「双子の男」
【R18】
【R18】
二丁目でカレシにフラれたあと、ふらふらと東京をさまよっていたら、文学フリマというイベントで見つけたわ。「聖と性」なんてショッキングなテーマを現役のキリスト教徒が書くっていうんだから、アタシたちのことをどこまで理解できるのかと思って買おうとしたんだけど、三巻セットで3000円もするのよ! ぼったくりね! って言ったら、「536Pですから」ですって。もうやけくそになってたからそれだけ買ってきたわ。
第一巻は抑圧された女性の話。第二巻はそんな女性が羽ばたいていく話───と、思ったら、そうじゃなかったのよ!! 第一巻からの微妙な違和感が氷解していくのは見事も見事。後日談的な第三巻では、アタシ達が神の救いから零れていない根拠と、それを認めてもらう難しさが書かれていたわ。聞いてみたら、この話は作者の所属教会での性差別への抗議から生まれたみたい。
3000円、大金よね。でもキリスト教の恐ろしい面を知っている人ほど読むべきよ!
ただ、数か所性的暴行のシーンがあるわ。そんなに生々しくないし、悲鳴やセリフもないけど、確かにその理由はあまりにもえぐいから、18禁にしたそうよ。