヶ腹摺山の頂上だった。

雁ヶ腹摺山頂上は広く、ここが旧五百円札の富士山を撮影した場所であることの案内や方位盤があった。「大月市秀麗富嶽十二景・1番」とある。もう雲で富士山は見えなくなっていたが、その手前の滝子山が見えていた。

 大峠が近づくと、右手の谷向こうに重厚な山が見えてきた。あれが雁ヶ腹摺山に違いない。
 草原の手前の樹間から牛奥雁が見えた。緑に覆われた丸い山。
 林を抜けると、背後に黒岳と富士山のツー・ショット。
 大峠に着いてみると富士山が見えている。
 標高2,000mを越えている小金沢山の頂上
 まるで枯れているようなコウリンカ
 ピンクのフウロ
 ヘビイチゴの黄色い花
 白いウスユキソウ
 白いオダマキ
 草原の中央付近に白い花が咲く小さな繁みがあった。ノイバラだろうか
 5:10 大峠発(標高1,560m)  6:35 黒岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大峠から黒岳まで1時間25分  7:09 川胡桃沢ノ頭  7:50 牛奥ノ雁ヶ腹摺山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・黒岳から牛奥雁まで1時間15分  8:31 小金沢山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大峠から小金沢山まで3時間21分  8:39 小金沢山発  9:21 牛奥ノ雁ヶ腹摺山10:06 川胡桃沢ノ頭10:45 黒岳11:46 大峠・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小金沢山から大峠まで3時間7分13:21 雁ヶ腹摺山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大峠から雁ヶ腹摺山まで1時間35分13:36 雁ヶ腹摺山発14:26 大峠・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・雁ヶ腹摺山から大峠まで50分     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大峠から小金沢山と雁ヶ腹摺山往復合計9時間16分
(大峠から小金沢山)往路6.1㎞、標高差685m、速度1.8㎞/h、204m/h(小金沢山から大峠)帰路5.6㎞、標高差127m、速度1.8㎞/h(大峠から巖ヶ腹摺山)往路2.0㎞、標高差294m、速度1.3㎞/h、186m/h(雁ヶ腹摺山から大峠)帰路1.8㎞、標高差12m)、速度2.2㎞/h

GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGG

最終日は牛奥雁と雁ヶ腹摺山。3時に起き、4時に道の駅を出て夜明け前の真木小金沢林道を車で登る。地図でみると、くねくねと曲がっているが、大峠までの16㎞は道幅も狭くなく、走りやすい舗装路だった。大峠が近づくと、右手の谷向こうに重厚な山が見えてきた。あれが雁ヶ腹摺山に違いない。大峠に着いてみると脚立カメラを構えた人たちが数人。なんと富士山が見えている。私も車の窓を開けて撮影。この二日間は曇っていて遠景はさっぱりだったのに、この日に富士山が見れるとは幸運だ。大峠の駐車場は林道沿いの縦一列。たくさん来ればすぐ満車だろうが、この日は多くはなかったようだ。駐車場の最奥の両側にそれぞれ、黒岳・牛奥雁と雁ヶ腹摺山の登山口があり、林道は大峠から先は閉鎖されていた。大峠の標高は既に1,560m、この日の最高点の小金沢山でも2,014mだから登りはたいしたことはない。小金沢山まで5.3㎞、標高差700mに2時間、雁ヶ腹摺山まで1.4㎞、標高差300mに1時間、それぞれ往復で6時間、5時に出て昼前には戻れるだろうと計画した。大峠からまず西へ、黒岳方面に向かう。スパッツを付けずに歩き始めるが、草が濡れているので車に戻り、スパッツを装着。最初は黄色いダイコンソウ。ダブルスティックでぐんぐん登る・・・・と言いたいが、最初はかなりの急坂で息が切れ、ペースを落とす。そうして最初に着いたのはP2・1,792m。そこからいったんコルに下るが、尾根沿いの道から北側をトラバースする道に移る箇所が分かりにくく(倒木で何度も道を付け替えているようだ)、往路では尾根をだいぶ先まで歩いてからトラバース路に移る。このあたりで見たのはカニコウモリだけ。黄色い小さいのはナメコかな。

