最近、何をしても友達といてもつまらなくて、先生に相談したところこの本を薦められました。先生が言うには「お前さんなら何か感じるものがあるだろう」とのことです。読書感想文は苦手ですが、先生に感想を伝えるためにも記録に残したいと思います。
主人公はある協会に所属するエージェントで、担当することになった粘菌との交流が描かれています。この粘菌が曲者で、人間のような意思を持ち、なおかつテレパシー能力もあるという危険な生物です。最初はエージェントも粘菌も険悪な雰囲気でしたが、互いに緊張が解けていくうちに強いつながりを持っていきます。
二人(一人と一菌?)を結びつけたのは何だったのでしょうか。自分以外の他者や世界への諦め、生きることの空虚さ、失うことへの恐れ。いろんなものが考えられますが、一番のきっかけは「さみしさ」だと私は思いました。どちらも、さみしかったんだと思います。それが共感できたからこそ、繋がることができた。そしてこれは、誰しも同じなのではないでしょうか。
私たちはそれぞれ一人です。たとえ傍に誰がいようと、私は私しかいないし、あなたはあなたしかいないし、先生は先生しかいない。それは「さみしい」ことかもしれません。でも共感できたなら、それは「友情」になる気がします。恐らく最近私が感じていた「つまらない」も、根本は「さみしい」なのだと思いました。
先生は「もし何かしらの答えが出たら教えてよ、そしたら先生の秘密を教えてあげよう」と言いました。私の答えに先生は満足してくれるでしょうか。たぶん、大丈夫だと思うけど。それにしても、先生の秘密って何だろう? もしかしたら先生がエージェントの一人だったりして。とりあえず、先生に会って聞いてみます。