シマからみかじめ料を回収できず、ひったくりにも失敗してマッポを捲くために入った会場なんとかフリマだった。新刊だっていうのと、第一話で、孕まされた女の話から始まって、やくざものが出るっていうんで買った。
俺はつくづく道を間違えて生きてきた。二択選択があったら、必ず間違えた。この本はそういう「間違えた」奴らが、それを認められずに行きついた果て、何が待ち受けているのかという話。強かだがどうしても「被害者」になる女どもや、不器用な生き方しかできない男たちの話だ。神なんてうさんくせえものを捨てて、自分の忠義を貫いた結果、親しい人から排斥される下りは何とも言えない悍ましさを感じた。
ただ、最終話まで読むと、これは決してバッドエンドではないと思う。聞けば作者は現役のキリスト教徒らしい。きっと作者も「正しいキリスト教とは」「正しい人生とは」「正しい愛とは」とか、そういうのを日ごろから模索する世界に生きてるんだろう。最後の二行は、とても20代の作者が見出したとは思えないほどの含蓄が含まれている。俺はここが一番気に入ったと言ったら、これはネタ提供の神父の受け売りだったらしい。それを抜きにしても、これは傑作だ。
自分の人生に後悔がある奴は読んでみてくれよな!