黒岳に登り返してゆき、稜線の分岐標示を左に少し登って黒岳頂上に着く。林に囲まれて眺望はないが、黒岳には大きな一等三角点がある。それにタッチし、先に進む。ヘビイチゴの葉っぱらしきのがびっしり生えていて、花はなかったが赤い実がいくつかあった。黒岳の先で黄色い花を見る。滝子山でも見ていたが、イヌナズナ、それともヤマガラシだろうか。登り返した次のピーク(P4)には、最高点1,965mの少し先に川胡桃沢ノ頭(かわくるみ)の頂上標識1,940mがあった。山名が薄くてほとんど読めない。川胡桃沢ノ頭と牛奥雁の間には草原があり、その手前の樹間から牛奥雁が見えた。緑に覆われた丸い山。日向の草原で数種類の花を見た。まるで枯れているようなコウリンカにはチョウがとまっている。白いウスユキソウは東北のウスユキソウに比べるとちょっと地味かな。咲きかけの黄色いのはキオンだろうか。そして日向に黄色のニガナ。大きな黄色はキオン(ハンゴンソウ?)かな。西に見えている稜線は南アルプスか奥秩父だと思うが、霞んでいてほとんど見えない。背後には丸い緑の川胡桃ノ頭、行く手にも牛奥雁の緩やかな稜線が広がる。草はまだ朝露で湿っていて、靴とスパッツとズボンが水浸し(復路のときはもう乾いていた)。少し傾斜が緩んだ林の中にヌタ場のような水たまり。その林を抜けると、背後に黒岳と富士山のツー・ショット。黒岳には川胡桃ノ頭が重なっているようだ。

牛奥雁の頂上は南西方向が開けていて、その方角から頂上に登っていくと、背後に富士山。最初は黒岳を写そうとしていたのだが、視界が広がると富士山がメインターゲットになる。そしてたどり着いた牛奥雁の頂上には、意外にも誰もいなかった。三角点はないが立派な頂上標識があり、その背中から富士山を何度も写す。ここの頂上標識にも「登頂おめでとうございます」QRコードがついており、頂上標識の足元を小さな二つの狛犬が守っていた。牛奥雁から北に向かうと、初めて人に会う。だが、その先、小金沢山までは誰にも会わなかった。P6・1,985mは往路ではトラバース。その先のP7に登り返す道から背後に牛奥雁と富士山のツーショット。青空がまぶしいが、富士山はだいぶ薄くなった。この先で標高2,000mを越えているが、歩いているときは実感なし。小金沢山頂上の少し手前から南東方向に見えていたのは雁ヶ腹摺山だったようだ。小金沢山の頂上も南西方向が開けていて、ここでも富士山を眺め、本日最初の休憩をとる。ここには三等三角点があり、頂上標識には登頂記念QRコードと小さな狛犬。復路ではP6・1,985mまで登ってみる。笹に覆われた林の中の頂上だった。帰りの牛奥雁頂上にも誰もおらず、ひとしきり写真を撮って下りにかかり、花を撮っていると登ってくる夫婦連れに会う。だが、このころから雲が出始めて富士山が隠れてしまった。あの夫婦は富士山を見れただろうか。少なくとも大峠では見れただろう。日差が気になりだしたので、ここでサングラスをかける。目は楽になるが、道端の花を見逃してしまいそうでちょっと不安。だが、ピンクのフウロを見つけた。草むらの中にいくつも咲いていた。

