蘭越幌内山 スキー向きの山、ニセコの景観

北海道・道央  842m  2014年2月8日

北海道雪山ガイド

480

果てしなき白い大地

緩やかに待ち受ける山

冷たい空気の中を行く

ただひたすらに

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北海道の里山にはスキーで登るのが楽しい。だが、道標がなかったり、視界が見えにくかったりすると、とたんに難しくなることがある。高性能GPSがないとなおさらだ。

黒松内インターの手前あたりで正面に見える大きなゆったりした山が蘭越幌内山。いかにも北海道らしいスキー向きの山。高速を降り、国道5号線から右折して道道32号を南に向かうと、すっかり晴れ上がった青空に真っ白な蘭越幌内山を再び見る。

道道32号を南に進み、蘭越幌内山の東側あたりの駐車スペースに駐車して歩く。

登りやすそうなところで早めに雪原に上がり、スキーを履いて北に歩く。林道からは、左右均整のとれたニセコアンヌプリ、昆布岳、そして羊蹄山が見える。

行く手に頂上らしきピークが見えてきたが、それは左の谷向こうにある。変だ。ガイド・ルートでなく、北側の尾根にいるようだ。失敗した、引き返すか。いや、このまま進めば、蘭越幌内山の北尾根から頂上に行けるはず。まだ12時前なのを確認し、更に前進。

細尾根のピーク(P1、岩峰)に登って先に進む。そこからは北と西の情景、羊蹄山が白く輝く。

P2の先のコルに達すると平坦な林となり、雪原に倒れ込んで2回目の休憩。時間を確認すると、まだ14時。前進する。そしてついに最高地点に到達。こんなに苦労するとは思わなかった。

ホットレモンをゆっくり飲み干し、シールを外して帰路につく。頂上から肩、肩から平坦尾根までは軽いターンで滑走。往路では細尾根上を通過したP1を、下りでは東斜面をトラバース滑走。

ニセコの南にある大きな山、蘭越幌内は、間違えて一つ北の尾根に登ってしまい、なんとか北尾根を辿って頂上に到達したが、苦しいツアーとなった。北海道に行く前から風邪ぎみで、8時半前に出発して、肩に到着した14時にはもう疲れ切っていた。そこでもう一度、力を振り絞り、頂上に達する。

 黒松内インターの手前あたりで正面に見える大きなゆったりした山が蘭越幌内山。いかにも北海道らしいスキー向きの山。
 道道32号を南に向かうと、すっかり晴れ上がった青空に真っ白な蘭越幌内山を再び見る。
 イワオヌプリとニセコアンヌプリ
 昆布岳
 トラバース滑走
  8:18 駐車地点発  8:22 引返(車道に戻って橋を渡る)  8:37 雪原に上がる  8:49 林道  9:07 林道分岐を右(誤りだった)  9:32 高架電線11:30 林道終点12:31 吊尾根P114:02 肩14:26 蘭越幌内山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り6時間8分14:43 蘭越幌内山発、滑走15:29 吊尾根P1・トラバース15:43 林道16:38 高架電線16:56 車道17:06 駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復8時間48分

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北海道の里山にはスキーで登るのが楽しい。だが、道標がなかったり、視界が見えにくかったりすると、とたんに難しくなることがある。高性能GPSがないとなおさらだ。

余り天気は良くないが、計画通りに北海道に向かう。若干、風邪ぎみだったが、初日の静内PAでは暖房を切って眠り、明け方に寒くなってからエンジンをかける。-16°。猛烈な寒さ。

起床して着替え、ホットレモンを沸かし、スキーシールを貼ってからPAを出発。快晴ではないが日も出ていて悪くない。静内PAのすぐ裏手には写万部山とオモタイ山。黒松内インターの手前あたりで正面に見える大きなゆったりした山が蘭越幌内山。いかにも北海道らしいスキー向きの山。高速を降り、国道5号線から右折して道道32号を南に向かうと、すっかり晴れ上がった青空に真っ白な蘭越幌内山を再び見る。頂上周辺は大雪原斜面になっていて、その雪原斜面に続く東尾根を登るはずだった(だが間違えて、1本北の尾根を登ってしまう)。林道入口があったが駐車スペースがないので更に道道32号を南に進み、蘭越幌内山の東側あたりの駐車スペースに駐車して歩く。

