ちょろぱ通信
昔コレクションした実用短歌や言葉遊びなど。
最近は少ししか更新していません。
ちょろぱ目次
ご注意:聞き覚えなどで原典が未確認である場合もあり、不正確なものが含まれている可能性があります。
自作回文句集 薄暮集(回文句)
たまに良いのができると追加しています (最近やってない)
『はじめちょろちょろなかぱっぱ』
(集英社 1400円+税 2003年3月刊)
実用和歌コレクションを本にまとめました。
※このちょろぱコーナーでは、本書出版後しばらく、
本に収録できなかった分と発行後の追加コレクションのみを公開していましたが、
発行後年月がたちましたので、本に収録したコレクションも少し 加えてあります。
ちょろぱマインド★ ちょろぱコーナー の趣旨説明など
『はじめちょろちょろなかぱっぱ』お詫びと訂正
出版後、読者から寄せられたまちがいのご指摘などを以下にまとめ ました。
「はじめちょろちょろなかぱっぱ」は、出版を予定せず気楽にコレクションしたものがもとになっています。
出版のためにまとめる段になってずいぶん調べ、原典を探す努力はしたのですが、いたらない部分がずいぶん残っていたようです。大変申し訳ありませんでした。
読者からまちがいのご指摘があり、なかには冷や汗の出るようなものもありましたので、このコーナーを設けました。
●小野篁歌字尽(※)(p22)について
1 よみがな 「おののたかむらうたじづくし」の「じ」が抜けていました。
2 作者は小野篁ではありませんでした。
以上2点は、当コーナーBBS(現在ありません)のご指摘(※※)で気がつきました。
調べたところ、「小野篁歌字尽」は往来物(※※※)と呼ばれる書物のひとつで、
江戸中期の本。作者は不明で、類書がたくさんあります。
(※)「春つばき夏はゑのきに秋ひさぎ冬はひらぎ同はきり」という暗唱用の和歌によって、「椿 榎 楸 柊 桐」という字を区別しながら覚えるといったような内容。
(※※)小野篁は博学で漢詩文の第一人者として知られていて、字謎に関する伝説もあるので、「漢字のことなら小野篁だ」ということで、この書名がつけられたのではないか。
それは小野小町の名を借りて『小野小町美顔術』というような本を出すようなものだろう、という考察も、ご指摘とあわせて寄せられました。(BBS:桜堤さんの書込みの抜粋要約)
(※※※)往来物とは、主に寺子屋で使用された初歩教科書の総称。貴族の子弟のための手紙のお手本集のようなものからはじまり、実用、学習、教訓など、さまざまな分野のものが作られた。
●秋の七草(※)(p28)
秋の七草を歌の「かるかや」(※※)は「なでしこ」でした。
秋の七草を覚える歌を、
「はぎすすきききょうかるかやおみなえしふじばかまくず秋の七草」
と書きましたが、
正しくは「かるかや(刈萱)」でなく「なでしこ(撫子)」ではないか、
とのご指摘がありました。
確かにそのとおりで、これは私の記憶違いで(祖父からこう教わった・・・)した。
(※)春の七草は七草粥を作りますが、秋の七草も何かに使うものなのかどうか、
気になりますがわかりません。ただし「秋の七草」という言葉は古いようです。
万葉集巻8の山上憶良(やまのうえのおくら)の歌にこう詠まれています。
秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花(1537)
萩の花尾花葛花なでしこの花女郎花また藤袴朝がほの花(1538)
(※※)「かるかや」の混入経路。
吾木香すすきかるかや秋くさのさびしききはみ君におくらむ(若山牧水)
という歌があります。
鉄道唱歌にも、
「くだる道には追分の原とよばるる広野あり
桔梗かるかや女郎花秋の旅路はおもしろや 」
と歌われ、また、
「かるかや」が月見に供えるもののひとつである地方もあるようです。
邦楽にも、秋の草を歌うもので「かるかや」が出てくることがあるので、
「かるかや」も、代表的な秋の草のひとつではあります。
●草の名も所によりて(p54)
「物」の名でなく「草」の名でした。
本には「物の名も所によりて変わるなり難波の芦は伊勢の浜荻」と書いてありますが、これも祖父が言うのを聞いて覚えたもので、
正しくは「草の名は・・・・・・」(『菟玖波集』)でした。
読者から指摘を受けるまで、『菟玖波集』の歌だったとは知りませんでした。
草の名も所によりてかはるなり
なにはのあしはいせのはまをぎ (菟玖波集巻14雑3)