この本はね、知り合いの魔女が友人の話を元に書いたらしくて、1冊貰ったものなの。
その魔女は異世界に飛べる珍しい魔女なのだけど、これはそちらの世界の話なんですって。
魔法を使えるものはほとんどいないし、そもそも存在自体疑われているとか。
そんな世界の16くらいの子どもたちが主人公なんだけど、魔法を使わない戦いがこんなに熱くて胸躍らせるものだって知らなかったわ。
この本に出てくる子どもたちは誰も魔法を使えなくて、その代わり、彼らは銃やナイフ、時には己の肉体だけを使って戦うの。
これがもうまさに命のやり取り!という感じで、もう興奮しちゃった。
空も飛べないし、結界も張れないから、作戦だってすごく頭を使うだろうし。
人間なりの工夫っていうの?魔法勝負みたいな派手さはないのだけど、そう言う緻密さや距離の近さにドキドキさせられたわ。
たまには、魔法を使わないというのも悪くないのかしら?
それにしても。戦いは熱くて素敵だけど、この子たちの境遇には胸が痛むわ。
16くらいになれば、望んで戦いや命のやり取りに身を投じている子も、こっちじゃ大勢いる。
生きていくためにね。
でも、そんなこと必要ない世界で、全ての自由を奪われて、強制的に人殺しをさせられるっていうのは、どんな気持ちだったのかしら。
まして、大人の身勝手に振り回されていたとなれば、苦しみもひとしおよね。
そんな中でも、懸命に自分なりの答えを探して、大人たちと戦う彼らを応援したくなっちゃった。
私がその場にいたら、魔法で全部解決してあげるのに!
まぁもっとも、主人公の一人でもあるお嬢さん曰く「この出来事があったから今の自分がある」そうだから、余計なお世話かもしれないけど。
長く生きているけど、久々に心が動かされる本に出会えたわ。
そういえば、この本はあちらの世界でも翻訳されているそうよ。
皆さんもぜひ読んでみて。魔女おススメの一冊よ。