マップによると、林道入口まで戻らずとも、駐車地点から雪原に上がれば近いようなので、そうする。しかし、雪原の西側には沢が流れていて渡れない。北側に車道の橋が見えている。車道に戻り、橋を渡ってから雪原に上がればよいだろう。いったん車道に戻り、スキーをかついで車道を歩き、橋を渡ると、道路管理か何かの車がやってくる。一応、挨拶。登りやすそうなところで早めに雪原に上がり、スキーを履いて北に歩く。林道はどこだ?車道脇の雪原は狭く、雪原の東側はすぐに斜面になっている。車道脇を北に向かうと、その斜面に林道が見えてきた。雪に埋まった小沢を越え、その林道に上がる。林道は斜面をぐんぐん登ってゆくが、なかなか右折分岐に出会わない。ようやくその分岐に出て、マップを確認の上でその分岐を右に入る。正しい分岐はもっと南にあったはずだが、川沿いに鉛筆で書き込んだ林道は、実際にはもっと山沿いに高く付けられていた(古いインターネット・マップにその林道の記載あり)。林道からは、左右均整のとれたニセコアンヌプリが見え、次いで林道分岐。「来馬線」とある。林道はやや北西に進み、右下はるかに歩いてきた下の林道が見える。下りのときはここから斜面を滑ろう。その先で高架電線の下に出て、北に連なる高架電線がはるか北東の車道に降りていて、この斜面を滑って車道に出ることもできそうだ。その先にはニセコ連峰。気温が上がり、ネックウォーマーを外す。キューブスピーカーもこのあたりで起動。フィル・マンザネラを聞く。林道を更に登ると、背後に昆布岳、そして羊蹄山が見える。

林道は尾根の北側から中央、そして南側に移り、やや下りとなる。マップを出して確認したが、まだ間違いには気づいていなかった。林道を下り切ったところで最初の休憩をとる(このときはまだ夕方までかかるとは思っていなかった)。登り返した尾根の中央あたりで林道は終了し、林斜面に入る。行く手に頂上らしきピークが見えてきたが、それは左の谷向こうにある。変だ。林斜面を登っていくと視界が開け、ます背後に昆布岳、そして、谷向こうの蘭越幌内山頂上の全景を見る。ガイド・ルートでなく、北側の尾根にいるようだ。失敗した、引き返すか。いや、このまま進めば、蘭越幌内山の北尾根から頂上に行けるはず。途中にヤセ尾根があるようなので、あまりトラバースはできない。まだ12時前なのを確認し、更に前進。尾根通しが確実だが、体力と時間節約のため、緩い登りのトラバース・ルートで進む。消極的なようだが、これが正解だった。マップの細尾根が前方右上に見えてきて、その手前で尾根上まで上がる。細尾根の北側は断崖、南側は急傾斜だが、帰りの滑走はできそうだ。細尾根のピーク(P1、岩峰)に登って先に進む。そこからは北と西の情景、羊蹄山が白く輝く。

細尾根のP1を越えると尾根は広がり、次のP2は雪原斜面をトラバースしていく。このあたりからあまり写真を撮っていないが、林に入る前にP3の横を通過。P2の先のコルに達すると平坦な林となり、雪原に倒れ込んで2回目の休憩。腰が痛いのは風邪のせいだろうか。平坦部分から登り斜面となり、疲れから眠気に襲われ、ぼうっとしながら休み休み登っていく。ついに傾斜を登り切ると、頂上はまだはるか先に見えている。こりゃあダメだ。諦めて引き返すしかない、と思う。しかし、引き返そうとする心に対し、なにくそ、もう少しじゃないか、頂上まで行くんだ、という情熱が湧きあがってくる。時間を確認すると、まだ14時。前進する。肩の尾根から林の雪原に入り、やがて無木立の雪原斜面となる。右手(西)奥に遠くピークが見える。頂上はまだあんなに遠いのか。しかし、そのピークは幌内岳の西にあるピークだった。そしてついに最高地点に到達。標識は見当たらないが、周囲にはここより高いところはなく、ここが蘭越幌内の頂上であることは明らかだ。思い切り大声を上げ、ザックを置き、頂上に倒れ込んで休憩。こんなに苦労するとは思わなかった。

東には広大な雪原斜面があり、そこを滑って戻りたい衝動にかられたが、トレースがないと迷うに違いないので止めておく。遠景の昆布、羊蹄山、ニセコなどは霞んでいた。西には尾根つづきのピークがあるが、頂上にいたときは雲に隠れていた。往路の北尾根は低く連なり、P1やP2がはるか遠くに(ちょうどニセコアンヌプリの真下に)見えている。あそこを登ってきたのか。ホットレモンをゆっくり飲み干し、シールを外して帰路につく。頂上から肩、肩から平坦尾根までは軽いターンで滑走。平坦尾根ではかかとを外し、歩く。軽い登りもあり。林を抜けたところでP3。その少し先のマイナーピークのあたりから下り傾斜が強くなり、P1まで往路トレース上を滑走。往路では細尾根上を通過したP1を、下りでは東斜面をトラバース滑走。シールのときはトラバースは不安で尾根通しに通ったが、ビンディングを固定したスキーだと普通に通過。そのままトラバース滑走を続け、やがて往路トレースに合流する。林道に達し、コルまで滑るが、コルからは長く辛い登り返しとなる。

