最近、寝る前にいつも読んでいる物語があるんだ。
表紙の手触りに惹かれて図書館で借りて、中身も面白かったから本屋で全巻買いしちゃったやつ。
遠いどこかにある小さな国の王様が主人公のお話。
その王様は七人兄弟の一番上のお兄さんで、弟や妹をものすごく愛していてね。
七人兄弟ってすごいなぁ、どんな感じなんだろう。僕には兄弟がいない──いやいたのかな、記憶をなくしてしまって今はわからないけど、とにかく体験したことがないからとっても楽しそうだと思う。
兄弟はみんな個性豊かな人たちばかりなのに、本当に仲が良いんだなっていうのが窺えて、羨ましくなってくるよ。
僕の住むところには王様がいないから(昔はいたらしいんだけど)、普段どんなことをしているのかあんまり想像できなかったんだ。でも、笑ったり泣いたり悩んだりしながら一生懸命国を治める姿を見ていると、やっぱり王様でも普通の人なんだなぁって、ちょっとホッとするよね。
っていうか、結構泣き虫なんだよ、この王様。僕も割とすぐ涙が出てきちゃうほうだから、親近感湧くな。
兄弟への愛はもちろん、国民に対する王様の慈愛や、小さな女の子の憧れにも似た愛、複雑な事情を抱えた愛……いろんな愛に溢れた物語で、こっちまで心があったかくなる。
次に出る巻で完結になるらしくて、楽しみにしているんだ。その前の巻が大変なシーンで終わってしまってるんでソワソワしちゃうよ。
僕の同居人にも読んでほしいと思って、こっそり机の上に置いておいたんだけど、早速書類の山に埋もれてしまったし、気づくのはいつになるんだろうなぁ。
まったくもう、僕がいないとすぐ仕事を溜め込むんだから。こうなったらさっさと片付けて、のんびり読書できる時間を作ってあげようっと。