NPO法人信州そばアカデミーは、2020年9月20日(日)、アカデミー主催による”そば打ちと感染予防”についての講座「With コロナの時代を生きる」を塩尻総合文化センターにて開催しました。
一般社団法人 全麺協は、今年7月に、全国的な新型コロナウイルスの感染拡大状況下(With コロナ)におけるそば道段位認定会、および研修会・講習会の開催ガイドラインを定めました。今回の講座は、このガイドラインに沿った段位認定会の開催について、専門家による講演と模擬認定会の二部構成で開催しました。模擬認定会では、全麺協のガイドラインに従ってコロナ対策を実行して、Withコロナにおける認定会の運営を実践的に確認しました。参加者は、アカデミー会員、長野県内外の全麺協個人会員41名でした。
講座の前半は、赤羽章司信州そばアカデミー理事長の開催挨拶の後、松本歯科大学 前島信也教授による「コロナ感染症の医学的知見」と題した講演を聞き、続いて全麺協段位認定部会 水口久雄専門チーム員によって、「全麺協 感染予防ガイドライン」を詳しく解説していただきました。「コロナ感染症の医学的知見」の講義では、新型コロナウイルス感染症の特徴とその予防方法について体系的かつ詳細なお話があり、これまでTV等で見聞きしてきた断片的な知識が整理できました。前島教授には、参加者からの質問にも熱心に答えていただきました。また前島教授は、昨年秋の中日本支部第3回日本そば大学講座in蓼科で「そばの健康成分と臨床データ 」の講演をしていただいています。
「全麺協 感染予防ガイドラインの解説」では、ガイドラインの作成経緯、背景・考え方、認定会開催の判断基準を重点的に説明していただきました。水口専門チーム員は、全麺協のガイドライン検討班メンバーとしてQ&Aを含む詳細なガイドラインを中心となってまとめています。最後に前島教授からは、全麺協恐るべし、大学病院でもコロナ対策のガイドラインを作成したが、Q&Aを含めここまで詳細ではない、万が一何かあっても、これだけ準備してあれば、大きな問題にはならないでしょうし、完璧ですとのコメントをいただきました。
模擬認定会は、8台の打ち台をガイドラインに従って、隣同士2m以上の間隔を空けての配置と2m未満の間隔では飛沫防止シートを設置しての配置の2通りを準備しました。模擬認定会の受験者は、二段位4名、三段位4名の計8名です。受験者は、審査中、マスクを着用しなくてよしとしました。審査員は、全国審査員、地方審査員の計5名で、マスクとフェイスシールドを着用しました。審査時間は、40分間で、いつも通りのタイムコールとしました。受験者は、入場の合図で各台に着き、バックヤードに用意されたアルコールで手指を消毒してから、道具の準備に取り掛かります。開始と終了の礼、および個々の終了宣言も無言で発声はしません。打ち終わったそばは、生舟に入れて審査を受け、そのまま蓋をして受験者各自が持ち帰ります。そばの切りくずや打粉も各自持ち帰りです。審査員は、受験者の麺体、道具には一切触れないで審査します。受験者は、必ずしも二段位、三段位の受験該当者ではありませんでしたが、今年は認定会やそば打ち大会がないことから、制限時間内に打つことから遠ざかっていて、苦労した様子でした。審査終了後の閉会式では審査員長の講評、合格者の発表、認定証の授与も行われました。
講座終了にあたり、今回の講座を評価していただいた5名の顧問(アカデミー以外の団体の方)の皆様から次のようなコメントを頂戴しました。「アカデミーが全国で初めてガイドラインの勉強会を実践的に実施した意義は大きい、このガイドラインが、各地に普及・浸透する契機になることを期待したい。」