笹子雁ヶ腹摺山 古き道の静かな山旅
山梨県 1,358m 2019年8月2日
山梨百名山
441
「笹子峠」の案内表示を左折。今は新笹子トンネルという大きなトンネルができているので、この峠道はまったく閑散としていた。静かな峠道を車でゆっくり登り、峠の旧笹子トンネルまで誰にも会わず。
矢立の杉という老木の案内があり(*1)、車を降りて歩いてみる。矢立の杉はもう幹もだいぶ痛み、上半分はなくなっているらしいが、緑の葉をつけた枝を広げていて、パワーを発散していた。
旧笹子トンネルは狭い隧道で、乗用車一台が通れる広さ(*2)。西口にも駐車スペースがあり、準備して歩き始める。緩い坂を登ってトンネルの上に上がると鳥居が見えた。行ってみると天神宮とあり、祠にお参り(*3)。
トンネルの真上が笹子峠で、四つ角になっていて、正面が東口からの道、南がカヤノキビラの頭1,411m、北が笹子雁。ずっと林の中で心地よい風も吹いていて、サングラスはかけず。
思ったよりも急な尾根道を登っていくと、樹間の送電線の向こうに緑のゆったりした山が見えた。どうやらあれが笹子雁のようだ。
黄色いニガナが風に揺れていて、なかなかうまく写真が撮れない。鉄塔の下以外はずっと林の木陰で、風も吹いていたので暑さはしのげた。ピンク色はシモツケソウかな。
最後の急な坂道を登っていくと小さなヤマハハコが咲いていたので、立ち止まって撮影。小さい花は焦点がボケて写しにくい。
そして、立派な三角点のある笹子雁ヶ腹摺山の頂上に到達。「秀麗富嶽十二景、四番山頂」とあり、「登頂おめでとうございます」のQRコードが記してある。頂上標識も富嶽十二景、山梨百名山のものを含めて三つ。頂上標識の下には小さな狛犬が二匹いて、頂上を護っていた。
頂上は東西に長細く、東側に日陰になったベンチがあるのでそこにザックを下ろすと、ママコナの赤い小さな花が咲いていた。これまた写しにくい花なので、そばに座り込んでなんとか焦点を合わせようと奮闘。だが、うまく取れたのはあまりない。おもしろい形をした花。ちょっぴり怖そうな形にも見える。
帰路は巻道(新道)を歩く。尾根道に比べると格段に楽であった。
12:45 旧笹子トンネル西登山口発(標高1,040m)12:56 笹子峠1,090m、ロープ場の道を登る13:13 尾根道・巻道西分岐、尾根道を登る13:43 1,290m峰13:50 尾根道・巻道東分岐、合流14:12 笹子雁ヶ腹摺山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り1時間27分14:47 笹子雁ヶ腹摺山発15:15 尾根道・巻道東分岐、巻道を下る15:41 尾根道・巻道西分岐、合流15:53 笹子峠(←九十九折を下る)15:58 旧笹子トンネル西登山口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復3時間13分
往復4.7㎞、標高差409m
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今回は岩舟JCで北関東道に入らず、東北道を久喜まで下り、茅ケ崎から成田までつながった圏央道に入ってみる。距離的には関越回りよりもだいぶ短いが、混み具合はどうだろう。今回は久喜から鶴ヶ島手前までは順調だったが、鶴ヶ島JC手前から渋滞し、八王子JC手前まで渋滞は続いた。これだと関越から圏央道に入ってもあまり変わるまい。それより反対車線が停滞していたのが目につく。もはや圏央道も昼は避けるべきなのだろう。
