北原白秋『風隠集』
★うん、すごくフツーだなあ。
岡 麓
★さびしそうだなあ。で、人が来たらどういう絵になるのか?
穂村弘『水中翼船炎上中』
★炬燵の新聞のぐるぐる丸を見たら、その炬燵でテレビを見ていた人の心身のありかたがまるごと伝わって来ちゃった、そういう瞬間を描く。
丸を書いた人はおそらく、晩年の老人で、用事はなく、多くの時間を炬燵で一人静かにそこにある楽しみで素直に楽しんで過ごしていた。ささやかな楽しみであるTVの、気に入った番組を見逃すまいと番組に印をつける。
歌の主体は今、その人がのこしたささやかな興奮の跡を見ている。
そのことから、読者は、もしかして炬燵にもうその人はいないのかも、とまで想像する。うまく凝縮されている。優れた表現だ。
穂村弘『水中翼船炎上中』
吉川宏志『青蝉』
久真八志 「鯖を買う/妻が好き」2015(第58回短歌研究新人賞候補作)
目黒哲朗『VSOP』
笹井宏之
大松達知
宇佐美ゆくえ『夷隅川【いすみかわ】』
染野太朗 「詩客」2013-02-22
松木秀『RERA』(2)
石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
山崎方代
短歌より詠まれる頻度が高いのか、ずいぶんありました。
選ぶのがめんどうなので、見つけたものをすべて貼り付けます。
古典が混じっています。
炬燵という、なんとなく古川柳っぽい連想脈がありますよね。
でも、現代の川柳はやや少ない感じがしました。
高柳蕗子 2018.11.19