大杉岳 桧枝岐の展望尾根

福島県  1,921m  2019年5月5日

会津百名山

415

 雨の日の風は灰色

 晴れた日の風は空色

 真っ白な風が吹くのは

 まぶしい日差しの暑い日

☼☼☼☼☼

斜面の途中(1,860m付近)でぽっかり林が切れたところに出て、再び背後に見た燧岳は全く印象が違っていた。今度は俎嵓と柴安嵓の双耳が大きな姿で力強く対峙している。青空に向かって巨大な口を開いているようにも見える。この景色だけでも、今日ここに登ってきた価値はある。

林の中の展望のないところが大杉岳の頂上だった。誰もおらず、静かな頂上。北にぽっかりあいた空間に北に続く縦走尾根が見えており、その先に会津駒があるはず。少し尾根を下れば視界は広がるだろう。そこで尾根を下ってみる。

尾根の緩いアップダウンの上を登り降りして行き、左の立木が切れて会津駒が良く見える地点でザックを下ろす。そこからは、北に中門岳から会津駒、大津岐峠の稜線、南に幅広の黒岩山、頭一つ高い奥白根山、そして双耳の燧岳が並ぶ。今日、ここに来て本当に良かった。青空の景観をいつまでも眺める。

シールで大杉岳頂上まで登り返し、シールを外して滑走開始。展望斜面のところは往路よりもやや西側に出て、そこから南西方向に至仏山と尖がった景鶴山が見えた。南には燧岳と至仏山のツー・ショット。

でこぼこの尾根筋から何度か尾根東斜面に出てトラバース滑走。尾根が東に緩くカーブしているところでは連続ショートターン。短かったが、この日のハイライト。

******

過去、燧岳に登る途中で、背後に何度も大杉岳を見て、撮影していた。改めてその姿を見ると、左右均整のとれたやや黒い姿は、会津駒の白と対照的で、平ヶ岳や至仏山からでも容易に同定できる。

 燧岳から見る大杉岳(背後右は会津駒ヶ岳)2011年5月20日: 左右均整のとれたやや黒い姿は、会津駒の白と対照的で、平ヶ岳や至仏山からでも容易に同定できる。
 再び背後に見た燧岳。今度は俎嵓と柴安嵓の双耳が大きな姿で力強く対峙している
 大杉岳の頂上の北にぽっかりあいた空間に、北に続く縦走尾根が見えており、その先に会津駒
 尾根が東に緩くカーブしているところでは連続ショートターン。短かったが、この日のハイライト。
  7:35 御池駐車場発(R401まで歩く)  7:41 南尾根取付き、シール  9:05 展望斜面  9:34 大杉岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り1時間59分  9:44 北尾根展望地10:25 大杉岳、滑走10:30 展望斜面10:57 R401横断11:02 御池駐車場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復3時間27分

OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO

足は腫れ、足の指と腰は痛み、満身創痍の状態だったが、快晴の御池から大杉岳に登る。思ったよりも登りやすい尾根で、踏み跡もあり、頂上直下には雄大な燧が見える展望斜面があった。頂上は杉に囲まれていたが、北には縦走路が続いており、少し下ったところからは会津駒がすぐ近くに見えていた。そこに向かって歩いてゆくスキーの二人。御池にMTBを置いておき、会津駒の登山口から登って縦走するというプランが閃く。4年後かな。

身体じゅうが痛い朝。大杉岳だから登るが、燧岳だったらとても登れないだろう。カーナビのナビゲーションがおかしく、R352を左折する地点をいったん右折し、だいぶ先でUターンするルートを示している。もちろんカーナビを無視して左折。しばらくすると正しい表示になった。行く手に最初に見えた白い山は大戸沢岳、次に見えたトゲ二つは三岩岳かな。桧枝岐が近づき、丸山岳に登るときに使おうと思っていた窓明山登山口を通過すると、思いがけず立派な登山口標識が立っていた。よし、来年こそはここを登ろう。桧枝岐村に新しくできた「道の駅桧枝岐」というのは、以前からあった大きなビジターセンターで、さすがに満車にはなってない。ここに泊まるのもいいだろう。桧枝岐の外れのいつもの地点で、傾いた頂上の燧岳を見る。燧の縦筋が薄いのは、雪が多いためか。

