本日のお気に入り
時間というものには色がない。
強いて色があるとしたら? と問えば「青」と答える人が比較的多いのではないかと思う。
歌の中でそれとなく時間と色ものを合わせ詠む場合も、もっとも相性がよさそうなのは「青」だ。
ただし時間を詠む歌では「白」もずいぶん多く出てくる。青との違いが気になるが、まだはっきりした違いは述べきれない。
赤やその他の色は、時間そのものでなく、たとえば緊迫した瞬間は赤いとか、特殊な時間を表現する傾向が強いようだ。
すごく多いので、選ぶのがタイヘン。
★「時」という語でなく時に関連する語を含む歌ならさらにたくさんある。以下ほんの一例。
赤と時間の取り合わせもかなり多く詠まれます。
塚本邦雄『巴里眩暈紀行』1988
青や赤より多いかもしれなくて驚きました。白と時間の取り合わせです。
黄色と時間の取り合わせ例は少ない。
強いていえば黄色は、目立つ色だからか、道しるべならぬ〝時しるべ〟的な働きに向いているかもしれない。
ときどき取り合わせる例があるけれども、あまり特徴がはっきりしないように思う。
他の色との組み合わせは少ないがなかなか魅力のある歌が多い。
私のデータベースは、語の使われ方の変遷などを見るためなど主に統計を目的としてデータを集めております。
直接入力だけでなく、青空文庫、歌人のブログ、そのほかネット上で見つけたデータをコピーさせていただくこともあります。
見ず知らずの方々の努力の成果を労せずして頂戴しており、感謝してもしきれません。評論などで世の中に還流させることで報いたいと思います。。
データベースに収録した歌句は、日々表記等の確認に努めておりますが、数が多いこと、また、自分が原典を有しないものがあるなど、なかなか点検が追いつかない状況です。
高柳蕗子