ごはん小説アンソロジー『今日のごはんは?』に登場させられてしまった、棚上志朗です。高校生の甥です。割と本を読む方なので、時々、叔母が書いている小説を下読みしたり、感想を言ったり、書いたりしてます。
これは《変化球系バンドミステリ》って銘打たれたシリーズですが、読んでみると「なるほどな」と思います。単なるバンド物じゃないし、第一作の盗作物なんて、煽り文句どおり、「犯人なんか、誰だっていい」だし。この第二作も「そうきたか!」みたいな。
でも、読ませます。ひとひねりしてあるけど、後味もいい。
二十代後半の新人バンドの話ですが、四人のメンバーには、すでにプロとしての経験があって、ワナビ物にありがちな自意識の過剰さや、鼻につく感じがありません。彼らは過去の経験によって傷ついていて、今も大成功してるわけじゃない。それでも彼らはちゃんと生きていて、嫌がらせに負けたりしない。会話のテンポもよく、とても身近に感じます。読んで勇気をもらえるし、回復の物語であるとも思います。
続きが読んでみたくなりますね。甥っ子のひいきめでなく。