いつもの御池駐車場に近づくと、駐車場前のスペースから大杉岳方面に登ろうとしている人がいた。なるほど、駐車場の壁は高くて登れないから、ここから登ればいいのか。トイレに寄ってから駐車場に入り、手前に停めてスキーを担ぎ、ゲートから出る。すると、車に乗った管理人らしき人がどこに行くのか尋ねるので、燧岳ではなく、あっち(大杉岳)に行くと答える。スペースにスキーを下ろして登り始めようとしていると、今度は車でやってきた男性が、こっちが燧岳ですか、と聞くので、燧岳はあっち、駐車場の一番奥に登山口がある、と答える。私が間違ってると思って親切心で声をかけてくれたのかな。私は間違えてない、今日はこっちに登るんだ。南尾根の最初の部分は硬い急斜面で、痛い足で慎重に登っていく。傾斜が緩み、林の中に入ってからはだいぶ楽になる。尾根には確かな踏み跡が複数あり、大杉岳に登っている人は少なくないようだ。今日、徒歩で登っている人が少なくとも二人、スキー・トレースも今朝のものが一つ。

尾根の緩いピーク(P1・1,690m)の手前で背後の樹間に燧岳の双耳を見る。前日、アヤメ平から見ていたのとは正反対の方角。そしてその先を登り続け、斜面の途中(1,860m付近)でぽっかり林が切れたところに出て、再び背後に見た燧岳は全く印象が違っていた。さっきの双耳は見えていた程度だが、今度は俎嵓と柴安嵓の双耳が大きな姿で力強く対峙している。青空に向かって巨大な口を開いているようにも見える。しばらく見つめていると、上からもう降りてきた人に会う。その人も燧をカメラで撮っていた。この景色だけでも、今日ここに登ってきた価値はある。その先で、樹間の西に見えていた大きな白い山は中ノ岳だったかもしれない。尾根の途中のくぼんだ地形を過ぎ、林の中の展望のないところが大杉岳の頂上だった。誰かがいるだろうと思って鳴らしていたウォークマンを停止したが、誰もおらず、静かな頂上。頂上標識は見当たらなかったが、北にぽっかりあいた空間に北に続く縦走尾根が見えており、その先に会津駒があるはず。尾根を少し下ったところで休んでいたスキーヤー二人が縦走尾根に向かって滑り降りていく。大杉岳頂上からでは、縦走尾根の両側に高い木々が並んでいて展望は限定されているが、少し尾根を下れば視界は広がるだろう。そこで尾根を下ってみる。

尾根の緩いアップダウンには踏み跡があり、スキートレースはアップダウンを避けてトラバースしていた。私は景観が目的なので、トラバースしないでアップダウンの上を登り降りして行き、左の立木が切れて会津駒が良く見える地点でザックを下ろす。そこからは、北に中門岳から会津駒、大津岐峠の稜線、南に幅広の黒岩山、頭一つ高い奥白根山、そして双耳の燧岳が並ぶ。今日、ここに来て本当に良かった。ペットコーヒーを飲み、ナッツを食べながら青空の景観をいつまでも眺める。奥白根の右に並ぶのは燕巣山、錫ヶ岳、四郎岳。東のすぐ近くに黒々として並んでいるのは、帝釈山、台高倉山、長須ヶ玉山。

シールで大杉岳頂上まで登り返し、シールを外して滑走開始。この日は左足はすね当てを外して後のセレクターをスキーモードに設定したと思う。展望斜面のところは往路よりもやや西側に出て、そこから南西方向に至仏山と尖がった景鶴山が見えた。これは燧岳から見たのとほぼ同じだと思う。南には燧岳と至仏山のツー・ショット。尾根の東側に雪原斜面が広がっていたので、でこぼこの尾根筋から何度か尾根東斜面に出てトラバース滑走。尾根が東に緩くカーブしているところでは連続ショートターン。短かったが、この日のハイライト。大杉岳の登山口は駐車場の奥なので、復路では往路の登り口ではなく、駐車場の奥を目指す。だが、そのルートは途中で閉鎖中のR401に遭遇。閉鎖されてはいるが車道は除雪されていて雪がなく、壁のひくいところで車道に下り、車道を横断して滑走再開。駐車場はもうすぐ下に見えていて、最奥に設けられた出入り口に階段を切ってあるところを下る。階段の段差は大きかったが、飛び降りた。