中央道の下りは流れていて、小仏トンネルを過ぎ、藤野PAのトイレに寄るが狭く、その先の談合坂SAにすべきだった。大月付近で中央線下りは2本に分かれ、大月JCと大月インターへは左の路線に入る。大月インターを降りてR20に入り、正面に見えたのは滝子山だろう。笹子峠には昔、寄ってみようとして行けなかった記憶があるが、その封鎖されている入口の少し先に「笹子峠」の案内表示があり、そこを左折。今は新笹子トンネルという大きなトンネルができているので、この峠道はまったく閑散としていた。静かな峠道を車でゆっくり登り、峠の旧笹子トンネルまで誰にも会わず。車道の途中に矢立の杉という老木の案内があり(*1)、100mほどとあるので、車を降りて歩いてみる。ハンドルを20回廻すとガイドの声が出るゼンマイ式音声ガイドというのがあり、鳴らしてみる。歌も流れ、なぜが杉良太郎の歌。矢立の杉という歌なのか?その矢立の杉はもう幹もだいぶ痛み、上半分はなくなっているらしいが、緑の葉をつけた枝を広げていて、パワーを発散していた。
(*1)矢立の杉: 「その昔、武士が戦陣に出かけるとき、この杉に一番矢を射たてて戦勝を祈願したとも言われている。中は空洞で、幹は地上約22mのところで折損しているが、今のなお勇壮に生きている姿は、この場所を訪れた人を元気づけ、魅了しつづけている。」
旧笹子トンネルのどちら側に登山口があるのかを事前に確かめたとき、ネット情報では西側になっていた。だが、トンネル東口につくと広い駐車スペースがあり、そこに笹子雁の登山口表示があった。いったん車を降りてみたが、登山道はやや怪しそうだ。やはり西口に行こう。旧笹子トンネルは狭い隧道で、乗用車一台が通れる広さ(*2)。ところが、トンネルに入ろうとすると、向こう側からやってくる車のヘッドライトが見えた。バックして道を譲り、その後にトンネルに入る。西口にも駐車スペースがあったが、登山口が分からない。やっぱり東口にすべきだったかと悔やんだが、すこし西に離れたところまで歩いてみると、そこに笹子雁への登山口表示があった。やはりここで正しかったようだ。準備して歩き始める。今回はコネロ・シューズ。緩い坂を登ってトンネルの上に上がると分岐があり、鳥居が見えた。行ってみると天神宮とあり、祠にお参り(*3)。トンネルの真上が笹子峠で、四つ角になっていて、正面が東口からの道、南がカヤノキビラの頭1,411m、北が笹子雁。笹子雁への道は少し東に下ったところからつづら折りの歩きやすい道が新設されていたが、往路のときは分からず、えらく急な坂を登る。ずっと林の中で心地よい風も吹いていて、サングラスはかけず。
(*2)笹子隧道(旧笹子トンネル): 「・・・・・甲州街道で一番の難所と言われたのが笹子峠である・・・・・この難所に開設された笹子隧道は昭和13年に開通し・・・・・昭和33年に新笹子トンネルが開通するまで・・・・・・甲州街道の交通を支えていました・・・・・」
(*3)笹子峠天神社: 「当天神は・・・・・江戸時代から笹子峠を往還する旅人の無事を願い、時に雷除けとして祀られた天神様である」
思ったよりも急な尾根道を登っていくと、樹間の送電線の向こうに緑のゆったりした山が見えた。どうやらあれが笹子雁のようだ。送電鉄塔のある小ピークを越え、笹子峠から100mほど登ると分岐があり、左が尾根道、右が新道(巻道)とある。新道は途中にある1,290m峰をトラバースしていてだいぶ楽そうだったが、往路では尾根道を登る。黄色いニガナが風に揺れていて、なかなかうまく写真が撮れない。鉄塔の下以外はずっと林の木陰で、風も吹いていたので暑さはしのげた。ピンク色はシモツケソウかな。たどりついた1,290m峰頂上もミズナラの木陰になっていた。下ると新道との合流点があり、送電鉄塔の立つもう一つの小ピークを越え、コルまで下って登り返す。最後の急な坂道を登っていくと小さなヤマハハコが咲いていたので、立ち止まって撮影。小さい花は焦点がボケて写しにくい。そして、立派な三角点のある笹子雁ヶ腹摺山の頂上に到達。「秀麗富嶽十二景、四番山頂」とあり、「登頂おめでとうございます」のQRコードが記してある。頂上標識も富嶽十二景、山梨百名山のものを含めて三つ。頂上標識の下には小さな狛犬が二匹いて頂上を護っていた(この小さな狛犬は牛奥雁や雁ヶ腹摺山の頂上でも見た)。頂上は東西に長細く、東側に日陰になったベンチがあるのでそこにザックを下ろすと、ママコナの赤い小さな花が咲いていた。これまた写しにくい花なので、そばに座り込んでなんとか焦点を合わせようと奮闘。だが、うまく取れたのはあまりない。おもしろい形をした花。ちょっぴり怖そうな形にも見える。大きなカメラだったらうまく写せるのだろうか。帰路は巻道(新道)を歩く。尾根道に比べると格段に楽であった。笹子峠へは、往路の急坂でなく、つづら折りの道を下ってみる。えらく長くて緩いつづら折りで、笹子峠よりもやや東側に出る。
