ちょろぱ

生活と健康

生活・健康の覚え歌

日常生活上役に立つ知識やちょっとしたコツのようなものを 和歌などの形にまとめておくことがある。

ここにはそういうものを集めたが、その知識は言い伝えのようなものであって、正しいかどうかはわからない。

また、一般に流布しているものとは限らず、小説のなかに出てきたものや、個人が自分や家族のために作った歌も含まれ、中には、覚え方として効果的かどうかわからないものもある。

コレクションの初期は、出展などを確かめるということに気が回らず、ことに知人友人からの情報は出どころが不明なものが多い。

食事

●ごはんの炊きワザ

ずいぶんまえのこと、友人が「羽釜ふたの炊き技」として、炊飯器のパンフレットから書き抜いたものをくれた。

初めチョロチョロ中パッパ(吹きこぼれ始めたら蓋を少しずつずらす)

ブツブツいう頃火を引いて(重い石をのせる)

ひと握りのわら燃やし (水分をとばす)

赤子泣いても蓋とるな (蓋をしたまま余熱で蒸らす)

※まだ私のコレクションははじまったばかりで、それがどこのメーカーの炊飯器なのか調べることも失念して、ただ、おおこれは今様体だ、と感心しただけだった。

一般には一行目と四行目しか聞いたことがない。


●森永ホットケーキの歌

森永ホットケーキのモトのCMで、ホットケーキの焼き方を歌っていたのがあった。

残念ながらあまり覚えていない。

粉の水加減を「耳たぶぐらいのやわらかさ」と言ったり、「フライパン、あったまったら、濡れたふきんでちょいと冷やす」というフレーズがあった。


●キャンプ料理の歌

日本ボーイスカウト作詞 。カレーを作る手順など、十種類の料理の作り方。

覚えたらなかなか便利だと思う。ネットで検索したら見つかりそう。


●『食品国歌』(やまとうた)

芹はよく精を養うて血を保ち、小腸を利し、身熱を去る

しじみよく黄疸を治し酔を解す

『食品国歌』(やまとうた)天明年間(1781~89)という本に、このような、食品に関することが歌などの形で書いてあるそうだ。


●食品の品定め


【缶詰】

振ってみて音がする上、目(目方)が軽く、ふたのふくらむものは買うなよ

【砂糖】

誰も知る三盆白はよけれども花見は玉の少なきを買え


●焼き具合

金持ちに魚は焼かせすべからく餅は乞食に焼かせるがよし

魚は頻繁に裏返さない方が良いので、万事鷹揚な金持ちに焼かせるのがよく、餅は焦げやすいのですぐに手を出す乞食がよいの意。すぐに手を出すという意味で、要するに魚と餅の焼き方の違いを説明する歌。


●太らないためにこころがけてたべるべきもの

まごわやさしい

ゴマ

わかめ

野菜

シイタケ

=まごわやさしい。

ううむ、これって、覚えやすい?


行儀作法

●おじぎの顔をあげるタイミング

このたびは幣(ぬさ)もとりあへず手向山もみぢの錦神のまにまに (菅原道真)

