‪長期使用製品安全表示制度‬

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エアコンの冷房効率を上げるため，サーキュレーター（床から天井に向けた送風機）を購入した．

小型扇風機のファンの向きをを上向きに固定することができるような構造にしただけのものである．

ファンを覆っている保護カバーの側面に下図のラベルが貼ってあった．

設計上の標準使用期間は4年，それを超えて使用すると経年変化により発火，けがなどの事故に至る恐れがあると書かれている．

その間保証するものでもないとも書かれている．

交通標識の「その他の危険」（◇に！）に似た△に!の注意マークは，長期使用製品安全表示制度によって2009年4月１日以降に製造あるいは輸入された家電製品に表示が義務付けられたものである．

対象となる家電製品は以下の5品目である．

1. 扇風機（リビング扇、壁掛け用、天井扇）

2. 換気扇（天井埋込型、パイプ用ファン[3]、一般換気扇、レンジフードファン、熱交換型、空調換気扇）

3. エアコンおよび電気冷房機（クーラー）

4. 電気洗濯機および電気脱水機（洗濯乾燥機は含まない）

5. ブラウン管方式のテレビ

この制度の対象となる家電品目の見やすい位置に下記の項目が表示されなければならない．

1. 製造年 - 製造された年（または輸入された年） -

2. 設計上の標準使用期間

3. 注意 - 設計上の標準使用期間を超えて使用すると，経年劣化による発火・けが等の事故に至るおそれがあります（例）

「設計上の標準使用期間はあくまで設計上の目安であり，また期間内でもその期間を過ぎても製造者や輸入者、販売者が無償修理や無償交換の義務を負うものではないことに消費者は留意しなければならない」と書かれている．

それにしても，使用期間が４年間とは，すこし短いのではないかと思い，別のファンをチェックしてみた．

２階天井裏の空気を追い出すために使っている換気扇は標準使用期間は１３年である．

また，キッチンのリホームで交換したレンジフードファンは１０年である．

何が違うのか，モーターを調べてみた．

実際に比較すると，標準使用期間４年のサーキュレーターはいわゆる隅取モーターである．

この種のモーターは，主に負荷の掛らない機器に使用されている．

化学領域なら安物の小型攪拌機（マグネチックスターラー），昔の安価なレコードプレイヤー等である．

隈取モーター

コンデンサー誘導モーター

一方，標準使用期間の長い製品は４極コンデンサー誘導電動機（3.5マイクロファラッド）である．

ところで，製品を購入する際の仕様書には標準使用期間は記載されていない．

今回，比較した製品の価格差（定価）は１：３である．

安物は使用期間が短いと考えるべきかもしれない．

これからは，設計の際に設定される「時間」を購入すると思っても間違いはないようである．

追記

バスルームの天井換気扇はコンデンサーのない方式であったが，１５年間使用することができた．