2025年10月26日 諸聖徒日/逝去者記念礼拝 礼拝説教要旨
(ルカによる福音書 6章20節~26節)
本日は逝去者記念礼拝です。「貧しい人々は、幸いである/神の国はあなたがたのものである」と弟子たちに語ったイエスさまは、天に召された人が招かれる場所を神さまとの宴席というイメージで表現しました。宴会も含めて当時の食事の場というのは、食卓のホストがどのような人と親しくしているのかを示す場でもありましたから、その場にどのような人-どのような身分の人が招かれているのかが重要な事柄でした。そのため、イエスさまが神さまとの宴席のイメージを語るときも、どのような食事が並んでいるかではなく、誰が宴席に招かれるかに焦点を当てて話しています。
ですから、今日のイエスさまが弟子たちに語った言葉、「貧しい人々は、幸いである/神の国はあなたがたのものである」もそのような視点で見ると興味深いのです。イエスさまの弟子たちはあえて「身分」という言葉を使えば低い位置にある人びとでした。高い身分にある人でイエスさまを慕う人もいましたが、イエスさまと行動を共にしていた人びとは漁師や徴税人、貧しい人びと、病気を患っている人であり、彼らは当時の価値観では神の救いから外れていると見做されている人びとでした。つまり、神さまの食卓に招かれることはない、と考えられていた人びとでした。その人びとに対してイエスさまは「神の国はあなたがたのものである」と宣言したのです。
そこには条件などは一切ありませんでした。「神の国」とは神さまが直接この世界を治める状態を指す言葉ですけれども、そのときあなたがたは招きいれられるよ、とイエスさまは語ったのです。言い換えるなら、「あなたがたは神さまの救いにいれられているよ」ということであり、「あなたがたと共に神さまはおられるよ」ということでした。
(司祭ヨハネ古澤)
牧師の小部屋 53
チャールズ国王は、ロンドン主教であるサラ・マラリー主教(Rt Revd and Rt Hon Dame Sarah Mullally DBE)を、次期カンタベリー大主教に任命することを承認しました。首相官邸より発表されました。
サラ主教は、597 年に聖アウグスティヌスがローマからケントに到着して以来、106 代目のカンタベリー大主教となり、初の女性大主教となります。
就任式は2026 年3 月、カンタベリー大聖堂にて行われる予定です。
サラ・マラリー主教は2018 年以来ロンドン主教を務めており、この職にも就任した初の女性です。その前は、エクセター教区のクレディトン主教を務めていました。2001 年に按手を受ける以前は、イングランド政府の主任看護官(Chief Nursing Officer)として最年少の37歳で任命され、がん看護を専門としていました。サラ主教は看護について「神の愛を映し出す機会」と語っています。
カンタベリー大主教指名委員会(Crown Nominations Commission: CNC)は、今年2月から始まった公開協議と祈りをもっての識別のプロセスを経て、サラ主教を推薦しました。このCNC は、イングランド国教会全体、世界聖公会、そしてカンタベリー教区からの代表者によって構成されました。カンタベリー大主教は英国教会における最上位の主教であり、その職務はカンタベリー教区の教区主教、英国内の首座主教(Primate of All England, Metropolitan)、さらに世界聖公会の首座主教の「第一人者(primus inter pares=同輩中の首位)」としての役割を含みます。聖公会は世界165 か国、約8,500 万人の人々から構成されています。イギリス上院(貴族院)では、カンタベリー大主教は26 名の「聖職上院議員(Lords Spiritual)」の一人でもあります。
【アングリカンコミュニオンHP より抜粋、翻訳ソフトでの翻訳、一部修正】
(司祭ヨハネ古澤)