復路でも黒岳によって一等三角点に再会。なぜここには登頂記念QRコードと狛犬がいないんだろう。P2には登らずにトラバース路を通る。トラバース路は明確な登山道だが、尾根道との分岐付近が貧弱で、分岐も分かりにくかった。白い小さな花はイチヤクソウ?往路では気づかなかった木片を二つぶら下げたのはクマ除けだろうか。鳴らしてみたが、あまり大きな音はしなかった。大峠に下り、すぐ雁ヶ腹摺山に向かう。このときはもう富士は見えておらず、カメラマンたちもいなかった。駐車中の車は数台。ダイコンソウの道を行くと水場があり、「麗水・御硯水」とある。手ですくって少し飲んでいく。雁ヶ腹摺山への道は最初、山の南側を西から東にトラバースしてゆき、その途中に沢を渡る木橋が二つと、岩場がある。最初の木橋は壊れていて、内側の道を歩き、二つ目の長い木橋は新しくて歩きやすかった。岩場の手前の黄色い花(イヌナズナorヤマガラシ?)が撮影しにくいので少し時間をかけ、岩場を乗り越えるあたりで下ってきた男性に会う。白い房のサラシナショウマ。白いオダマキを見た先に足洗石という平たい岩。その先で道は西に方角を変えてつづら折りに登っていくが、段差のところで2度目の休憩。小金沢山で食べるのを忘れていたパンを食べる。この先にイヌナズナ、ウスユキソウにヘビイチゴの黄色い花。つづら折りの途中で左に曲がらずに右の踏み跡に入ってしまう。少し先で踏み跡が消え、おかしいと思ったが面倒なので背の高い笹の中の微かな踏み跡を登る。獣道だったかもしれない。やがて笹原を抜け、砦のような小ピークの手前で左手に登山道を発見。砦まで行ってみると、登山道もそこを通っており、復帰する。間違えたと気づいた時点で引き返すべきだったが、面倒がって直進したのはだいぶ疲れがたまっていたことも原因だと思う。

林を抜けて広い草原に出る。アカツメクサにチョウがとまっていたが、望遠で写した写真はボケてしまった。その先に紫のカキツバタ一輪。草原の中央付近に白い花が咲く小さな繁みがあった。ノイバラだろうか。その少し先に分岐標示があり、分岐の先に林に覆われた丘があったが、その丘が雁ヶ腹摺山の頂上だった。丘の上に頂上標識が立っているのに気づく。雁ヶ腹摺山頂上は広く、ここが旧五百円札の富士山を撮影した場所であることの案内や方位盤があった。「大月市秀麗富嶽十二景・1番」とある(*)。もう雲で富士山は見えなくなっていたが、その手前の滝子山が見えていた。手強かったこの山は日差しに霞んでいたが、何度も何度もシャッターを切る。雁ヶ腹摺山には三角点はないが、登山記念QRコードと狛犬はいた。GPSの標高点がもっと奥を指しているので一応、奥まで歩いてみるが、何も発見できず。少し休んで帰路につく。下りは快調だったが、男性が一人、登ってくるのに出会う。大峠に戻ってきたのは14時過ぎ。小金沢山と雁ヶ腹摺山への往復に、当初6時間の計画に対し、9時間もかかってしまった。往復14kmを時速2㎞では無理ということか。ちょっと残念。大峠には大きな捕虫網をもった数人の人たちが何かを探していた。蝶々かな。峠にはノリウツギの花がたくさん咲いていた。

(*)大月市秀麗富嶽十二景の案内: 大月市域の十八の山頂から望む美しい富士山を市のシンボルとし、あわせてふるさとの自然をそのまま後世に伝えようと意図したものです。この十二景の山頂からは、前山を従え、十二単(じゅうにひとえ)を着たような富士山を眺められるのが特徴です。

1番 雁ヶ腹摺山、姥子山2番 牛奥ノ雁ヶ腹摺山、小金沢山3番 大蔵高丸、ハマイバ4番 滝子山、笹子雁ヶ腹摺山5番 奈良倉山6番 扇山7番 百蔵山8番 岩殿山9番 高畑山、倉岳山10番 九鬼山11番 高川山12番 本社ヶ丸、清八山