駐車料金は1,000円(1時間以内は無料とあった)。R401のつづら折りの下りの途中で、西に大杉岳の稜線を見上げる。谷の奥のあの一番高いピークが大杉岳だろうか。燧の湯に寄っていく。入っている人は多かった。

******

過去、燧岳に登る途中で、背後に何度も大杉岳を見て、撮影していた。その頃は大杉岳は全く意識しておらず、会津駒ヶ岳を撮影していたのだが、改めてその姿を見ると、左右均整のとれたやや黒い姿は、会津駒の白と対照的で、平ヶ岳や至仏山からでも容易に同定できる。

大戸沢岳

身体じゅうが痛い朝。大杉岳だから登るが、燧岳だったらとても登れないだろう。カーナビのナビゲーションがおかしく、R352を左折する地点をいったん右折し、だいぶ先でUターンするルートを示している。もちろんカーナビを無視して左折。しばらくすると正しい表示になった。

三岩岳

行く手に最初に見えた白い山は大戸沢岳、次に見えたトゲ二つは三岩岳かな。桧枝岐が近づき、丸山岳に登るときに使おうと思っていた窓明山登山口を通過すると、思いがけず立派な登山口標識が立っていた。よし、来年こそはここを登ろう。桧枝岐村に新しくできた「道の駅桧枝岐」というのは、以前からあった大きなビジターセンターで、さすがに満車にはなってない。ここに泊まるのもいいだろう。

燧岳

桧枝岐の外れのいつもの地点で、傾いた頂上の燧岳を見る。燧の縦筋が薄いのは、雪が多いためか。

御池駐車場

いつもの御池駐車場に近づくと、駐車場前のスペースから大杉岳方面に登ろうとしている人がいた。なるほど、駐車場の壁は高くて登れないから、ここから登ればいいのか。トイレに寄ってから駐車場に入り、手前に停めてスキーを担ぎ、ゲートから出る。すると、車に乗った管理人らしき人がどこに行くのか尋ねるので、燧岳ではなく、あっち(大杉岳)に行くと答える。

往路の尾根取付き点

スペースにスキーを下ろして登り始めようとしていると、今度は車でやってきた男性が、こっちが燧岳ですか、と聞くので、燧岳はあっち、駐車場の一番奥に登山口がある、と答える。私が間違ってると思って親切心で声をかけてくれたのかな。私は間違えてない、今日はこっちに登るんだ。

急な尾根登り

南尾根の最初の部分は硬い急斜面で、痛い足で慎重に登っていく。傾斜が緩み、林の中に入ってからはだいぶ楽になる。尾根には確かな踏み跡が複数あり、大杉岳に登っている人は少なくないようだ。今日、徒歩で登っている人が少なくとも二人、スキー・トレースも今朝のものが一つ。

背後の樹間の燧岳

尾根の緩いピーク(P1・1,690m)の手前で背後の樹間に燧岳の双耳を見る。前日、アヤメ平から見ていたのとは正反対の方角。

再び見えた燧岳の双耳、俎嵓と柴安嵓

そしてその先を登り続け、斜面の途中(1,860m付近)でぽっかり林が切れたところに出て、再び背後に見た燧岳は全く印象が違っていた。さっきの双耳は見えていた程度だが、今度は俎嵓と柴安嵓の双耳が大きな姿で力強く対峙している。青空に向かって巨大な口を開いているようにも見える。しばらく見つめていると、上からもう降りてきた人に会う。その人も燧をカメラで撮っていた。この景色だけでも、今日ここに登ってきた価値はある。

中ノ岳?