葬儀にいってお辞儀をするときは、

「このたびは」と言って、あとは心の中でこの歌を唱えて顔をあげなさい、

と、よく言われている。

※でも、実際にやってみたら、ちょっと長すぎるようだ。今は時代がかわってスピードアップしているらしい。

「このたびは幣もとりあへずじゃんけんぽーん」ぐらいでいいようだが、不謹慎だから、決して口に出してはいけない。


●入浴の作法

湯に入るに前や後ろをよく洗ひどんぶり入るは大のおきらい

日本海々戦の連合艦隊先任参謀秋山眞之が十歳のころに銭湯の主に頼まれて作った、と『坂の上の雲』に出てくる。


●トイレのエチケット

朝顔の外へこぼすな棹の水

昔のトイレにはこういう貼り紙があったそうだ。

心して 西や東に こぼすなよ 南るひとが 北ながるから

南る=皆見る 北な=汚な

※ BBS(閉鎖)より。「南の人が北ながるから」というバリエーションもあったかもとのこと。


急ぐとも 心静かに手を添へて 外へもらすな 松茸の露

※BBSより。 「もらすな」は「零すな」だったかもしれない、とのこと。

●喪服の着付けのこつ

喪の姿襟抜きすぎず胸合わせ紅ひっそりと房はうつむき

※だいぶまえのこと、知人が、「いまテレビドラマでこういうのを聞いた」と連絡をくれた。

●挨拶はオアシス

覚えやすいように頭文字を並べる方法の代表格。

とはいえ、オアシスのオは、えーっつと、おはよう?お疲れ様?お辞儀?お邪魔しますだっけか? ・・・・


クイズで「挨拶のオアシス」の「シ」は何でしょう、とか、そういう用途のほうが有望かな。


●エコ句

ゴミを再利用するなどして節約に徹している人を集めたテレビ番組で紹介されていた句。

雨風太陽かきあつめリサイクルして青き星

ケチとチエどちらも同じ 金いらず

(手作りの風力発電機やペットボトルを使った太陽熱湯沸器などを備え、雨水をためてトイレに使っている人の作)


健康維持増進


●衛生数え歌

一つとせ ひとの嫌がるコレラ病のがれて長生きするがよい これ一大事

二つとせ 古い食べ物食べぬよう三度の食事に気をつけて 身の用心を

……

明治二十年ごろ大日本私立衛生会福井武生支会で配布した「衛生かぞえうた」。

コレラが流行して、早急に民間に衛生の基本を徹底する必要があったために作ったらしい。


●衛生唱歌

明治三十三年「衛生唱歌」 (作詞 三島通良)。

一番には、衛生の目的が次のように書いてある。

身体髪膚を父母にうけ 毀傷せざるを孝と云い

心身みながら天皇に 捧げまつるを忠と云う

二番以降は、「夜は八時に寝間に入り」とか「食後はしばらく休息し」とか、早寝早起き、清潔、消化、適度な運動といった健康維持の方法を、具体的、かつ細かにアドバイスしている。

最後はこういうふうに終わる。

たそがれ時のうすあかり 光ともしき灯火や

ゆらぐ車の上にして 新聞みるな本読むな

こまかき文字うすき紙 墨つきうすき印刷は

いづれも視力を害すべし 痘瘡はやらば種痘せよ

はやらずとても怠らず 六年目には試みよ

病ある日は心せよ 病なき身はきたうべし

強壮偉大の魁男子 健康艶美の真美人

互いに力を尽くしなば お国は万歳万々歳


●たばこをやめる「あいうえお」

(歌じゃないけど。出典不明)


あかるくやめよう!

(やめて良くなる点を考えて明るく取組め)

いっきにやめよう!

(本数を減らす等では逆に深く吸い込んでニコチン濃度があがる)

うごいてやめよう!

(手持ち無沙汰など行動やココロの癖でもあるので、身体を動かしココロを動かす)

えんをむすんでやめよう!

(禁煙治療やガムなど、人やモノと新たな縁を結び、家族などの協力も)

おきあがりこぼしでやめよう!

(失敗しても何度でも挑戦。禁煙は数回で成功する例が多い)


●禁煙嫌煙和歌

「禁煙嫌煙和歌」優秀作品 (1999.11.11朝日新聞より)

というから期待したのだが……。

1999年6月5日に、日本禁煙推進医師歯科医師連盟が、習慣になるとなかなかやめられず、周囲の人にも迷惑をかける喫煙について、注意を喚起し合おうというねらいで募集。しかし、「ニコチン中毒 ところかまわず」という下の句に、「五七五」の上の句をつけるというというもので、77を示して575をつけるのは昔の川柳の方法であり、ひごろの迷惑を皮肉まじりに訴える文脈になってしまっている。