ものすごく長く感じたが、10分間の登り返しを終え、4回目の休憩。冷たいポカリスエットを一口飲む。登り返しが終わった後の林道は軽い下りなのだが、スキーは全く滑らず、ほとんど歩き。高架電線までが長く感じた。はるか下に林道の見えるところで、林道を外れて斜面を滑走。あっという間に下の林道に到着。辿りついた林道はもう分岐する前の林道で、すぐに車道への分岐トレースがあり、車道に下る。車道の土手の上でスキーを外し、車道に降りて駐車地点まで歩く。

スキーを片付け、着替えをして車に入ると、もうあたりは暗くなっていた。駐車地点の東斜面に滑走跡が見える。どうやらここに駐車して東側に登ったようだ。そちら側には昆布岳があるが、登れるのだろうか。当初計画では翌日は美比内だったが、初日が遅くなったため、翌日は塩谷丸山に変更し、道の駅よいちをカーナビ入力する。車道に出ると、北にニセコアンヌプリのスキー場のナイター照明がクリスマスツリーのように見えていた。蘭越から余市までの100km弱のドライブは大変だった。右足がつり、左足で運転するが、左足もおかしく、何度も足を入れ替えて運転。雪道でそうでなくてもスピードを出せないので、何度か追いついてきた車を先に行かせる。倶知安のスーパーでサシミとサラダと飲物を買い、余市のコンビニで夕食を買って道の駅に入る。疲れきっていたので、エンジンは点けっぱなし。夕食の前か後か忘れたが、DVDを見ているとき、右足の付け根が痛み出し、我慢しきれないほど傷んで苦しむ。筋肉の痙攣(足がつっていた)らしく、傷む部分を手で押さえつけていると、やがて傷みは収まる。

ニセコの南にある大きな山、蘭越幌内は、間違えて一つ北の尾根に登ってしまい、なんとか北尾根を辿って頂上に到達したが、苦しいツアーとなった。北海道に行く前から風邪ぎみで、8時半前に出発して、肩に到着した14時にはもう疲れ切っていた。そこでもう一度、力を振り絞り、頂上に達する。

 朝焼けと有珠山?噴煙

北海道の里山にはスキーで登るのが楽しい。だが、道標がなかったり、視界が見えにくかったりすると、とたんに難しくなることがある。高性能GPSがないとなおさらだ。

 マイナス16℃

余り天気は良くないが、計画通りに北海道に向かう。若干、風邪ぎみだったが、初日の静内PAでは暖房を切って眠り、明け方に寒くなってからエンジンをかける。-16°。猛烈な寒さ。

 写万部山

 


蘭越幌内山(高速から)

起床して着替え、ホットレモンを沸かし、スキーシールを貼ってからPAを出発。快晴ではないが日も出ていて悪くない。静内PAのすぐ裏手には写万部山とオモタイ山。黒松内インターの手前あたりで正面に見える大きなゆったりした山が蘭越幌内山。いかにも北海道らしいスキー向きの山。高速を降り、国道5号線から右折して道道32号を南に向かうと、すっかり晴れ上がった青空に真っ白な蘭越幌内山を再び見る。頂上周辺は大雪原斜面になっていて、その雪原斜面に続く東尾根を登るはずだった(だが間違えて、1本北の尾根を登ってしまう)。林道入口があったが駐車スペースがないので更に道道32号を南に進み、蘭越幌内山の東側あたりの駐車スペースに駐車して歩く。

 

蘭越幌内山(高速から)

 


蘭越幌内山(道道32号より)


蘭越幌内山(道道32号より)


道道32号


車道の壁を登る


雪の林道を行く


イワオヌプリとニセコアンヌプリ

 羊蹄山

 

羊蹄山


雷電山


 ニセコ連峰・西側

 

昆布岳

 

昆布岳


谷向こうの蘭越幌内山

 吊尾根

 蘭越幌内山と吊尾根

 

広い雪原尾根

 蘭越幌内山と雪原尾根

 蘭越幌内山の頂上

 頂上からの滑走

 蘭越幌内山

 


吊尾根の滑走

ものすごく長く感じたが、10分間の登り返しを終え、4回目の休憩。冷たいポカリスエットを一口飲む。登り返しが終わった後の林道は軽い下りなのだが、スキーは全く滑らず、ほとんど歩き。高架電線までが長く感じた。はるか下に林道の見えるところで、林道を外れて斜面を滑走。あっという間に下の林道に到着。辿りついた林道はもう分岐する前の林道で、すぐに車道への分岐トレースがあり、車道に下る。車道の土手の上でスキーを外し、車道に降りて駐車地点まで歩く。

 林道のショートカット

 綺麗之湯

ニセコの南にある大きな山、蘭越幌内は、間違えて一つ北の尾根に登ってしまい、なんとか北尾根を辿って頂上に到達したが、苦しいツアーとなった。北海道に行く前から風邪ぎみで、8時半前に出発して、肩に到着した14時にはもう疲れ切っていた。そこでもう一度、力を振り絞り、頂上に達する。