NPO法人信州そばアカデミー主催の地域交流講演会を、2015年5月16日(土)午後に塩尻市広丘公民館で開催しました。講師は、信州大学学術研究院農学系教授の井上直人先生で、演題は、「世界の食の多様性~どうづきそば製法・新そばの色」でした。参加者は、信州そばアカデミーの会員と一般参加者で約60名でした。 「そば」の文化的側面としてのソバの食品意匠および蕎麦食の呪術(呪い)について、年越し蕎麦、薬味、戸隠蕎麦のぼっちもりなどが陰陽五行説から合理的に説明できるとの紹介が冒頭にありました。続いて、ソバの実の生育に関して、最初に子葉、甘皮と果皮が形成され、その後にデンプン質が蓄積されていくことから、早刈りするとタンパク質が相対的に多い実となり、美味しいソバとなることなど、興味深いお話がありました。最後に、井上先生が開発された製粉工程を経ずに「そば玉」をつくる、「どうづきそば」の製法について、機械の構成を含め説明がありました。
講演の終了後に井上先生が懇意にしている、佐久市岩村田の手碾蕎麦磊庵(らいあん)庵主、萩原正人さんが機械でつきあげて持参した「そば玉」をそばに打ち上げる実演と、その「どうづきそば」の試食がありました。なにも付けずにそばだけの試食でしたが、参加者一同が甘みのある、珍しい食感のそばを楽しみました。
Post date: May 23, 2015 6:04:04 AM