韓国におけるコンピュータ依存症の現状について報じていた.
ネットゲームから抜けることができない若者が増え, 韓国政府も対策を講じるとのことである. ネット中毒対策のための授業を学校で始める傍ら, 深夜はゲームができないようにするシステムを導入するらしい. IT先進国を自認し,成長産業と位置付けているのに皮肉なものである.
コンピュータゲーム依存症の人は明らかに大脳に障害が認められ, 自制できなくなっているようである. コンピュータに限らず. 酒, タバコ, パチンコ等も同じようなものである. 最近, ウッズ(ゴルフ)の不倫も性依存症として話題になっている. 古来,”英雄色を好む”と云われるが, これも依存症の一つということになりそうである.
もっとも深刻なのは携帯電話かもしれない. 大学生を見ていると授業が終わると携帯, 部屋の外で話し声がするので, ドアの所に行ってみると廊下で携帯電話,質問に来た学生も途中で携帯電話の音で中断, ゼミが終わるのを待って携帯電話, 玄関を出ると携帯, そのうち携帯電話依存症を治療する専門医が登場するだろう.
携帯電話やテレビは, ゲーム依存症ほど病的ではないため,依存症とは言えないかもしれないが, 精神生活が確実にコントロールされていることは確実である. その典型的な例として,入学時に学生に交付した大学メールは使えないという事実がある. 一億総白痴化のため, 皆が病的に感じなくなっているだけではないだろうか.
私も年齢の割には, コンピュータを使用する方であるが, 書き物, 計算, 情報収集がほとんどである. もしコンピュータが使用できなくなると逆にストレスが増すことは確実である. 社会のネットワーク化により, 休日に大学へ行って, メールを読む, 計算処理をする, あるいはホームページの保守をする必要がなくなった. ストレス減少に大いに役に立っている.これも依存症の一つと言う人もいるかもしれない.
[一言] 教員の中には, ITに弱いため, 自宅と大学をVPNで繋いで作業することができず, 休日に大学に来て, パソコン作業を行っている人もいる. ”若い教員が土曜日に出て来てない”と言う人でもある.
(平成22年5月27日)