ガーデン用ソーラーランプが点灯しなくなったので見てほしいと言って,知り合いが持ち込んできた.
ニッカド充電池を交換すれば使用できることが解ったが,DIYでは充電池2個より安い価格で本体が買えるというので結局捨てることになった.
私は,この手の商品は信用していないが,商品レビューでそれなりの評価をしている人もいるので,念のため分解して内部を調べてみた.
蓋の上部に5センチ角のソーラーパネルが埋めこまれていて,その下に単三型ニッカド電池2個,トランジスタ3石(PNP1個,NPN2個)を使った基板(下部写真は縦横2倍拡大)が組み込まれ,基板には発光ダイオードが下向きに基板直付されていた.製品基板を配線図に書き直すには表と裏を交互に見ながら書いていけばよいのだが面倒くさい.そこで基板表裏の写真を撮り,表の部品位置に合うように裏面画像を上下反転させ,表面部品と裏面結線を見較べながら配線図を書いてみた.
配線図は次図のようになった.トランジスタにはS9013やS9015が使われていたが,足の帰属(エミッタ,ベース,コレクタ)が日本製のものと異なるようである.抵抗のように見える上図右下の空色部品はコイルである.光量が多ければ、抵抗値が低くなるCdSセルの特性を利用して明るい時は点灯しないようになっている.ソーラーパネルとニッカド電池の間に入っているダイオードは逆流防止である.なお,この機種は1.2VNi-Cd電池が2個入っているが並列になっている.LEDを発光させるには3V程度は必要である.1.2Vの電池1個で発光させるためには,このような昇圧回路が必要なわけである.
ついでに,充電能力を調べてみた.
11月15日午前11時快晴の場合,起電力は無負荷で2.1V,電池を入れ充電状態の場合,1.9V,電流は175mA程度から充電度に応じて徐々に低下し100mA程度で一定になった.
曇ると25mA程度に低下する.室内では,100ボルトLEDランプ(20ワット相当)をソーラーパネルに近づけた場合,起電力1.5ボルト,10ミリアンペア程度流れる程度である.快晴の太陽光でないと充電しないと判断した.
類似製品の広告を見ると,庭で明るく輝いて足元を照らしている感じだが,明らかに誇大広告である.この種のライトは在庫一掃セールで1本数百円で売られている.それなりに使用に耐えるライトはソーラーパネル面積が大きく高価格である.