雁ヶ腹摺三山に登り、手ごわかった滝子山にも登れ、良いツアーだった。

雁ヶ腹摺山

最終日は牛奥雁と雁ヶ腹摺山。3時に起き、4時に道の駅を出て夜明け前の真木小金沢林道を車で登る。地図でみると、くねくねと曲がっているが、大峠までの16㎞は道幅も狭くなく、走りやすい舗装路だった。大峠が近づくと、右手の谷向こうに重厚な山が見えてきた。あれが雁ヶ腹摺山に違いない。大峠に着いてみると脚立カメラを構えた人たちが数人。なんと富士山が見えている。私も車の窓を開けて撮影。この二日間は曇っていて遠景はさっぱりだったのに、この日に富士山が見れるとは幸運だ。

富士山

富士山

小金沢シオジの森の案内

「小金沢シオジの森には・・・・・カラマツを主体とする人工林と、ツガ、モミ、サワグルミ、シオジ等を主とする天然林が広がっています。特に沢沿いに群生するシオジの大木は県内でも珍しく貴重なことから、学術参考林に指定されています。」

黒岳への登山口

大峠の駐車場は林道沿いの縦一列。たくさん来ればすぐ満車だろうが、この日は多くはなかったようだ。駐車場の最奥の両側にそれぞれ、黒岳・牛奥雁と雁ヶ腹摺山の登山口があり、林道は大峠から先は閉鎖されていた。大峠の標高は既に1,560m、この日の最高点の小金沢山でも2,014mだから登りはたいしたことはない。小金沢山まで5.3㎞、標高差700mに2時間、雁ヶ腹摺山まで1.4㎞、標高差300mに1時間、それぞれ往復で6時間、5時に出て昼前には戻れるだろうと計画した。

東屋と登山者カウンター

ダイコンソウ

大峠からまず西へ、黒岳方面に向かう。スパッツを付けずに歩き始めるが、草が濡れているので車に戻り、スパッツを装着。最初は黄色いダイコンソウ。ダブルスティックでぐんぐん登る・・・・と言いたいが、最初はかなりの急坂で息が切れ、ペースを落とす。そうして最初に着いたのはP2・1,792m。そこからいったんコルに下るが、尾根沿いの道から北側をトラバースする道に移る箇所が分かりにくく(倒木で何度も道を付け替えているようだ)、往路では尾根をだいぶ先まで歩いてからトラバース路に移る。このあたりで見たのはカニコウモリだけ。黄色い小さいのはナメコかな。

カニコウモリ

黒岳の頂上

黒岳の一等三角点とち頂上標識

黒岳に登り返してゆき、稜線の分岐標示を左に少し登って黒岳頂上に着く。林に囲まれて眺望はないが、黒岳には大きな一等三角点がある。それにタッチし、先に進む。ヘビイチゴの葉っぱらしきのがびっしり生えていて、花はなかったが赤い実がいくつかあった。黒岳の先で黄色い花を見る。滝子山でも見ていたが、イヌナズナ、それともヤマガラシだろうか。

ヘビイチゴの実

イヌナズナ(ヤマガラシ?)

川胡桃沢ノ頭の頂上

登り返した次のピーク(P4)には、最高点1,965mの少し先に川胡桃沢ノ頭(かわくるみ)の頂上標識1,940mがあった。山名が薄くてほとんど読めない。川胡桃沢ノ頭と牛奥雁の間には草原があり、その手前の樹間から牛奥雁が見えた。緑に覆われた丸い山。日向の草原で数種類の花を見た。

ミヤマシオガマ

コウリンカ

チョウとコウリンカ

まるで枯れているようなコウリンカにはチョウがとまっている。白いウスユキソウは東北のウスユキソウに比べるとちょっと地味かな。咲きかけの黄色いのはキオンだろうか。そして日向に黄色のニガナ。大きな黄色はキオン(ハンゴンソウ?)かな。西に見えている稜線は南アルプスか奥秩父だと思うが、霞んでいてほとんど見えない。背後には丸い緑の川胡桃ノ頭、行く手にも牛奥雁の緩やかな稜線が広がる。

牛奥ノ雁ヶ腹摺山


牛奥ノ雁ヶ腹摺山

ウスユキソウ

ウスユキソウ

ニガナ

キオン(ハンゴンソウ?)

