当時、俗信迷信の本をコレクションしていて、大きな重たい本を神田で買って帰宅した。
よっこらしょ! その場面から始まります。
どでかい『故事俗信ことわざ大辞典』をずっしりと、あぐらをかいた足にのせ、パッと開いたところを読む。
ぷふ、なんだこりゃあ。
ああ誰かと掴みあって笑いたい。ーーでも私は忙しいんだっけ。おーい、助手!
と、高校生の助手君を呼ぶ。
「この本から君のセンスで面白い俗信を選んで、オアシスポケットで入力してちょうだい、ママは『かばん』の編集後記を書かなきゃ。」
※オアシスポケット=当時の小型ワープロ。外出のお供だった。
ところが助手は著が転がっても笑う年頃で(あれは女だけか)、入力している別室から聞こえるゲラゲラ笑いが途切れない。
ときどき我慢できずに飛ぴ出してきては笑い崩れる。ーー結局ママはちっとも編集後記が書けなかった。
助手君が入力したのを分類しながら読んでみた。
普通の俗信は、例えば「枕を踏むと頭痛持ちになる」ぐらいに、◯◯と△△が「付きすぎ」が多いが、助手君は右のように、ずいぶん面白いものを選んでくれた。
次にあげるのは、◯◯と△△が意外だった逸品。
下句を作のてみて本物と出来を競いたい人のために、本物の下句は末尾にまとめた。
■下句
1 忍術を教えてくれる
2 霧が晴れる
3 破産する
4 口から生まれる
5 その子供が舌を出す
6 次の子が早く生まれる
新年おめでとうございます。みなさまは縁起のいいお正月を過ごされましたか。
次の、正月にまっわる百い習わしでチェックしてみてください。
ーーいかが?
「めでたい」という言葉が好きだ。物事はめでたく、つまり祝うべき方向で成そうよ!
例えば昨年は退会した人が多かったが、退会だって「めでたい退会」であってほしい。 (高柳)
※当時高校生だった助手くんは、もう三十代後半で一児の父になりました。
2019.3.28