インターネットが便利になるにつれて、私は図書館に足繁くは行かなくなった。
でも、
本がたくさんある静かな場所にいってくつろぐ、という時間の過ごし方の魅力を忘れたわけではない。
現実の図書館とは別に、短歌の言葉として、「図書館」は詩的経験値を高めてきていると思う。
詩歌の言葉には偏食がある。「詠まず嫌い」もあれば「ばっかり食い」もある。
千年かけて経験値を蓄積する場合もあるが、
「ばっかり食い」現象が起きたときに一気に経験値をためる場合もある。
「図書館」という語は、短歌の世界でいま静かな人気があって、用例が急に増え始め、
内容も、現実の図書館を超えたイメージを帯びてきていると思う。
「図書館」と「水」(雨、海など)を結びつける歌がいくつかあるようです。
理由はわからないけれど、なんらかの親和性があるらしい。偶然ではないと思う。
図書館の外か内か、図書館そのものを詠んでいるか、人間のほうを詠んでいるか。
はたまた抽象的な図書館か。
あまり明確に線引はできないものだが、そこをあえて、少々無理をして分類してみた。
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2019年7月18日 高柳蕗子