こんにちは、「ぽ」と申します。私はひらがなのひとですが、ほかのひらがなと比べて「ぽ」はおまぬけなのです。「ぽんかん」も、「ぽんこつ」も、なんだかおまぬけです。
私の名前とおそろいの、「ぽ」という本をご存知でしょうか。この本には「ぽ」がたくさんでてくるのです。一冊の中に、ぜんぶで1945個の「ぽ」があります。1ページあたり11.58個の「ぽ」なのです。
「ぽ」は、へにゃらぽっちぽーさんというすばらしいお名前のひとの本です。へにゃらぽっちぽーさんはかなりおまぬけなので、「ぽー!」「ぽぽぽー!」と叫んであたまから湯気を出していたり、「ぽぽ……」とよだれをたらしたり、「ぽっちぽ、ぽっちぽ」とだらしのない顔で歩いていたりします。妹のへにゃぽさんはまじめな方で、「にゃぽ、にゃぽ、へにゃぽ」と、本を読んだり絵を描いたりクッキーを作ったりしておられます。
そして、私がでてくる「文字のひと」が、この短編集の最後を飾っています。「ぽ」をたくさん使っていただいているへにゃらぽっちぽーさんにごあいさつをするためうかがったときのことが、お話になったのです。へにゃらぽっちぽーさんやへにゃぽさんにお礼をしたり、「ぽぽぽー!」と叫ぶとなんだかぽかぽかした気持ちになることを教えていただいたりして、「ぽ」の親睦を深めることができました。「文字のひと」には1ページあたり25.71個の「ぽ」がでてきます。
ぽかぽかとしたいひと、ぽいぽいとしたいひと、ぽっちぽぽっちぽとしたいひとは、一度「ぽ」を読んでみるのはいかがでしょう。「ぽ」と書いてある、おまぬけな表紙が目印です。
「ぽ」を必要としているひとへのプレゼントにも適しています。へにゃらぽっちぽーさんの家から帰ってしばらくしたころ、この本が送りつけられてきたのです。たくさんの「ぽ」が並んでいるのを見た私は、ぽかぽかとした身体が勝手に動いて、おまぬけに踊り始めてしまいました。
みなさんも全身で「ぽ」を堪能しませんか。