ヌタ場

黒岳と富士山のツー・ショット

草はまだ朝露で湿っていて、靴とスパッツとズボンが水浸し(復路のときはもう乾いていた)。少し傾斜が緩んだ林の中にヌタ場のような水たまり。その林を抜けると、背後に黒岳と富士山のツー・ショット。黒岳には川胡桃ノ頭が重なっているようだ。


黒岳(手前に川胡桃沢ノ頭)

牛奥ノ雁ヶ腹摺山の頂上

牛奥雁の頂上は南西方向が開けていて、その方角から頂上に登っていくと、背後に富士山。最初は黒岳を写そうとしていたのだが、視界が広がると富士山がメインターゲットになる。そしてたどり着いた牛奥雁の頂上には、意外にも誰もいなかった。三角点はないが立派な頂上標識があり、その背中から富士山を何度も写す。ここの頂上標識にも「登頂おめでとうございます」QRコードがついており、頂上標識の足元を小さな二つの狛犬が守っていた。

秀麗富嶽十二景の頂上標識

二匹の小さな狛犬

富士山

牛奥雁から北に向かうと、初めて人に会う。だが、その先、小金沢山までは誰にも会わなかった。P6・1,985mは往路ではトラバース。その先のP7に登り返す道から背後に牛奥雁と富士山のツーショット。青空がまぶしいが、富士山はだいぶ薄くなった。この先で標高2,000mを越えているが、歩いているときは実感なし。小金沢山頂上の少し手前から南東方向に見えていたのは雁ヶ腹摺山だったようだ。

牛奥ノ雁ヶ腹摺山と富士山のツー・ショット

雁ヶ腹摺山

小金沢山の頂上

小金沢山の頂上も南西方向が開けていて、ここでも富士山を眺め、本日最初の休憩をとる。ここには三等三角点があり、頂上標識には登頂記念QRコードと小さな狛犬。

小金沢山の白い小さな狛犬

小金沢山の三角点

富士山

草に覆われた尾根道

復路ではP6・1,985mまで登ってみる。笹に覆われた林の中の頂上だった。帰りの牛奥雁頂上にも誰もおらず、ひとしきり写真を撮って下りにかかり、花を撮っていると登ってくる夫婦連れに会う。だが、このころから雲が出始めて富士山が隠れてしまった。あの夫婦は富士山を見れただろうか。少なくとも大峠では見れただろう。日差が気になりだしたので、ここでサングラスをかける。目は楽になるが、道端の花を見逃してしまいそうでちょっと不安。だが、ピンクのフウロを見つけた。草むらの中にいくつも咲いていた。

フウロ

フウロ

キオン(ハンゴンソウ?)(葉が丸くない)

イチヤクソウ?

クマ除けの木鎚

大峠

復路でも黒岳によって一等三角点に再会。なぜここには登頂記念QRコードと狛犬がいないんだろう。P2には登らずにトラバース路を通る。トラバース路は明確な登山道だが、尾根道との分岐付近が貧弱で、分岐も分かりにくかった。白い小さな花はイチヤクソウ?往路では気づかなかった木片を二つぶら下げたのはクマ除けだろうか。鳴らしてみたが、あまり大きな音はしなかった。

雁ヶ腹摺山の登山口

大峠に下り、すぐ雁ヶ腹摺山に向かう。このときはもう富士は見えておらず、カメラマンたちもいなかった。駐車中の車は数台。ダイコンソウの道を行くと水場があり、「麗水・御硯水」とある。手ですくって少し飲んでいく。雁ヶ腹摺山への道は最初、山の南側を西から東にトラバースしてゆき、その途中に沢を渡る木橋が二つと、岩場がある。最初の木橋は壊れていて、内側の道を歩き、二つ目の長い木橋は新しくて歩きやすかった。

登山者カウンター

ダイコンソウ

麗水・御硯水の水場

イヌナズナ(ヤマガラシ?)