つまり、具体的なタバコのやめ方になっていない。

1等 ポイステが 駅迄続く 朝の道 ニコチン中毒 ところかまわず

2等 たばこ吸う 何しに来たの 病院で・・・

環境の 改善会議で タバコ吸う・・・

3等 娘婿 いい人だけど 玉にキズ・・・

やめてみて はじめて分かる ひとのため・・・

おそろしい がん細胞が 笑ってる・・・

会長賞 初孫を くわえタバコで 抱き上げる・・・

特別賞 肺がんで 逝(い)った友の 葬儀でも・・・


その他の生活の知恵など


●地震の起きた時刻によって明日の天気を予知する

四つひでり五七は雨の九は病ひ六つ八つ風となるを知るべし

ひでりは晴、病ひは曇、風は強風のこと。


●目標設定はsmart

目標の設定は「smart」に。

specific 具体的

measurable 測定可能

affainable 達成可能

realistic 現実的

time-based 時間の喜寿 期限設定がある


●子供の安全を守る標語

いかのおすし

警視庁考案防犯標語。子供の安全を守る標語で、防犯ソングになっているらしい。

歌や踊り、紙芝居もあるんだって。


イカ (知らない人について)いかない

ノ (知らない人の車に)のらない

オ 大声を出す

ス すぐ逃げて

シ (誰かに)知らせる


「いかのおすし いかいかいかが」と軽快に、 (警戒?)を促す歌になっているそうだ。

うーん、ハッキリ言って覚えにくいと思うな。


●首を絞められたときの対応

首をしめられたらニヤリ

首を絞められたらニヤリと笑え、と古武道の本に書いてあるそうだ。

健康管理関係の雑誌の笑いの効能についての文章の枕に使われていた話で詳しいことはわからない。


あごを引き、口の両端をぐっと下に引いて、ニヤっと笑ったような表情を作ることが極意。

相手の手が喉元に入りにくくなり、首の両側の筋肉が緊張し、気管が押しつぶされにくくもなる。

それに、相手がぎょっとして、首をしめるのをやめてくれるかもしれない だって。

(どうだろう。笑)


●くしやみ回数占い

1は褒められ

2は憎まれ

3は惚れられ

夜風吹く


これは知人に教わったくしゃみの回数占い。生活の知恵じゃないけど。

推測だが、「夜風吹く」は、当初は4風邪をひく、だったのではないか。

「夜風吹く」のひねりによって、他人の思いに翻弄されて疲れて帰る夜道のような感じが出ている 。


暮らしの中の短歌いろいろ


●百人一首の発声練習歌

夏の夜は秋の草木の八重桜 紅葉の錦雪は降りつつ

闇の夜に鳴かぬカラスの声きけば生まれぬ先の父ぞ恋しき

百人一首の読み手が、始める前の発声練習で唱える。

一首目は、四季の景色のまじりあったおもしろい歌。二首目も、なんとも不思議なナンセンス歌。

どちらも緊張をほぐす効果がありそう。


●出勤時の持ち物チェック

鳩が豆食ってパ

ハンカチ、時計、がま口、万年筆、めがね(名刺?)、櫛、手帳、パス


●小の月の覚えかた

西向く士(さむらい)

2、4、6、9、11月

(士は十一ですね)


●坎日(かんにち)を知るための歌

かん日はたつにはじめてとほにとほひとつたらぬはさつきなが月

(坎日は毎年、辰の日に始まり、十に十を足した二十日を中に置いて繰り返される。二十より一つ足りない十九を置いて繰り返すのは五月と九月の坎日である。という意味。)

なんだかムズカシイなあ。昔のカレンダーは今のものとはだいぶ違っていたそうで、昔の人はこれで意味がわかったらしい。

そも、坎日って何でしたっけ?

=陰陽道(おんようどう)で、万事に凶であるとして、外出その他を見合わせる日、 だそうです。