(俳句では0.06%、1634句に1句、川柳では0.07%、1313句に1句しか詠まれていない。
ただし、俳句川柳はデータ数が少ないので不正確。)
田中槐
佐藤佐太郎
岩井謙一
松村由利子『耳ふたひら』
入谷いずみ『海の人形』
早崎ふき子
大西民子『無数の耳』
九螺ささら『ゆめのほとり鳥』
江田浩司
笹井宏之『てんとろり』2011
水原紫苑
杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』
瀬戸夏子『そのなかに心臓をつくって住みなさい』2012
ルビ:黄昏【こうこん】
村木道彦『天唇』
木下龍也『きみを嫌いな奴はクズだよ』2016
「無数の」はいろいろなものに冠することができるから、「無数の◯◯」だけ拾い読みしても多様で面白いが、
大勢がバラバラに詠んだ結果として多く詠まれた◯◯は、「無数」とセットになる何らかの要因があると思う。
それはそれで興味深い。
「無数の傷」というフレーズを含む歌は6首もあった。
「無数の傷」が多く詠まれるのは、傷つきながら生きた証の比喩としてわかりやすく、納得されやすいからだと思う。
もとより短歌は、生死に関わることを多く詠む傾向があるけれど、「無数の」という語は、いのちへの連想脈があるようだ。
「無数のいのち」というフレーズは使わないようだが、生き死にの姿や卵などへの言及は多く、
また、「無数の手」「無数の瞳」などは、生きようとする切なる意欲を思わせる。
短歌もまだたくさん紹介したいけれど、読みきれないほど並べてもしょうがない。
最後に、俳句と川柳からも。(手持ちデータが少ないので、少しだけ。)
2019年9月22日
私のデータベースは、語の使われ方の変遷などを見るためなど主に統計を目的としてデータを集めております。
直接入力だけでなく、青空文庫、歌人のブログ、そのほかネット上で見つけたデータをコピーさせていただくこともあります。
見ず知らずの方々の努力の成果を労せずして頂戴しており、感謝してもしきれません。評論などで世の中に還流させることで報いたいと思います。。
データベースに収録した歌句は、日々表記等の確認に努めておりますが、数が多いこと、また、自分が原典を有しないものがあるなど、なかなか点検が追いつかない状況です。上記の歌句を引用してどこかに掲載する場合は、必ずなんらかの手段で確認してください。
高柳蕗子