岩場の手前の黄色い花(イヌナズナ? ヤマガラシ?)が撮影しにくいので少し時間をかけ、岩場を乗り越えるあたりで下ってきた男性に会う。白い房のサラシナショウマ。白いオダマキを見た先に足洗石という平たい岩。その先で道は西に方角を変えてつづら折りに登っていくが、段差のところで2度目の休憩。小金沢山で食べるのを忘れていたパンを食べる。この先にイヌナズナ、ウスユキソウにヘビイチゴの黄色い花。

オダマキ

オダマキ

足洗石

ウスユキソウ

ヘビイチゴ(ミツバツチグリ?)

頂上手前の大きな岩

つづら折りの途中で左に曲がらずに右の踏み跡に入ってしまう。少し先で踏み跡が消え、おかしいと思ったが面倒なので背の高い笹の中の微かな踏み跡を登る。獣道だったかもしれない。やがて笹原を抜け、砦のような小ピークの手前で左手に登山道を発見。砦まで行ってみると、登山道もそこを通っており、復帰する。間違えたと気づいた時点で引き返すべきだったが、面倒がって直進したのはだいぶ疲れがたまっていたことも原因だと思う。

頂上手前の草原

林を抜けて広い草原に出る。アカツメクサにチョウがとまっていたが、望遠で写した写真はボケてしまった。その先に紫のカキツバタが一輪。草原の中央付近に白い花が咲く小さな繁みがあった。ノイバラだろうか。その少し先に分岐標示があり、分岐の先に林に覆われた丘があったが、その丘が雁ヶ腹摺山の頂上だった。丘の上に頂上標識が立っているのに気づく。

カキツバタ

ノイバラ

ノイバラ

頂上直下の道標

雁ヶ腹摺山の頂上

雁ヶ腹摺山頂上は広く、ここが旧五百円札の富士山を撮影した場所であることの案内や方位盤があった。「大月市秀麗富嶽十二景・1番」とある。もう雲で富士山は見えなくなっていたが、その手前の滝子山が見えていた。手強かったこの山は日差しに霞んでいたが、何度も何度もシャッターを切る。雁ヶ腹摺山には三角点はないが、登山記念QRコードと狛犬はいた。GPSの標高点がもっと奥を指しているので一応、奥まで歩いてみるが、何も発見できず。少し休んで帰路につく。

大月市秀麗富嶽十二景の案内

大月市域の十八の山頂から望む美しい富士山を市のシンボルとし、あわせてふるさとの自然をそのまま後世に伝えようと意図したものです。この十二景の山頂からは、前山を従え、十二単(じゅうにひとえ)を着たような富士山を眺められるのが特徴です。

1番 雁ヶ腹摺山、姥子山2番 牛奥ノ雁ヶ腹摺山、小金沢山3番 大蔵高丸、ハマイバ4番 滝子山、笹子雁ヶ腹摺山5番 奈良倉山6番 扇山7番 百蔵山8番 岩殿山9番 高畑山、倉岳山10番 九鬼山11番 高川山12番 本社ヶ丸、清八山

秀麗富嶽十二景・一番山頂の頂上標識

五百円札に描かれた富士山の撮影地

方位図

三ツ峠山と滝子山(富士山は雲の中)

木柱の頂上標識

小さな狛犬

下りは快調だったが、男性が一人、登ってくるのに出会う。大峠に戻ってきたのは14時過ぎ。小金沢山と雁ヶ腹摺山への往復に、当初6時間の計画に対し、9時間もかかってしまった。往復14kmを時速2㎞では無理ということか。ちょっと残念。大峠には大きな捕虫網をもった数人の人たちが何かを探していた。蝶々かな。峠にはノリウツギの花がたくさん咲いていた。

ノリウツギ

高川山

雁ヶ腹摺三山に登り、手ごわかった滝子山にも登れ、良いツアーだった。