「箱庭姫に贈る詩」

通りすがりの高校生もほっこりです!

私は進級を控えた高校生で、ぼんやりと進路を意識し始めたところです。けれど、これといって好きな科目もないですし、やりたいことって何だろう……と思っていました。

そんな私は、予定のない休日は家でのんびりしていることが多いです。けれど、ある日気まぐれに外に出て散歩したら、たくさんの方が本を売っている場所にたどり着きました。面白い本はないかなと、色んなブースをめぐっていた所で、あるタイトルの本に私は目を留めていました。「箱庭姫に贈る詩」。笑顔の少女と、彼女を見守るお兄さん(お姉さんかもしれない)が表紙の本でした。箱庭姫ってどんな子だろうと気になった私は、売り子さんに許可をいただいて、少し立ち読みしてみました。

箱庭姫ことクローディアは、好きなものに囲まれて暮らしたいと思っている女の子です。家にこもっているけれど、好奇心がないわけではなくて、ふと耳にした音楽に惹かれて、ふらりと外に向かう所から物語は始まります。楽士が奏でる歌を楽しむクローディアの様子が伝わってきましたし、なんだか私が即売会を訪ねた経緯と似ていて運命を感じましたので、気付いたら、「この本、ください」と口にしていました。

家に帰ってから続きを読むと、もう一人の表紙の人は、男装をしている楽士のお姉さんだとわかりました。そしてひょんなことで、このお姉さん、リインとクローディアは旅をすることになるのです。はじめての旅、弱音を吐きたくなる気持ちに共感した一方で、クローディアがそれを乗り越えて、素敵な思い出と出会えたらいいなと思って、はらはらしながら読み進めました。

二人がどんな旅をしたかは、どうかあなたの目で確かめてみてください。けれど、自分自身を見つめなおして、これから好きなことをたくさん見つけていきたいと思えるお話だったと保証します!

レビュアー
通りすがりの高校生 さん

「箱庭姫に贈る詩」(夕霧ありあ)

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