その先で、樹間の西に見えていた大きな白い山は中ノ岳だったかもしれない。

大杉岳頂上

尾根の途中のくぼんだ地形を過ぎ、林の中の展望のないところが大杉岳の頂上だった。誰かがいるだろうと思って鳴らしていたウォークマンを停止したが、誰もおらず、静かな頂上。頂上標識は見当たらなかったが、北にぽっかりあいた空間に北に続く縦走尾根が見えており、その先に会津駒があるはず。尾根を少し下ったところで休んでいたスキーヤー二人が縦走尾根に向かって滑り降りていく。大杉岳頂上からでは、縦走尾根の両側に高い木々が並んでいて展望は限定されているが、少し尾根を下れば視界は広がるだろう。そこで尾根を下ってみる。

大杉岳の北斜面

尾根の緩いアップダウンには踏み跡があり、スキートレースはアップダウンを避けてトラバースしていた。私は景観が目的なので、トラバースしないでアップダウンの上を登り降りして行き、左の立木が切れて会津駒が良く見える地点でザックを下ろす。そこからは、北に中門岳から会津駒、大津岐峠の稜線、南に幅広の黒岩山、頭一つ高い奥白根山、そして双耳の燧岳が並ぶ。今日、ここに来て本当に良かった。ペットコーヒーを飲み、ナッツを食べながら青空の景観をいつまでも眺める。奥白根の右に並ぶのは燕巣山、錫ヶ岳、四郎岳。東のすぐ近くに黒々として並んでいるのは、帝釈山、台高倉山、長須ヶ玉山。

大杉岳から北の景観: 中門岳、会津駒ヶ岳、大津岐峠、帝釈山、台倉高山、長須ヶ玉山、

大杉岳から南の景観: 黒岩山、奥白根山、錫ヶ岳、燧岳(俎嵓、柴安嵓)、大杉岳・頂上

奥白根山周辺: 奥白根山、燕巣山、錫ヶ岳、四郎岳

会津駒ヶ岳

会津駒ヶ岳(上の拡大)

燧岳

 展望斜面から南西の景観: 至仏山、尖がり景鶴山

至仏山

シールで大杉岳頂上まで登り返し、シールを外して滑走開始。この日は左足はすね当てを外して後のセレクターをスキーモードに設定したと思う。展望斜面のところは往路よりもやや西側に出て、そこから南西方向に至仏山と尖がった景鶴山が見えた。これは燧岳から見たのとほぼ同じだと思う。南には燧岳と至仏山のツー・ショット。

尖がり景鶴山

燧岳

 展望斜面から南の景観: 燧岳と至仏山のツー・ショット

尾根東斜面の滑走

尾根の東側に雪原斜面が広がっていたので、でこぼこの尾根筋から何度か尾根東斜面に出てトラバース滑走。尾根が東に緩くカーブしているところでは連続ショートターン。短かったが、この日のハイライト。

尾根東斜面の滑走

R401の横断

大杉岳の登山口は駐車場の奥なので、復路では往路の登り口ではなく、駐車場の奥を目指す。だが、そのルートは途中で閉鎖中のR401に遭遇。閉鎖されてはいるが車道は除雪されていて雪がなく、壁のひくいところで車道に下り、車道を横断して滑走再開。

戻ってきた御池駐車場

駐車場はもうすぐ下に見えていて、最奥に設けられた出入り口に階段を切ってあるところを下る。階段の段差は大きかったが、飛び降りた。

駐車料金は1,000円(1時間以内は無料とあった)。

大杉岳(R401の九十九折から)

R401のつづら折りの下りの途中で、西に大杉岳の稜線を見上げる。谷の奥のあの一番高いピークが大杉岳だろうか。

燧の湯

燧の湯に寄っていく。入っている人は多かった。

燧岳から見る大杉岳030427

過去、燧岳に登る途中で、背後に何度も大杉岳を見て、撮影していた。その頃は大杉岳は全く意識しておらず、会津駒ヶ岳を撮影していたのだが、改めてその姿を見ると、左右均整のとれたやや黒い姿は、会津駒の白と対照的で、平ヶ岳や至仏山からでも容易に同定できる。

燧岳から見る大杉岳110520

左右均整のとれたやや黒い姿は、会津駒の白と対照的で、平ヶ岳や至仏山からでも容易に同定できる。

燧岳から見る大杉岳160502