「ほどけない体温」
【R18】
アラサーOLゆきりんのほっこり♡
私は就職のために上京して十年ほどになる三十代の独身OLです。
浅草でテキレボというイベントがあることは、ツイッターでフォロワーさんが拡散していたツイートで知りました。
イベントの内容が面白そうなのと猫ちゃんのアイコンがかわいいな、と思ってフォローしたところ、猫ちゃんがいろんな方のお花が出てくるお話を紹介してくれていたのでお昼休憩の合間に毎日少しずつ楽しく読んでいました。
その中でなんとなく気になったお話のひとつが、周くんと忍くんの出てくるお話でした。
男の子同士だからって特別なんかじゃなくて、とっても仲の良い恋人同士が楽しく過ごしているのがなんだかいいなって思いました。
ネットで読んだお話ではもうすっかりお似合いの恋人同士だったふたりが初めて出会ってからのエピソードがこの本では描かれています。
初めて会った時、おしゃれで気さくな忍くんを前に、苦手なタイプだ、と身構える周くんには思わず笑ってしまいました。
私も明るくていかにも誰とでも仲良くなれるような人を見るとリア充怖いなってなっちゃいます。
そうはいっても、主人公の周くんだってちょっとぶっきらぼうだけれどとっても優しくて面白くて、程よい距離感で付き合える友達や頼れる先輩に囲まれているリア充のイケメンです。
それでも、周くんが『上手くやれている』のはまわりに壁を作っているからで、分厚い壁の内側にいる周くんは人に打ち明けられない孤独や不安を抱えていることが読み進めるほどに明かされていきます。
なんだかわかるななんて思って、読んでいる間ずっとはらはらチクチクしてしまいました。
私は男の子だったことはないけれど、周くんの抱えている恐れや不安や迷いは、自分がいままでに感じたことと少し似ていて、なんだかちょっと安心しました。
後半、恋人同士になったのに仲違いをしてしまい、忍くんが出て行ってしまった後、ひとりで食べるごはんはつまらないから手抜きになる、としょんぼりしながらコンビニのご飯を食べる周くんには思わず笑ってしまいました。
いっしょに楽しくおしゃべりしながらごはんを食べられる人がいるのはとっても素敵なことなんだな、と忍くんが帰ってきてからラストまでの展開にはなんだかとってもほっこりしました。
私もだれか大切な人とおうちでゆっくりごはんを食べたいな、と思えたお話でした。
まずは部屋の掃除をがんばります。
アラサーOLゆきりん さん