「暁 −朱つ輝−」

みなしごハンスとして人生は……

ぼくのお父さんは ぼくが生まれてすぐにいなくなった。

その事を とくべつ 悩んだ事はないけれど


ぼくの誕生日に 教会のシスターが この本を僕に プレゼントしてくれた。


シスターは ぼくが 日本に興味を持ってると 知っていて

日本の歴史の 小説を 選んでくれた。


でも ぼくが 好きなのは

日本のアニメや 漫画だし

歴史なんて ぜんぜん興味なかった


でも この本を開いて目に入った言葉は

日本語の 勉強をしはじめた ぼくにもわかる言葉で


そして ぼくに だから 胸に刺さった。

そして一気に読み進めた。


日本の 歴史のことは ぜんぜんわからないし

読み終わっても、日本の歴史の 知識が増えたわけじゃない。


でもこの本の主人公は

ぼくに とても似てると 思った


日本の 大昔にぼくみたいな 男の子がいた。

生きて 悩んで 最期の瞬間まで 心臓を動かしていた。


その人生を 支えていたのは、まぎれもなく「父」だった。


ぼくと 主人公に 違う所があるとすれば

彼は最後の最後で やっとそれに気づいたけれど

ぼくは 彼の 人生を読んで それに気づけた。


読み終えたあと、ママに夕飯だと呼ばれるまで、しばらくぼーっとしていた。


今日の夕飯は、ぼくの隣に座る あの人を「パパ」って 呼んで みようと 思う。

レビュアー
みなしごハンス さん

「暁 -朱つ輝-」(たるなま)

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