宝箱を開けたらね、入っていたんですよ。この本が。
何しろタイトルに「ガラクタ」なんて入ってますからね。それも、「拾う」なんて。
トレジャーハンターにしてみれば、縁起でもない本ですよ。
けど、捨てるには惜しい気がして、ついついページをめくってしまいまして。
それが運の尽きでした。
読んじゃったんですよ。一気に。
主人公はやばいレベルの美形である事を除けばまぁ普通なんですが、とにかく相棒の女の子がすごい。
拾ったガラクタを、その場で武器に変えちゃうんですよ。
……いえ、拾った物を魔法で武器に変えるんじゃないです。
多少の加工をする事はありますが、基本的にはそのままの形で武器にしてしまいます。
拾ったぬいぐるみから綿を取り出して武器として使い始めたシーンを見た時は、本当におったまげましたよ。
そんな使い方があるのか! って。
他にも色々な「ガラクタ」が登場するのですが、全部、ほぼそのままの形で武器なり便利な道具なりにしてしまうんです。
この女の子にとっては、ガラクタなんて無いんでしょうね。
何もかも、宝物に見えているんじゃないでしょうか。
この本を読んだお陰で私も、その辺りにある物が何でもお宝に見えるようになってしまいまして……。
正直、困っています。高く売れるお宝と、そうでない物の区別がつかなくなってしまったんですから。商売あがったりですよ(苦笑)
……あぁ、そうそう。
ガラクタを武器にするところも面白いのですが、個人的には主人公の成長ぶりが見ていて楽しかったですね。
最初はいわゆるクールキャラという奴でツンケンしていたのが、話が進むごとに丸くなっていくんです。……えぇ、見た目ではなく、性格が。
段々笑う姿が増えていって、一人で戦っていたのが誰かと力を合わせるようになっていって。心を許せる人が、どんどん増えていくんです。
王道かもしれませんが、なんか良いですよね、こういうの。
だからかな。10巻で終わってしまった時に、「もっと読みたい! もっと彼らの旅を見ていたい!」って思ってしまいました。
……いや、「見たい」ばかりじゃ駄目ですね。
売れる物と売れない物の区別がつかなくなったとはいえ、私はトレジャーハンターなんですから。
自分で旅をして、お宝を見付けてみせますよ!
この本や、この本に登場する人物達が手に入れた物にも負けないほどの、お宝をね!!