トンネル西口に下り、着替えてから車道を下り、R20までにすれ違ったのはオートバイと軽トラそれぞれ1台づつのみ。天空の湯というのは勝沼のぶどうの丘にある温泉で、ブドウ園の中を登って行った先にある。下から丸見えに違いない露天からは奥秩父や南アルプスが見えるはずだが、この日は遠景は霞んで見えていなかった。
滝子山
今回は岩舟JCで北関東道に入らず、東北道を久喜まで下り、茅ケ崎から成田までつながった圏央道に入ってみる。距離的には関越回りよりもだいぶ短いが、混み具合はどうだろう。今回は久喜から鶴ヶ島手前までは順調だったが、鶴ヶ島JC手前から渋滞し、八王子JC手前まで渋滞は続いた。これだと関越から圏央道に入ってもあまり変わるまい。それより反対車線が停滞していたのが目につく。もはや圏央道も昼は避けるべきなのだろう。
笹子峠への左折地点
中央道の下りは流れていて、小仏トンネルを過ぎ、藤野PAのトイレに寄るが狭く、その先の談合坂SAにすべきだった。大月付近で中央線下りは2本に分かれ、大月JCと大月インターへは左の路線に入る。大月インターを降りてR20に入り、正面に見えたのは滝子山だろう。笹子峠には昔、寄ってみようとして行けなかった記憶があるが、その封鎖されている入口の少し先に「笹子峠」の案内表示があり、そこを左折。今は新笹子トンネルという大きなトンネルができているので、この峠道はまったく閑散としていた。静かな峠道を車でゆっくり登り、峠の旧笹子トンネルまで誰にも会わず。
矢立の杉の案内
「その昔、武士が戦陣に出かけるとき、この杉に一番矢を射たてて戦勝を祈願したとも言われている。中は空洞で、幹は地上約22mのところで折損しているが、今のなお勇壮に生きている姿は、この場所を訪れた人を元気づけ、魅了しつづけている。」
ゼンマイ式音声ガイド
矢立の杉
車道の途中に矢立の杉という老木の案内があり(*1)、100mほどとあるので、車を降りて歩いてみる。ハンドルを20回廻すとガイドの声が出るゼンマイ式音声ガイドというのがあり、鳴らしてみる。歌も流れ、なぜが杉良太郎の歌。矢立の杉という歌なのか?その矢立の杉はもう幹もだいぶ痛み、上半分はなくなっているらしいが、緑の葉をつけた枝を広げていて、パワーを発散していた。
(*1)矢立の杉: 「その昔、武士が戦陣に出かけるとき、この杉に一番矢を射たてて戦勝を祈願したとも言われている。中は空洞で、幹は地上約22mのところで折損しているが、今のなお勇壮に生きている姿は、この場所を訪れた人を元気づけ、魅了しつづけている。」
トンネル東口の登山口表示
笹子隧道の案内
「・・・・・甲州街道で一番の難所と言われたのが笹子峠である・・・・・この難所に開設された笹子隧道は昭和13年に開通し・・・・・昭和33年に新笹子トンネルが開通するまで・・・・・・甲州街道の交通を支えていました・・・・・」
トンネル「笹子隧道」
トンネル西口
旧笹子トンネルのどちら側に登山口があるのかを事前に確かめたとき、ネット情報では西側になっていた。だが、トンネル東口につくと広い駐車スペースがあり、そこに笹子雁の登山口表示があった。いったん車を降りてみたが、登山道はやや怪しそうだ。やはり西口に行こう。旧笹子トンネルは狭い隧道で、乗用車一台が通れる広さ(*2)。
(*2)笹子隧道(旧笹子トンネル): 「・・・・・甲州街道で一番の難所と言われたのが笹子峠である・・・・・この難所に開設された笹子隧道は昭和13年に開通し・・・・・昭和33年に新笹子トンネルが開通するまで・・・・・・甲州街道の交通を支えていました・・・・・」
