実はこれ、人からもらった本なんだけどね。いやあ最初に読んだ時はびっくりしたよ。
だって、あの『百年単位で引きこもることもやぶさかではない』とか豪語する、ぐうたらエルフのユージーンが、ちゃんと骨董店の店主らしいことをしている様子が描かれていたんだからね!
しかも、世話焼きな小さき友と、不思議な看板娘が加わって、なんだか楽しそうに暮らしてるじゃないか。
この本に描かれていることがどこまで真実なのかは、当人達にしか分からないことだろうけれど。
これはもう、一度この目で様子を見にいかないと、だね! 首を洗って待っていてくれたまえよ、ユージーン!
……しかし、本来なら飲食など必要としないはずの二人に、せっせと食事を作っている彼は、その事を知っているのかな?
教えてあげた方がいいのかもしれないけど、そうすると私も美味しいご飯にありつけなくなってしまうだろうから、しばらくは黙っていようかな。
君達もどうか、内緒にしておいてくれたまえよ。