2019年2月25日 作成
♥お気に入り♥
(私はよく知られているフォークソング「なごり雪」のサビを歌わずにいられないが、他にも地名に付加価値を帯びさせる詩歌文学が「東京」にはあるだろう。)
「東京」+「雪」で私のDBを検索すると、
出てきた。
どういう抒情なのか、ちょっと見てみましょうよ。見つけたものをすべてアップします。
また、下の方には、他の県名+雪の検索結果も掲載します。
良いニュースをみんなに知らせる新聞がどんどん刷られてゆく喜びを表した歌のようですが、
そのとき雪が降ることがなぜ嬉しいのでしょうか?
私は、「雪」という言葉が帯びる〝めでたさ〟ゆえだと思います。
万葉集の終わりにある以下の歌。
(新しい年のはじまる初春の今日降る雪のように、良い事がたくさん積もりますように)
万葉時代の人が、「雪」にこういう〝めでたさ〟を見いだしていた。(家持△=家持さんカッケー!)
新聞がどんどん印刷され、この情報は明日の朝みんなに伝えられるんだという喜びと、新聞に携わる人の誇りが、この歌には満ち溢れています。
さてしかし、東京の雪を肯定的に詠む上のような歌はやや少数派。
「東京の雪」を、なんだか〝奥歯にもののはさまったような〟言い回しで詠む歌も少なくないです。(全部ではない)
★次の歌は詞書に「東京都港区……」とある。珍しい〝肯定的な東京の雪〟の例なので掲載します。
二〇〇二年十二月九日午前、東京都港区芝五丁目界隈
見つけたものをすべてアップしておきます。
地名はすべて探したわけではなく、思いついたものをちらほら探しただけです。
偶然見つけたものも含みます。
根津駅の雪の階段のぼりつめ鉄砲坂で夕暮れに遇ふ 坂井修一
県名と県庁所在地名+雪で検索。他の都市名+雪も、たまたま見つけたものはアップしました。
県名or県庁所在地名+「雪」で、私のデータベース内を検索したところ、県名の大半は雪とセットでは詠まれていなかった。
(私のデータベースにないだけであり、また、県名以外の地名や各県の風物を詠み込んだ歌はありえる。)
県名そのものに抒情性などの付加価値があると、短歌などに詠み込まれやすい。
その付加価値は、詩歌文学などに使われることで付加されるものなので、今は弱くてもこれから強まる可能性がある。
県名が現在帯びている付加価値の量を推し量る参考になるだろう。
一首でも一句でも詠まれたということは、詩的付加価値の種が撒かれたことを意味する。
雪がふらない県名をわざわざ「雪」とセットで詠むことは少ないだろう。
でも詩歌は、わざわざ詠むことがある。わざわざ詠めば詩歌的価値が生じる。
例えば「沖縄には雪が降らない」と詠むことも可能だし、逆に「沖縄に雪が降る」と言ってのける修辞もあり得て、歌などが成功すれば、そこに詩歌的価値は生じずにはいない。
●北海道
●青森 はなかったけれど、津軽は3首もありました。
(津軽)
●岩手
(盛岡)
●宮城 なし
●秋田 なし
●山形 なし
●福島 なし
(会津)偶然見つけた会津の雪。
●茨城 なし
●栃木 なし
●群馬 なし
●埼玉
●千葉 なし
●東京 なし
●神奈川 なし
(横浜)
●新潟 なし
●富山 なし
●石川 なし
●福井 なし
●山梨 なし
●長野 なし
●岐阜 なし
●静岡 なし
●愛知 なし
●三重 なし
●滋賀 なし
●京都
〝京都+雪〟の短歌が無いのって意外でしたが、絵葉書みたいになってしまうからでしょうか??
●大阪 なし
●兵庫 なし
●奈良 なし
●和歌山 なし
●鳥取 なし
●島根 なし
●岡山 なし
●広島 なし
●山口 なし
●徳島 なし
●香川 なし
●愛媛 なし
●高知 なし
●福岡 なし
●佐賀 なし
●長崎 なし
●熊本 なし
●大分 なし
●宮崎 なし
●鹿児島 なし
●沖縄 なし
私がかんたんに検索できる範囲で見つけた〝県名等+雪〟は以上です。 2019.2.25 高柳蕗子