トンネル西口の登山口表示
ところが、トンネルに入ろうとすると、向こう側からやってくる車のヘッドライトが見えた。バックして道を譲り、その後にトンネルに入る。西口にも駐車スペースがあったが、登山口が分からない。やっぱり東口にすべきだったかと悔やんだが、すこし西に離れたところまで歩いてみると、そこに笹子雁への登山口表示があった。やはりここで正しかったようだ。準備して歩き始める。今回はコネロ・シューズ。
天神祠
緩い坂を登ってトンネルの上に上がると分岐があり、鳥居が見えた。行ってみると天神宮とあり、祠にお参り(*3)。
(*3)笹子峠天神社: 「当天神は・・・・・江戸時代から笹子峠を往還する旅人の無事を願い、時に雷除けとして祀られた天神様である」
笹子峠天神社の案内
「当天神は・・・・・江戸時代から笹子峠を往還する旅人の無事を願い、時に雷除けとして祀られた天神様である」
笹子峠
トンネルの真上が笹子峠で、四つ角になっていて、正面が東口からの道、南がカヤノキビラの頭1,411m、北が笹子雁。笹子雁への道は少し東に下ったところからつづら折りの歩きやすい道が新設されていたが、往路のときは分からず、えらく急な坂を登る。ずっと林の中で心地よい風も吹いていて、サングラスはかけず。
笹子雁ヶ腹摺山
思ったよりも急な尾根道を登っていくと、樹間の送電線の向こうに緑のゆったりした山が見えた。どうやらあれが笹子雁のようだ。送電鉄塔のある小ピークを越え、笹子峠から100mほど登ると分岐があり、左が尾根道、右が新道(巻道)とある。新道は途中にある1,290m峰をトラバースしていてだいぶ楽そうだったが、往路では尾根道を登る。黄色いニガナが風に揺れていて、なかなかうまく写真が撮れない。
尾根道・巻道(新道)西分岐→尾根道
尾根道
鉄塔の下以外はずっと林の木陰で、風も吹いていたので暑さはしのげた。ピンク色はシモツケソウかな。たどりついた1,290m峰頂上もミズナラの木陰になっていた。下ると新道との合流点があり、送電鉄塔の立つもう一つの小ピークを越え、コルまで下って登り返す。最後の急な坂道を登っていくと小さなヤマハハコが咲いていたので、立ち止まって撮影。小さい花は焦点がボケて写しにくい。
ニガナ
ニガナ
シモツケソウ
1,290m峰頂上
尾根道・巻道(新道)東分岐・合流
鉄塔
ヤマハハコ
ヤマハハコ
笹子雁ヶ腹摺山の頂上
そして、立派な三角点のある笹子雁ヶ腹摺山の頂上に到達。「秀麗富嶽十二景、四番山頂」とあり、「登頂おめでとうございます」のQRコードが記してある。頂上標識も富嶽十二景、山梨百名山のものを含めて三つ。頂上標識の下には小さな狛犬が二匹いて頂上を護っていた(この小さな狛犬は牛奥雁や雁ヶ腹摺山の頂上でも見た)。
二等三角点
頂上の道標
秀麗富嶽十二景のち頂上標識
登頂ご褒美画像QRコード
小さな狛犬
日陰のベンチ
ママコナ
頂上は東西に長細く、東側に日陰になったベンチがあるのでそこにザックを下ろすと、ママコナの赤い小さな花が咲いていた。これまた写しにくい花なので、そばに座り込んでなんとか焦点を合わせようと奮闘。だが、うまく取れたのはあまりない。おもしろい形をした花。ちょっぴり怖そうな形にも見える。大きなカメラだったらうまく写せるのだろうか。
ママコナ
尾根から笹子峠に降る九十九折への道標
帰路は巻道(新道)を歩く。尾根道に比べると格段に楽であった。笹子峠へは、往路の急坂でなく、つづら折りの道を下ってみる。えらく長くて緩いつづら折りで、笹子峠よりもやや東側に出る。
笹子峠からカヤノキビラの頭への道標
眼下の車と車道
トンネル西口に下り、着替えてから車道を下り、R20までにすれ違ったのはオートバイと軽トラそれぞれ1台づつのみ。天空の湯というのは勝沼のぶどうの丘にある温泉で、ブドウ園の中を登って行った先にある。下から丸見えに違いない露天からは奥秩父や南アルプスが見えるはずだが、この日は遠景は霞んで見えていなかった。